百花のレビュー・感想・評価
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そして、愛は残っていた 記憶のすれ違いで起こる親子愛の秀作
ラストは涙が溢れそうな位、感動しました。
息子の泉(菅田将暉)が認知症になった母親の百合子(原田三枝子)を支える物語です。
2人の間には、泉が子供の頃、空白の1年がありました。
そのことで、記憶が曖昧になっても自分を責め続ける百合子。少し恨みながらも献身的に支える泉。
半分の花火の記憶が、2人の親子愛をしっかりと繋いでいたのです。
高齢化社会の日本は、これから認知症患者がどんどん増えていくでしょう。
本作の百合子は、決してほめられた母親像ではありませんが、泉を思う気持ちが随所に表れていました。ラストは何とも切ないですね。
2人の演技も素晴らしかったし、脚本やカメラの演出も上手いと感じました。
親子愛の素晴らしさを表現した秀作だと思います。
卵、ケチャップ、黄色、ピアノ
泉の気持ちがとても伝わってきた
母の変化
どうして忘れちゃうんだよ!ってもどかしく苦しい。
自分は全部覚えているのに‥
でも、忘れていたことを忘れていた記憶
半分の花火
菅田将暉さんの演技、とても良かったです
今年は花火、見れずにいたが、9月に印象深い花火を観ることができた
ワンシーン、ワンカット。
長澤まさみさんが、映画の中盤で夫である菅田将暉さんに言った
「お母さん、『ごめんね』っていつも言ってるね…
いつまで言わせるの?」
このセリフを聞いて、我慢していた涙があふれ出た。
原田美枝子さん、綺麗ですごい。
「半分の花火」に限っては称賛したい
これって、『ファーザー』の二番煎じじゃない? 他の作品からインスピレーションを受けるのはいいとしても、模倣としか思えないものを見せられてもね。
長回しで引きのショットが多く、凝縮された美しさ(by 山田洋次)を目にする事はできるが、登場人物の誰に対しても共感できない。それと、母親が出戻ってきた時にあったはずの怒り、嬉しさ、やるせない気持ちが語られていない。このバックストーリーがないためにラストも上滑りしている。
ミステリー風に物語は構成されているが、予想がつくことばかりで驚くことは何もない。
ただ、「半分の花火」だけは記憶に残る素晴らしいシーンでございました。
川村元気さんの小説は映像化をするつもりで書いていると思っています。...
川村元気さんの小説は映像化をするつもりで書いていると思っています。
でも毎回映画を観るとうーん…となってしまう。
すごく勿体ない。
映像も役者さんの演技も素晴らしいんだけど…うーん。
もちろん小説の方が細かいところが描ききれているっていうのはあると思います。
受け取り手の問題もあるので全てを描く必要は無いと思うんですけど、なんとも微妙でした。
花火が半分…
母と息子の関係、記憶と忘却という二つがストーリーの柱にあったように思います。
終盤の「AIに忘れる機能が必要だったか」「大したこと覚えていないよな」ていうやり取りが印象に残りました。つくづく私たちは都合の良いことしか覚えていないってことありますね。
一方で、母と息子の関係の締めくくりには物足りなさが残りました。個人的には、最後に息子の許しの言葉が聞きたかった気がしました。
でも、原田美枝子さん、菅田将暉さん、長澤まさみさんの演技には魅せられました。
認知症の表現はアンソニーホプキンスにも劣りませんでしたよね。
ただ、河合優実さんの出番が勿体なかったかなー。
受け入れ難いし、ピンとこない
認知症の人の心の中を描写した映像というと、アンソニー・ホプキンスが主演した「ファーザー」を思い出す。記憶や今見ているものの危うさを突きつけられるようで、観ているこちらが戸惑い混乱した。
本作で原田美枝子演じる母が見ている風景は「ファーザー」に通じる、認知症の人が感じているあやふやで曖昧な感覚を体験できるものとしてよかったと思う。また、長澤まさみの演技も自然な感じでよかった。ちょっとコメディタッチで若干大げさな演技のイメージが強いので、こんな長澤まさみもいい。
ただ、肝心のお話が今ひとつピンとこない。そもそも母親の過去の行動をどう捉えるかが大きなポイントなのかもしれない。個人的にはそれがどうにも受け入れ難かった。感動的な(はずの)シーンも、だから?と若干冷ややかな気持ちになってしまう。泉くんよ、それで許せるのかい?
