劇場公開日 2022年2月25日

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シラノのレビュー・感想・評価

全101件中、101~101件目を表示

4.5「泣かないで」

2022年2月25日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

前線に配置された部隊。3人の兵士がそれぞれの思いを手紙に託す場面。一人は妻に、一人は恋人に、一人は父に。3人ともが最後に伝えることばは「僕が死んでも泣かないで」。ロシアがウクライナに侵攻した翌日にこんな場面を見るとは。

鼻でないシラノ、優雅で残酷、いままでどれだけの誹謗中傷を受けて胸を痛めてきたか。フリーク、フリーク!ーそれしか言葉を知らないのか!と挑発するシラノ。強さと教養が宿る眼にはいつも悲しさがある。不完全さは完全でもあるとクリスチャンを鼓舞する。言葉に陶酔したいロクサーヌ。最初はこのバカ女!と思ったけれど、多分、本当はある時からわかっていたんだと思う。それが彼女の愛し方だったのかも知れない。歌もダンスも自然でミュージカルという感じもしなかった。それ程音楽が馴染んでた。シチリアのノートという街だろうか?正面に長い階段の教会、蜂蜜色の街、シチリア・バロックの愛すべき街。そして美しい衣装にセット。現代の街とは思えないほど美しい。リアルでもあり舞台のよう。夢は嘘で真実。

I love you.ばかり繰り返す素朴過ぎるクリスチャンに「反復の純粋な驚き」とのたまうロクサーヌ。笑える箇所も沢山あって幸せだった。でももう一度ロクサーヌのことば「戦争が憎い」。ディンクレイジ&ベネット、適役で素晴らしかった。

おまけ
シラノが劇中劇の映画、昔見たなー、どうにか調べたらあった!邦題「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」、原題はシラノ原作者名の"Edmond"。2020年11月に見てる。フランス・ベルギー2018年製作、フランス語。劇中劇の最後の場面がとても美しかったことを覚えている。でももうコロナだったから自分のレビューもコロナ恨めしい!が炸裂していた。すごく面白くて笑えて活気があって美しい映画でした。また見たい。ジャン=ポール・ベルモンドが演じたシラノも見たかった💧

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talisman