Pearl パールのレビュー・感想・評価
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もはやホラーじゃないと思うけれど、温故知新で生まれた新ジャンル。
ホラーというジャンルを入口にして、さまざまな時代のジャンル映画を訪ねて回る。なんだかタイ・ウェスト監督の映画史探訪みたいな体を成してきた『X』シリーズの第二弾。今回は時代設定こそ無声映画の1910年代だが、表現としては『オズの魔法使』に代表される夢見るようなテクニカラー映画を再現しつつ、『何がジェーンに起こったか?』のサイコスリラー味をミックス。正直、ホラーとしては怖くないというか、もはやホラージャンルからは逸脱して、いま改めて当時のスタイルを模倣することで、なんだか古くて新しいものが生まれている面白さがある。そして形式だけの面白さではない。完全に主演のミア・ゴス劇場であり、もうミア・ゴスの陽性なのに暗さを秘めた表情を見ているだけでお釣りがくる。誰もがノックアウトされるであろう、常識破りの長回しも、ミア・ゴスへの信頼故に生まれたクライマックスなのだろう。エンドクレジットの表情は、監督が止め絵にするつもりだったのに、カットをかけずにカメラを回し続けたら撮れたらしい。誰もが想定していなかったパールの涙が、行き当たりばったりで撮れてしまったのも、映画の神が微笑んだという気がする。
愛と狂気
怖かったし面白かった!個人的に結構好き。びっくりするって感じの怖さではないけど、ずっと色んな意味でドキドキしてた。
序盤すごく平和な感じというか、これがホラーになるの?って思ってたけど、思ってたよりしんどくなってしまった。
パールがずっと可愛くてずっとこわいんだけど、両親のこととか、夢とか、共感できる部分もあるのが人間らしさを感じて好きだった。他の人のパールをだんだん怖がっていく演技が良かった。
もっと愛が欲しかったのかなあと、、悲しくて可哀想で、でもちゃんとイカれてるパールを演じ切ったミア・ゴスさんすごい〜( i _ i )
エンディングのずっと無理して笑ってる感じ本当につらくてこわくて苦しい。最後ハワードがパールを抱きしめてあげてほしい…!
〘 告白系サイコスリラー 〙 今作で脚本とエグゼクティブ・プロデュ...
〘 告白系サイコスリラー 〙
今作で脚本とエグゼクティブ・プロデューサーとしてもクレジットされているミア・ゴス主演作。前作でタッグを組んだタイ・ウェスト監督との『X エックス』の続編の『Pearl パール』。3部作になるらしく『MaXXXine』(原題)へと続く。
眉薄のなんか凄い名前のゴスさん、実は本名も凄くて過去にも『マローボーン家の掟』(2017)や『サスペリア』(2018)でも拝見していた事に気づいた。
ミア・ジプシー・メロ・ダ・シルバ・ゴス(1993年生まれ)シャイア・ラブーフと結婚してた。
ミアゴスの怪演!
ミアゴスの演技が素晴らしい!最後の泣き笑いのドアップが頭から離れない。鼻水垂らしながら大泣きするシーンも自分をよく見せようとするのではなく、ほんまに役者やなあと心から尊敬。
特定の人たちの死亡フラグたちまくりで、力が入ってしまった。最初の彼氏も金持ちの妹も悪いやつやないのにかわいそうやね。
三部作やけど、次は一体どうなるのか楽しみ。
ミア・ゴス劇場
今年鑑賞した映画を今になって思い出しながらレビューをしているわけだが、この作品を語る上で非常に印象に残ったのはミア・ゴスのぶっ飛んだ演技が非常に素晴らしかった。最後までミア・ゴスの虜になる作品でした。
内容は実家である農園から出たかったにも関わらず農園の跡取りを考えた親の意向により跡取りとなる方と結婚するが、戦争に赴いたことによりパールの心の支えは大好きな映画を見てスターになることを夢見て家畜を相手にダンスをしたりすることだが、そんな娘を厳格な母親は夢ばかり見てと叱責します。
娘は理解を示さない親に苛立を募らせるようになり、最終的には母親との些細なことでいざこざになり母親を殺してしまったことから、いけない方向にスイッチが入ってしまう。理解者だったはずのミッツィーでさえも嫉妬から殺害してしまう、不倫相手も、そして介護をしていた父親も。ほんの些細なことで人が変わり、快楽を覚えてしまえば堕ちるところまで堕ちるんだなと思いながら観ました。
相談する相手が身近にいて、話ができる環境なら違っていたのかもしれませんね。エンドの夫が帰還しテーブルを囲むように亡くなった両親の遺体に虫が寄っているのを見て絶句するのとは裏腹にパールは待っていたよ、と笑顔でお出迎え。
純真で無垢なように見えて怖すぎる…😨
夢と狂気の狭間で、逃れられぬ現状に堕ちる
1970年~80年代のスラッシャー・ホラーへたっぷりのオマージュ『X/エックス』。
ポルノ映画撮影で田舎町を訪れた若者たちを襲う惨劇。
殺人鬼の正体は、農家の老夫婦だった…!
