劇場公開日 2021年7月30日

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アウシュヴィッツ・レポートのレビュー・感想・評価

全65件中、41~60件目を表示

4.0沈黙と忘却の罪

2021年8月6日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

新しく入所してきた人々はまず名を尋ねられる。その後に名前は忘れろ、これからお前たちは番号だと言われる。美しき青きドナウが演奏され、大量に効率的に最終解決-ユダヤ人虐殺ーが実行されたのがアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所だ。

赤十字もまずは「当事者の国の」赤十字とネゴシエイトしようとした。今の観点から見ると信じられないが戦時中の組織というのはそういうものなのかも知れない。アイヒマンが作らせたというユダヤ人評議会が収容所への移送者リストを作成したりユダヤ人の財産没収の手伝いをしていたという。それがなければあれほど組織的な大量移送は不可能だったという指摘もある。

アルファベット順に氏名が並べられ住所が記され強制移送目的の為に作成されたオーストリア系ユダヤ人のリスト。これが30分以上も延々とスクロールされる場面ー映画「ハイゼ家 百年」ーが蘇る。個々の人たちの存在と彼らの生活がタイプライター打ちの文字と数字に還元される、権力と暴力によって。タイプライターで書かれたレポートは真実を伝達した、脱走した二人の人間によって。

戦後、みんな「知らなかった」と言った。戦後の西ドイツを包んだ巨大な沈黙が、多くのナチ残党が普通に生活したり産業界に帰り咲いたり反共の組織で要職を占めることを可能にした。空間における罪ー庇い合う沈黙があったからだ。

ポストコロニアルの観点から、ヨーロッパの植民地主義が招いた悲惨とナチスの虐殺は地層で繋がっているのではないかという議論もある。ナミビアでの大規模虐殺(1904~5)、ニュー・イングランドの清教徒達による「インディアン」虐殺、オーストラリアやカナダで発見されている1950年代の先住民の子どもへの大規模虐殺が例えば挙げられる。このような数多くの虐殺の歴史を確認しながらナチのホロコーストを相対化して免罪することもない追悼が提唱されている。時間における罪である忘却に陥らない為に、以前も今もこれからも想起し議論し続けていかなければならない。

この映画は沈黙と忘却に対して静かに警告している。

おまけ
反イスラエルと反ユダヤ主義は異なる。イスラエルの政治に対する批判を安直に反ユダヤ主義と結びつけてはならない。

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talisman

3.5人間は過去を忘れずに生きられるか

2021年8月6日
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なかなかハードな内容。
脱出シーンは少なく、全体の2/3はアウシュヴィッツの中での残虐な現実を描きます。
拷問、強制労働、ガス室送り、遺体焼却、脱走者の首吊り処刑……
最後の長回しもシリアスで名場面。

しかしこの映画の白眉は、オープニングの文字と、エンディングロールにありました。
オープニングのクレジット「過去を忘れる者は、必ず同じ過ちを繰り返す」。
そしてエンディングの、戦後の欧米政治家たちの、数々の演説。
果たして、人類は過去から学び、忘れずに、過ちをおかさずに生きているのか?と突き付けてきます。

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コージィ日本犬

4.0 忘れちゃいけないけど忘れてしまいたい

2021年8月5日
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悲劇は世界中でまだまだ続いている、という意味での映画化なのだろうか。
 それ(虐待、差別、不法行為など)を知った今、あなたは何をするか‥に尽きるのだとは、思う。
 でも、苦しい映画だった。
何故今、アウシュビッツ?
 子供の頃、アメリカの戦争ドラマを見ていると大抵 ドイツ人の隊長は高圧的で、残忍、そして理知的で人道的なアメリカ兵隊長。そんな物ばかり見ていたので刷り込みがある。絶対的な悪のドイツ、正義の味方のアメリカ。
 だからアウシュビッツを必ず含めてのドイツの描かれ方は仕方ないのかなと思ってしまう。
 収容所の様子や大佐の有様を見ていると、忘れたいはずの記憶をえぐられる感じがドイツ国民はするんじゃないかな、と。そして、大人になって自分の国、日本のアジアでの残虐な行いの事を知ると、こういう戦争映画はなんだか辛くてやるせない。
 そう言う意味で、それを知った時あなたはどう動くのかと問われている様で落ち着かなかった。
 映画なのに、楽しめなかった。見る映画を間違えた気がする、そして再び思う。人間には、暴力性と自分本位と言う原罪があるのだと。

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はなも

3.5そろそろ被害者視点から脱却した映画を観たい

2021年8月4日
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鑑賞方法:映画館

 第二次世界大戦が終了し、76年が経過している。そろそろ、ホロコーストを被害者視点からではなく、ドイツ人側から見た映画が作られてもいいような気がしている。
 極悪非道なドイツ人の監督官がいる。息子が東部戦線で戦死したと知らされ、その怒りをユダヤ人に向けている。息子の戦死に何の関係のないユダヤ人たちを虐待するのかその心情が私には分からない。事実を描いてはいるが、真実は描かれていないと思ってしまう。