いや、もしかしたら人の記憶について考えさせる物語ってことなのか。AIとかバーヂャルアーティストが出てきたのもそのためか?どちらにしてもピンとこなかった。
記憶がなくなっていくのは、なくなってしまえばある意味幸せかもしれない
認知症が進む母と対峙する息子の話を、自分に置き換えて興味深く見られました。
”親孝行したいときには親はなし”という言葉があるように、記憶がなくなっても生きている限り親孝行はできるものです。
親というのは一時期煩わしかったりしたものですが、自分が親になると親の苦労がわかります。
親も人の子、一人の女性として色んな過去があって然るべきだと理解できるようになる。
息子としては、過去の記憶と事実がわかっていく中で、母を許す気持ちに変化していくのだろう。
見られたくないもの”日記”は私も同感でした。
ただ、認知症が進むと、そんなことはちっぽけなことだと、開き直れるんだろうな~
百花というより百面相と云うべき鬼気迫る原田美枝子の名演。流石の菅田将暉も添え物の感有り。
①舌足らずな部分を想像力で補わなくてはならないので映画としてはまだ未熟だなと思う。「半分の花火」というキーワードの本当の意味がわかるラストも感動が盛り上がらない。②記憶を無くしつつある人が最後まで記憶に残っていたものを、昔の記憶に縛られている人が忘れていたという皮肉。そしてその“もの”が母子の絆を象徴するものであったのに、母が記憶を全く失ってから息子が思い出すという残酷さ。でもそれが人生というものなのかも知れない。③というのは観終わってからあれこれ考えて監督(原作者)はそういう事を言いたかったのだろうと想像(解釈)したまでで、前半の原田美枝子が認知症の症状が出てくるところ(同じことを何度も繰り返す、昔の愛人の幻を見る等)はなかなか上手いと思ったが、後は映画としては表面的な描写に終始した上にやや綺麗事に流れてしまった。認知症が発症するまではリアルさがあったのに、発症してからの描写が喰い足りない。泉が認知症の母の面倒を見る大変さの描写も殆ど無いうえ、24時間ヘルパー(?)を直ぐ雇えたり(というか雇って楽できている?)、海辺の認知症ホームに入れることが出来たり、これから親が認知症になるかもしれない現実に向き合わなければならない者としては、“現実はそんなに甘くないよ、ダブルインカムとはいえあの仕事ってそんなに儲かるの?”、と現実に戻されてしまった。④子供を置いてまで愛人に走った女がまた母親に戻った背景として阪神淡路大震災を持ってきたのは構わないと思う。相手の男は震災で死んだのかもしれないし、死ぬかもしれない目に遭って自分が本当に大切に思っているのが息子だとやっと分かった、という流れも悪くない(息子の名を叫び続ける原田美枝子の演技は確かに素晴らしい)。ただ、地震のあとあんな軽装で瓦礫の街を歩いたり誰もいないのは小説ならヒロイン一人の心象風景として描く分には問題ないが、映画は思いっきり抽象的に描くか或いは具体的な描写を背景にヒロインの行動を描くべきで、中途半端な描写は却って白けてしまう。⑤そんななか、女の部分をさらけ出している若い頃の姿(どうやってシワ隠したのだろう?)も含め演出の足りないところを想像力を喚起させて穴埋めする原田美枝子の演技は素晴らしいと思う(し、映画が成功していないので勿体ないとも思う)。ラスト、どうやってホームから連れてきたのか此れまた?の描写だが完全に呆けてしまった原田美枝子の表情演技は『アリスのままで』のラストのジュリアン・ムーアの演技に勝るとも劣らないと思う。⑥菅田将暉は演技的にはいうことはないが、もうすぐ30台だからか少し顔にオッサンが入ってきているなァ。⑦永瀬正敏はどの映画でも上手いが、ここでも母親が息子を捨ててまで追っかけていった男を、さもあらん、という雰囲気を醸し出している好演。