とりわけインパクトを残したのは、老婆パール。
何故彼女は稀代の殺人鬼老婆になったのか…?
A24初の3部作。第2作は時を遡り、その起源を描く。
1918年、テキサス州の田舎町。
出兵した夫の帰りを待つ少女パール。
彼女の唯一の趣味は、映画。華やかなミュージカル映画のスターに憧れていた。
私も歌って踊って、あの世界へ…。
が、現実は程遠く。こんな何も無い田舎で農業の仕事。身体の不自由な車椅子の父の介護、厳格な母の説教に毎日毎日毎日毎日…。
ある日町で映写技師の青年と出会い、彼の計らいで無料で映画を見れ、より一層憧れを強くする。
またそんな時、義妹からダンスのオーディションの話を聞き、夢を叶えようと受けようとするが…。
前作『X/エックス』と連続して撮影。
でありながら、作風が違うのは開幕から一目瞭然。
音楽やOPクレジットや画作り…ハリウッド往年の作品を彷彿。ヒロインの設定などメロドラマだ。
終盤のオーディション。イマジネーションも合わさって、カラフルなミュージカル。
一応ホラー映画で、この異色の作り。
続編(前日譚)でも同じ韻は踏まない。俊英タイ・ウェストの才気がまたまた光る。
ユニークな趣向を凝らしながらも、全編を覆う不穏な雰囲気。
何故無垢な少女が殺人鬼になった?…と宣伝文句で使われているが、100%純真無垢ではない。
小動物を殺す。その死骸を近くの池の“ペット”に。
田んぼのかかしとダンス。熱烈なキス。自慰行為…。
夫の帰りを待つ身でありながら映写技師の青年と関係も。
憂さ晴らしや妄想。ちらほら目立つ異常行動。
この現状から逃げたい…。
そのチャンスが到来。殺人鬼になったきっかけも…。
オーディションを受ける事を母に打ち明ける。
母の口から出たのは…
無駄な考えは捨てなさい。
お前にはその価値がない。
オーディションに落ちた時の気持ちを覚えておきなさい。私がお前を見る時と同じ気持ち。
恩知らず。
お前の一生は決まっている。
お前はこの農場から抜け出せない。
本当に実の母親かと思うくらいの辛辣な言葉の数々。
ひょっとしたら母のその言葉の裏には、娘に夢破れや失意を経験させたくなく、平凡な手中の営みを…の真意があったのかもしれないが、だとしても厳し過ぎる。
スペイン風邪流行。バイ菌などを異常に気に掛ける。
娘の異常行動の事を知っている。
ほんの一押し、娘の夢を応援してやっても…。
母が母だから、娘も娘。
ママみたいになりたくない。
私の人生はこんな所で終わらない。
私は特別。
言い合い、取っ組み合い。
その時事故が…。
全てを捨てて、オーディションへ。荷物も持ち、受かる前提でもうここには戻らない。
そんな絶対的な自信と決意が脆くも破れた時…。
審査員たちの言葉も酷いもの。
私たちが求めていたものとは違う。私たちが求めていたのは…。なら最初からそう告知しとけや!