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いなかびと

0.5差別はいけない

2021年8月4日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

寝られる

一言でいうと、内容はタイトルにあるような映画です。冷静になると、他の映画と比べてどうというものではありません。8月によくある映画の一つで、私は好きなのでよく見ますが、新しさはありませんでした。

もちろんこの手の映画ですから、

ナチスがどれだけ非人道的な所業を行ったのか、ユダヤの人がどれだけ地獄を味合わされたのか見せてくれます。

(ただし同シリーズ映画に比べても、見ているのが辛くなるシーンは圧倒的に少ないです。誤解を招くかもしれませんが、中途半端に感じました。これは、それ以外に見せたいシーンがあるからでしょうが)

お金がたくさんあるのか、ここ数年でよく見受けられるようになったシリーズの映画ですね。

それだけユダヤ人虐殺に世界の目が、関心が向けられているのでしょうか?

1つの虐殺を伝える映画。いやいや、そうじゃないんだ。テーマである差別はいけないよ!を伝えたい映画なんだ。と思って見ていたのですが…

ーーーーー
差別はいけないよ!と伝える演出がありましたが、なぜ同じジェノサイドといわれる某国のことには無関心なんでしょうか?

最近、仲良くしているのでしょうか?そんな訳はありませんよね?米国よりの人たちのはず。

他にはアフリカのことなど、差別は白人の方が住む以外の国にもたくさんありますよ。

(今もなお!)、差別するなという人が差別をしているのだから、この問題の難しさは尽きないのでしょうし、この手の映画も来年以降も引き続き楽しめる、のでしょうね。

あとユダヤ人虐殺だけだめだよ、という差別はいけないよ映画だったようです。

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ハーンフビライ

3.0本質は皆同じ

2021年8月4日
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ナチスの過ちは、考え、思いでは無いと思います。誰でも、嫌いな奴は消えてしまえ、と思いますが、誰も消しません。ナチスは消しました。
ナチスの過ちは行為だと思います。

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ホモサピエンス

4.5繰り返していけない事とは何なのか?

2021年8月3日
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本作のクライマックスはエンドロールに流れる音声だと思います。オープニングの言葉を思い浮かべながら聞いてました。観賞後に監督のインタビュー記事を読んだら、どうやらこれこそがテーマのようですね。
ホロコースト、ジェノサイド、、実行命令を出した人、実行者達の罪は言わずもがなですが、その人達を生んだのは何なのでしょうね。彼らに権限を与えてしまったのは何だったのでしょう?それを突きつけられます。

大事なのは虐殺の悲劇はどこからは始まったのか?を知らなければならないし、理解しないとならないと言うことだと思います。歴史を知るとは出来事を知ると共に、なぜ起きたのか?を知ることだと思います。そして忘れない事。その重要なことを訴える作品です。と思うと、僕は知らない事多いですね。知らないから過去を繰り返してしまいそうです。いかんですね。

本作、映像作品としても見事です。直接的な描写が少ないのですが、圧倒的な絶望感を出してます。それは映像の色合いなのかもしれませんし、差し込まれる短い虐殺映像のインパクトの強さなのかもしれません。雄弁に語りますが、それは酷さを必要以上に訴えるものではないです。おかしいよね?これ、おかしいよね?を淡々と。
素晴らしいのではないでしょうか?

絶望は味わいたくない。かと言って、不条理な絶望感を味わう人々の上に成り立つ幸せもおかしい。どうすればよいのか?繰り返しますが、過去の経緯を素直に受け入れて学ぶことから始めないとならないのでしょう。

我らの誰もが未来を創るための積み重ねの一部なのでしょう。レポートを届けた彼ら、送り出した人々、無念に命落とした方々の想いは途絶えさせてはいけないんだな。

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バリカタ

4.5現在の義務教育にあってこそ必要

2021年8月3日
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 クラシック曲をときどき聞く。年に何度かはクラシックのコンサートやリサイタルに出かける。毎年出かけているオーチャードホールのニューイヤーコンサートでは必ず「ラデツキー行進曲」が演奏される。作曲はヨハン・シュトラウス一世だ。「美しく青きドナウ」も屡々演奏される曲である。こちらはヨハン・シュトラウス二世の曲である。いずれもオーストリアのウィーンの音楽家だ。
 本作品ではアウシュヴィッツで音楽が演奏されていたことが紹介される。前述の2曲も演奏されていた。クラシック好きとしては軽いショックを受けたが、戦場ではないアウシュヴィッツのような場所を管理するナチス親衛隊にも、ストレスを発散させる機会が必要だったのだと理解した。