記憶を失っていく生の中で"忘れられない記憶"と"忘れたくない記憶"こそがその人を形作る... 新たな命を迎える青年が老境の母の生と性に向き合う
菅田将暉さん、原田美枝子さん、そして長澤まさみさんというスターキャストを擁して繰り広げられる親子の愛憎劇・・・原作小説も手掛けられている川村元気監督の長編映画初監督作品です。
プロデューサーや絵本作家としても活躍されているだけあって、登場人物とテーマを極限まで集約した観客に深く染み入り易い構成を取りつつも、過去と現在が瞬時に入れ替わる幻惑的で人を食ったような演出に作家としての自我や初期衝動も注ぎ込み、全体として話題性の高さのみに終わらないエネルギーを孕んだ作品に仕上がっていたように思います。
特に出色なのは、他の映画であれば若い頃の演技は年の若い別の女優さんに演じてもらうこともごく普通でしょうが、本作では泉を置いて恋人と神戸で一年間を過ごした若き愛の日々も原田美枝子さんが演じられています。
その媚態も厭わぬ変わらぬ美しさもまずもって凄いですが、一連の時間を彼女が演じたことによって、百合子という一人の女性の生涯がより強烈に意識されるようになったと思います。
人生は残酷だ
まず、全体的に過去と現在を行ったり来たりするので混乱するかもしれない。
認知症という病は残酷であると知らしめられる。
私は介護士をしているが、施設介護でしかその人が見えにくいが、家族介護となるとより残酷で難しいことがみえた。
最後まで見て半分の花火の意味を知った時映画全体のストーリーが見える。夏の終わりに良い映画だと思った
双方の視点
母親として、女として経験して老年期。病気と老いの切実さ。
身につまされました。
子の立場からも、病気に侵された親の姿を見て
幼少期に受けた寂しさ〜今なら育児放棄ですよ!!
でも、貴方を看取るのは私とわかって行動している姿
主役のお二人の力量だから、できた作品と思います。
最初のとこから母親が??と子は、わかっていたのかな?
もう少しそこらへん掘り下げて欲しかった
結局誰にフォーカスを当てた作品なのだろうか
若くして認知症を患う母と触れ合いながら過去の記憶を辿る息子の物語なのだが、観ていても母(原田美枝子)の息子(菅田将暉)への懺悔か悔恨なのか息子(菅田将暉)の母への恨み節なのかはたまた自分自身が忘れてしまっていた母との記憶、その思念への詫びなのか、どうにも大きな幹が見つけられないまま上映時間が終了してしまった。
過去の母から受けた仕打ちなのだろうか、息子の母に対する接し方はぎこちなく淡泊を通り越して無関心なようにも映り、母は母で、その当時のことを引きずっている風でもないように感じられ、そうすると終盤で母が謝るのはまだしも、何故息子が謝るのかが今一つ共感できないままだった。
できればもう少し長尺になっても良いから母が何故いつも黄色い服(そして一輪挿しの色も)なのか、自分の幼少期の記憶を生まれ来る子供に対してどう変換して行くのか、妻(長澤まさみ)とどう向き合おうとするのかを見せてくれたら入り込めたかもしれないと、やや残念に感じた。
それにしても最近のドラマには国内外を問わず嘔吐シーンを多用するのでしょう?嘔吐する原因も明確では無かったような気がするんだよなぁ。
原田と菅田の、迫真の演技が心を離れません。
次々にヒット作を生み出している映画プロデューサー、脚本家の川村元気が、実体験を基に書いた小説を原作に、初めて長編映画を監督しました。認知症を患った母親とその息子、それぞれの物語を交互に描いていきます。