意気揚々と挑んだのに、端から負け戦。しかも合格したのは…。
号泣。失意。絶望。どん底。
もう戻らないと誓った家へ。
また息が詰まるような毎日が待っているだけじゃない。
すでにこの時、パールは“罪”を…。
付き添ってくれた義妹に全て打ち明ける。
夫への不満と愛、自分自身への無能や愚かさ、決して逃れられない人生と現実、犯した罪…。
この告白シーン、恐ろしいんだけど、自分にも重ねられる部分もあり(自分の無能さを嘆く件)、引き込まれてしまう。
そして彼女はまた一つ罪を重ねる。これから重ね続けてゆく。
正義の騎士がダークサイドに堕ちた時然り、心優しきコメディアンが狂犯罪者になった時然り。
世の不条理、己の弱さ、人は苦悩の果てにふとしたきっかけで、堕ちる。
それを体現したミア・ゴスの熱演。
『X/エックス』での一人二役も圧巻だったが、本作での複雑な役所と難演は、単なるホラー映画の一登場人物の枠には留まらない。
狂気、哀しみ、怒り、夢憧れ、メチャクチャキュートってほどではないが不思議な魅力…。
オスカーノミネートも期待されたのも納得の名演。
ラストシーンがまた強烈。
帰ってきた夫。そこで見た光景は…。
“戦慄と穏やかな日常”。
忘れ難いパールの表情。
夫がパールの異常さを容認し、殺人鬼夫婦になったのも、妻を追い込んでしまった自分にも否があるんじゃないかと推測。
ある夫婦の、戦慄と歪んだ哀しい愛の始まり。
面白さもドラマ性もキャラの深みも作りも『X/エックス』以上。
単体作として見ても、近年秀逸のホラー映画。
3部作最終作『マキシーン』へいよいよ期待が掛かる。いつ公開!?
ミア・ゴス劇場
不思議な女優だ。
今作では脚本も手掛けている。
あどけないブサカワな容姿に長身。
スターを夢見るシリアル・キラーは、
「私の居場所はこんなとこじゃない!!」
と叫ぶ。
1918年Texasの農園。
父親は車椅子で会話もしない。
母親は厳格で農家の仕事・家畜の世話をPearl押し付ける。
折角結婚した夫のハワードはヨーロッパ戦線で戦っている。
「私(Pearl)は舞台に立ち、みんなに見られて踊るのよ!!」
拍手と歓声を浴びて!!
世界一のスターになる。
教会のオーディションで踊るPearl。
機械仕掛けの人形のようにギクシャクで手足を広げる。
そしてなんと「不合格!???!!」
気に入らない!!
この鬱屈は合格して、それを隠す義妹をミッツィに向かう。
斧をメッタメタに振り下ろす。
なんといっても頭の毛の焼け落ちた母親。
枕で窒息させた父親。
Pearlの3人で囲む食卓の不気味。
必ず祈りを捧げていた母親は焼け焦げている。
玄関の腐敗して蛆虫の湧いた子豚の丸焼き。
その子豚も食卓に乗せて・・・
なんと、ハワードが戦地から帰ってくる。
「お帰りなさい、ハワード」
2分半のPearlの顔のクローズアップ。
笑っているPearlの顔は半泣きになり涙が滲む。
「X」の前日譚。
3部作のラストは「Maxxx ine」
1980年のロサンゼルスが舞台と聞く。
私には厳格な母親と車椅子の父親の合成したイメージから、
ヒッチコック「サイコ」や他の作品の影響を。
カラーの鮮やかな映像や音楽やシェリー・デュバルになんか似ている
ミア・ゴスが斧を振り下ろす姿に、
キューブリックの「シャイニング」も思い浮かべてしまう。
最善の行動と最悪の結末
映写技師が狂おしいほどにセクシーで興奮した。
前作「X」では暴走する老婦の性欲と嫉妬から殺しに走ったように描かれていたけれど、パールは思ったよりずっと前から狂っていたし思ったよりずっと殺しに慣れていたんだな。
ガチョウと鍬の思わせぶりなカットからスカさずしっかりぶっ刺していて、一気にテンション上がった。
湖のワニも長い間現役を続けていたのね。
抑圧されたから「こう」なったのか、「こう」だから抑圧されていたのか。
たぶんママは本当に最善だと思える行動をしてきたのだろう。
ただ抑えつけられれば抑えつけられるほどパールの純粋で狂暴な欲望や夢はどんどん強くなっていくし、行動力を伴ってくる。
グロテスクで哀れな結末は迎えるべくして迎えられたものだったろうなと思う。
頑なに拒否されていた子豚の丸焼きがちゃんと食卓に上がることができて良かった。
夢破れたあとの長すぎる独白とドン引きの義妹のシーンがとても好き。
The End の前の長すぎる狂気的笑顔も大好き。
パパとパール、二人のシーンの独特な緊張感も好き。
いつ性的な行動に出てしまうのかとハラハラした。過去に何か絶対ありそうだけど。
すごく気になるのが、夫のハワードはなぜパールとの婚姻を継続し、死が二人を別つまで愛することができたのだろうということ。
やっと帰ってきた家の有様と尋常じゃない妻の様子、普通なら逃げ出してしかるべきだと思うのだけど。
狂気も含めてパールを愛していたのか、逃げださないうちは殺されないと理解したのか、ハワードも狂人だったのか。
あの後から「X」までの時間もまた映画にしてほしいと心から思う。
独自の空気を孕みながらも王道のスラッシャーだった前作に対し、今作は殺人者目線のためスリルや恐怖は少なくのめり込んで楽しむことはできなかった。
ただひたすらにパールという女性の生活や夢、ネジが完全に外れるまでの様子を眺めているような感覚。
若干レトロな映像に造形感の強いゴア描写や潜血がキレイにマッチしていたのが印象的。
たぶん三部作だよね?違いましたっけ、次も絶対に観るからね。
鑑賞動機:『X』9割、ミア・ゴス1割
『X』で一皮むけたと思ったミア・ゴスがさらに変態した。前半はギリギリ映画(館)映画と言えなくもないでけれど、ブタ…やナイスなフォーク捌きや全く嬉しくない長回しシーンとか、なんとも形容し難いあれやこれやで畳み掛けてきて、結果そうなるのはわかっているのに困惑した。
次もやっぱり映画ネタなんだろうね。
そこで終わるのか
X エックス の前日譚であるパールを見てきました。
主人公が思いの外イカれていてドン引きですw
個人的には話をもっと纏めてラストの後からエックスまでの話を追加して欲しかったなぁと
ラスト後の旦那との生活が一番面白いのに・・・
顔芸を見てパールに魅せられた自分が、少し怖くなった
Xは観ており、その前日譚であることも前情報で知っていました。
◉怖い絵
これまでに観た恐怖シーンの中でも、きっとベスト5に入る怖いシーンだったかなと思いました。本能的に感じた身の危険にいたたまれず、ドアを押し開けて逃げ出す義妹。おもむろにドアを開き義妹の姿を確かめて斧を握るパール。義妹は走り、パールは走ろうともしない。二人の距離は開いているし、閉じ込められた狭いスペースでもない。足を挫く前にもっと引き離せるはずなのに、振り下ろされる斧の下に義妹は身を置いてしまう。
牧場の空はあんなに明るく晴れ渡っていたのに…。引きから入った、童話のワンシーンみたいな、この光景は恐ろしかった。人は皆、人知れず死んでいく。
◉絶望しか抱かない母
人生の絶望を体現しているかのような母親。大戦下でなくても、ドイツ移民でなくても、この母ならば易々諾々として辛い境遇に身を委ねて、そこから抜け出ようとはしない。悲惨とかのレベルではなく、意味を見つけ難いような、彼女の人生。今、ここにあるものを大切に…と言う言葉で自らの生を閉鎖してしまえる、この母も脅威であり、実に嫌な怖さを醸し出していた。
◉軽い娘の軽い殺りく
華やかな舞台を夢見る少女の心底には、殺しへの異様な欲望が満ち溢れていて、それがパールの中で何より優先されてしまった……と言うのが、この前日譚のテーマだったと、私は思います。しかし、目の前で展開した筋書きを単純に追うならば、寂しがりやで気の短い娘が、腹立ち紛れに思わず動物や人を殺してしまう…だけだったように思います。
パールの心中で生まれた、殺意の芽生えも醸成も特に語られず、恋人を殺すのも義妹を殺すのも、ワニがいくら腹を空かせていたかも知れないけれど、あまりに性急。殺す前にも後にも、タメがなかった。
殺人女子の哀しみも混ぜた、暗色のホラーなら良かったと思うのですが、もの凄く軽いエキセントリックさだけが、ひたすら先走りした感じでした。
前作を一層味わい深いものにし、次作への興味を強くさせる傑作
前作「X」は鑑賞済みです。
前作のキーパーソンの前日譚となっており、なぜああなってしまったか、が描かれております。
ホラー作品のような触れ込みではありますが、エンターテインメント業界が多くの人に与える夢と絶望をきっちり描き切っており、前作の様々なエピソードにより多くの意味を与えてくれます。
結果として、前作のディティールをより興味深く、立体的に浮かび上がらせる作品となり、
三部作映画の第二作としては、これまでにない繋ぎ方をしながら、非常に秀逸なものといえるでしょう。
ものすごいものを見せられたな、と思いながら、次回作への期待を大きく膨らませて待っています。
2023年のベスト・エンディング賞暫定1位
2022年に公開された、タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演のホラー「エックス」シリーズの2作目。1970年代が舞台の1作目「エックス」に登場した殺人鬼老婆パールの若き日を描き、夢見る少女がいかにしてシリアルキラーへと変貌したかが明かされる前日譚。
1作目のエックスがかなり面白かったので期待して観に行ったら、その期待を超えてくる面白さだった。やはりA24製作のホラー映画は裏切らない。「映画史上、もっとも無垢なシリアルキラー誕生」というキャッチコピーもいいじゃない!