レコード会社に勤める葛西泉 (菅田将暉)とピアノ教室を営む母・百合子(原田美枝子)は、過去のある「事件」を機に、互いにわだかまりを抱えたまま暮らしていました。 そんな中、百合子が認知症を発症。日に日に記憶を失っていく一方、泉は母親との思い出をよみがえらせていくのです。
物語は、泉が母の日記を通じ、「事件」の真相を初めて知ることで大きく動き出します。百合子が繰り返しつぶやく、「半分の花火が見たい」という言葉の真意を、泉と一緒に観客に探らせながら。
ワンシーンワンカットは序盤はやや無理が目立ちました。なによりも展開が遅く感じられて、認知症を扱った映画をより重く感じさせたのです。ただ終盤に向かうほど結実。いわゆる“認知症の映画”という枠からもいい意味で逸脱し、一人の女性の生々しい生の瞬間と喪失のはかなさに迫っていきます。
母の胸にずっと生き続けてきた目に見えないものを映し撮ろうと真正面から挑み、これまでにない女性映画となりました。
また母への葛藤が和らいでいく泉の心の動きや、記憶を失いながらも息子への愛を貫く百合子の切実さに触れ、親子とは何かを考えさせられました。母と息子の何気ない日常や夫婦の会話からふとした思い出がよみがえり、しまい込んでいた記憶を取り戻したような感覚を味わえることでしょう。それにしても記憶を失う母と、母に向き合うことでかつての記憶を取り戻していく息子の何と皮肉な取り合わせなんでしょうか。
実家の机に置かれた一輪の黄色い花、親子で一緒にビスケットを食べた思い出など、伏線めいた、過去の記憶に関わる場面の差し込み方が巧みです。2人の心境の変化がよく感じとれた上、ラストの感動が増幅されました。
極めつきは、泉のことが判別できなくなり、少女のように駄々をこねる百合子に、泉が「なんで忘れてんだよ、こっちは忘れられないんだよ」と叫ぶシーン。原田と菅田の、迫真の演技が心を離れません。
菅田将暉と原田美枝子が親子役で主演を務めたヒューマンドラマ。 出産...
菅田将暉と原田美枝子が親子役で主演を務めたヒューマンドラマ。
出産を控える泉の妻を☆長澤まさみ☆、事件と深い関わりを持つ男を永瀬正敏が演じる。
う〜ん
若い人の人気の俳優さんみたいですがどこか鼻につくと言うか違和感を覚える演技でした。
多才を売りにされているようですが何を芯に置くかで演技も変わってくると思いますが多才=器用貧乏のイメージです。
どっちつかずの仕事は見てて気持ち悪いです。
ストーリーは良く、演者で映画の良し悪しが変わるという事を改めて思い知らされました。
認知症を絵空事で文学的に幻想的に描いたら、こんな感じといった印象。...
認知症を絵空事で文学的に幻想的に描いたら、こんな感じといった印象。現実はこんなやわではない。悲しい事件がところどころに起きている。でも、これを母は私のことを決して忘れないよう祈りながら泣きながら見ていた。
ただ‼️ただ‼️菅田将暉に泣かされた‼️❓ただ‼️それだけ‼️❓
申し訳ないけど、脚本はとてもお粗末です。
何を伝えたいのか、伝えるものがあるのか。
震災を使いながら、それへの、被害者への畏敬の念もない。
あれですよ、琵琶湖の花火は綺麗ですよ。
シングルマザーですか、シングルマザーへのリスペクトもない。
ナイナイ尽くしです。
アルツハイマーに対する問題意識も希薄です。
でもね、この映画が成り立つのは、菅田将暉それだけです。
セリフを吐くのでは無く、その人として今話している、そのものとして、こんな感じがするのは、そう、高倉健以来でしょうか、彼は既にその域に到達しているのです。
長澤まさみも永瀬正敏も少しだけです。
ただ、今世紀最高の役者、菅田将暉の演技を観るためだけに、是非。
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