去年公開の「エックス」、今年公開の「パール」と、期間を開けずに公開してくれたことが非常にありがたく、公開から2ー3年も経てば易々と内容を忘れてしまう記憶力に乏しい私のような人間でも、1作目のパール老婆の行動原理が随所に散らばめられていることに気づき、それらを見つけてはつい笑みを浮かべてしまっていた。親に秘密で家を抜け出すために2階の屋根から外に出ることを繰り返していた若きパールを見れば、老婆が若者を襲う時ために屋根から狙いに行っていたシーンを思い出す。映写技師の彼に誘われ映写室の小さな窓から違法ポルノ映画を覗くパールの姿には、セックスシーンを撮影している若者たちの様子を窓の外から凝視している老婆の顔がフラッシュバックする。あのワニちゃんも続投。まさか父親も食べさそうとしていたとはね。
両親、映写技師の彼、義理の妹を次々と殺し、血で染めたような真っ赤なワンピースに身を包んだパール。スクリーンの中で残酷なスターとなってしまった彼女がとても可哀そうだった。片田舎に生まれ、毒親と暮らし、そこから出ることのできないパールの不満と恐怖にはシンパシーを感じてしまう。今、朝ドラ「あまちゃん」の再放送を観ているが、行くとこまで行っちゃったユイちゃんだ。生まれた時代・場所・性別によって、とんでもない居場所に雁字搦めにされた人間は、死にたくなるか殺したくなるかのどちらかになってもおかしくない。
前作「Xエックス」で主人公マキシーンとパールの2役を演じ、今作でもパールとして主演したミア・ゴスの怪演が素晴らしく、義理の妹への告白シーンの長台詞の衝撃、そしてラスト5分間の快感と悲憤に満ちた笑顔は凄まじかった。2023年のベスト・エンディング賞暫定1位だ。本作では脚本も担当したらしく、今後がとても楽しみな俳優である。3作目の「マキシーン」も期待大。
俺は最後までパール「ちゃん」って呼ぶぞ…
死んでほしくない人が死ぬからこそのサスペンスホラーだとは理解していますが…義妹ちゃんは生きててほしかった…
個人的にはウジ虫湧いてる豚が一番直視に耐えない。
あとワニの卵なんで潰したん?謝れ!湖に向かって土下座し!
三部作なので前作エックスでハワードがパールちゃんと同じレベルの殺人鬼になるのはある意味ネタバレ済みなわけですが、何でそうなった?それほどまでにパールちゃんを愛してるってこと?
次回作は一作目の主人公、マキシーンの名前がタイトルなので、ハワードの変貌ぶりには言及しなさそうで残念。
映像はおしゃれで素敵でした。
あの真っ赤なドレスもサイコー!
お母さんはパールちゃんが怒るとソッコー人殺すようなイカれガールだと見抜いてたんですね。そんなイカれガールに真っ向から喧嘩うってくママすげえよ。死してなおパールちゃんの心を抉っていける貴女がナンバーワンだ。
ピアノの蓋は開けとくでしょ?
オーディションの場面。トップじゃないんたからさ。そういうとこ、気になるなあ。
その他は、よかった!今年ベストの候補かな?特によかったのは、
ラスト斧でバラバラにするシーン
エンドロールのパールの表情
かな?鏡合わせの手法で、グロいシーンをなんとなく片付けたのはいいね。あーゆーの、今まであんまなかったよね?それにラストのあの笑顔からの長尺の中で少しずつ表情が変化していくとこも、グッときた。
さらには告白のシーンの長台詞もパールのぶっ壊れっぷりが出てたね。
そもそも最初の方で案山子と踊るシーンも結構ヤバめだし、映像の質感や文字の書体も全体的に「B級感」出てて、
個人的には刺さった!鳥が飛んでく「音バン」はあったけど、音楽も含め、欠点なし!
前作、もう一度見たくなった。
ミアゴスの不思議な魅力がよく出てて、近年のホラーの中ではいいと思うよ。ピエロが出てくるのより😅
タイトルなし
昨日『Xエックス』見て予習しておいてよかった(見てなくても楽しめるとは思うが)。
『こわれゆく女』『マリア・ブラウンの結婚』など最近立て続けに見た映画を思い出すが、もっと爽快というかストレート。
パーソナリティ(人格・性格)とは何か、とか考えてみる。
豚に真珠?
うーん。まあまあだったかな。
ミア・ゴスの演技は、まさに憑依状態で完璧だったけど…
前作からの流れを踏まえると殺人の快楽と性欲は激しくリンクさせないとダメじゃない?
せめて、鬱積した性的なフラストレーションによる強度なヒステリー状態、からの〜
狂気のスイッチOn!とか…
そんくらいは、ないとねえ。
一応、それを連想させるシーンはあったけど、あのスケアクロウだけじゃ、全く物足りない。
あの『X』の前日譚なんだから。
映写技師を殺すシーンなんか、疑心暗鬼だけではなく、ベッドシーンの最中、まさに絶頂寸前で、お預け食らったのが一番の原因でスイッチ入ってしまうとか…
そっちの方がブラックな失笑となって、パールらしくて良かったと思うけど。
クライマックスとなる義理の妹とのシーンにしても、例えば…
狂気の昂ぶったパールに問い詰められた義理の妹が、実はハニートラップで審査員の聖職者を買収していた事を、恐怖のあまりガクガク震えて白状してしまい、パールのヒステリーに火がついてしまうとか…
なんかにした方が、もっとらしくなったと思うけどなあ。
あと、アヴァンタイトルは、音楽もピッタリで、A24らしくて最高でバッチリだったけど、ラストはもうちょっと工夫して欲しかった。
エンド・クレジットの直後、洗脳されちゃったハワードのショッキングなカットが突然オマケで入っても良かった気もするけど。蛇足かな…
というか、今回のトリロジー3部作のラストとなる次作に向けた粋な伏線はあっても良かったんじゃない?
実は、もう仕込んでるとか?
豚に真珠とか?
若い頃から突っ走ってます。
前作アンマ好きでもなかったが他に見るもの無いので鑑賞。
ホラー/サスペンスてかブラックコメディ?
ドイツ系の厳格な家庭で体の不自由な父と厳格な母と暮らす既婚の(眉なし)パールはダンサーを夢見るお年頃。
父の薬を買いに街にお使いに行ったついで薬のお釣りをチョロマカして映画をみーの、帰り道のトゥモロコシ畑でイケナイ妄想に浸りーの母は怖いがソコソコよろしくやってた模様。
しかし年の近いパッキン義姉妹がダンサーオーディションの話を持って来たことからパールは暴走・転落に突き進むwww
前作の凶行はボケてたんかと思ってたが、若い頃から暴走超特急だったんですな、ラストの泣いてんだか笑ってんだが分かんない顔が印象的。
狂気、熱演、狂気
いやー前作に引き続き、狂気すぎるね
というか、ミア・ゴスの熱演。
喋りのシーンでのワンカットは素晴らしかった。
ラストの引きつり笑顔も、見ててもう苦しかった笑
これは好みの問題になると思うけどどうしてもチープになってしまうよね、、
前作のラストも俊逸だったけど今回も中々良かったです。
というか、ブロンド嫌いすぎるやろ。あんな嫌う?
と、思ってたことが今回、解消。
前回の伏線?が解消されてくのがよかったねー、
是非、パール2も観たい。
ただ、前作の方が好みでした。以上!狂気でした!
しんどい
前作は観てない。
主人公の葛藤や悩みや願望は非常にリアリティがあり、現実にこんな人間はごまんといる(いた)んじゃないかと思った。ただ、その衝動的な行動が普通の人だったら「切れる」くらいだが、主人公の場合は一気に殺人にいってしまう。
ストーリーは面白かったが、主人公には「現実にいそう」とは思えても共感はできなかったし、ブラックコメディとしてもいまいち、ホラーとしてもいまいち。
「ジョーカー」はバッドエンドであるもののある種のカタルシスがあったが、この作品はただただ気持ち悪さと不快さの後味が残った。観るのしんどい。
1つ良い点を挙げるとしたら、現在の道徳観のまっとうさに改めて感謝できたこと。昔の道徳観てほんと狂ってたんだなって思う。50年後の未来の人は現代の道徳観狂ってたって思うかもしれないけど。
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