 本作品は事実に基づいているとのことだ。当方は不勉強にして、アウシュヴィッツで何が行なわれていたのか、本作品を観るまで知らなかった。ただユダヤ人が機械的に収容されて番号の入れ墨を入れられ、順番にガス室で殺されているのだと思っていた。しかし収容されたのはユダヤ人だけではなく政治犯やホモセクシュアルなどもいた。生物化学兵器の実証実験の検体となって殺された人々が数多くいた。それ以外にも逃げようとしたり歯向かったりしてその場で銃殺された人もいたようだ。中には門の梁に吊るされて、時間をかけて縊死した者もいた。

 収容所を脱出した二人の若者の言葉が印象深い。
 こうしている間にも刻一刻と人が殺されている。
 アウシュヴィッツの人々が望むのは空爆によって収容所が破壊され、自分たちも死ぬことだ。
 大事なのはこの事実を知って何をするかだ。

 二人の若者が情報を託すべきは本来は全世界の人々である。そのためには財力のある者、多くのコネを持つ者に一旦預けるしかない。若者たちのもどかしさと苛立ち、そして不安をこちらも共有した。
 情報は全世界に行き渡っただろうか。我々は中学校の歴史でアウシュヴィッツで何が行なわれていたかを学習しただろうか。少なくとも当方にはその記憶はない。高校の世界史でも近代史はカットされていた。遠い昔の出来事も大事かもしれないが、十年後や百年後の未来を考えるためには近代史の学習が欠かせない。現在の歴史教育のカリキュラムは、我々から考える材料を奪っているのだ。
 アウシュヴィッツ・レポートの内容を知っていれば、人間が極限状況に追いやられたとき、ごく普通の人間がどれほど残酷になってしまうのか、あるいは従順になってしまうのかがわかる。戦争は国家にとっては利益を得るための人的物的投資なのかもしれないが、個々の戦場や収容所においては人権と人格を蹂躙する恐ろしい現場になってしまうのだ。それを理解することができる。そして考える。戦争を起こさないために我々は何をすべきか。アウシュヴィッツ・レポートは現在の義務教育にあってこそ必要なのだ。
 しかし憲法を教えないで道徳を教えようとする国家主義の政権はむしろその逆を行く。戦争は善、負けるのが悪だと。義務教育の授業でアウシュヴィッツ・レポートが紹介されることは、これからも期待薄だ。しかしインターネットの時代である。拡散することはできるだろう。

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耶馬英彦

3.5ハードで重い…

2021年8月2日
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あまりの衝撃に言葉を失う。観終わったあとズッシリと重い、そんな感覚だ。
前半50分ほどは収容所での筆舌に尽くし難いほどの恐ろしい行為が映し出される。過激なシーンに少し気持ち悪くなってしまうほど、直視することができなかった場面も幾つかあった。

後半は『命をかけた伝令』を彷彿させるような、二人の逃亡シーン。捕まらないかハラハラドキドキしながら息を呑む。逆さや横向きのカメラワークが新鮮だけど、これってどういう意図の表現なのかしら。

山中での“奇跡的な出来事”と呼べることが12万人の命を救うことに繋がったのかも(あの援助がなければ死んでたよ)。

他の人たちがレビューに書いているように、エンドロールでの音楽の代わりに流れる数々の言葉、ここが最大の見どころかもしれない。

歴史に詳しくないがために多くは語れないけど、二度と繰り返してはいけないし忘れてはいけない、永久に伝えていくべきなんだよね。

もっと歴史を勉強しておけば良かったよ〜。

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あさ

2.5ファシズムとポピュリズム

2021年8月2日
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怖い

難しい

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Bacchus

4.0小国や国際組織の視点

2021年8月1日
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この夏もまたナチス・ホロコーストに絡む映画を見る。この映画は収容所から逃亡し、国境を越えて実情を赤十字に知らせたスロバキア系ユダヤ人の実話で、こうしたナチスの支配下に入った国々からの視点はまだまだ見るべきものがある。また、今回は連合国とも枢軸国とも接点のある赤十字の苦しい立場も見られた。ナチス&ユダヤものは、多少とも倫理的義務感からも見ているが、決して飽きてはおらず、実際にこの映画も緊張する逃亡過程など飽きさせないような工夫がされている。私も今後もこの種の映画を見続けるだろう。
一点だけ、エンドロールに現代のポピュリストたちの音声を被せたのは、気持ちは分かるが、やや安直な感じがした。

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Boncompagno da Tacaoca

4.0人類史上最低

2021年8月1日
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30年ほど前か❓ 『シンドラーのリスト』を観たけど。ホロコーストに関してはシンドラー…を観といた方が良くわかると思うねんけど。あの事件あのヒトラーのした、悪魔の仕業を知った上で観やん事には芯から解りづらいと思うねんけど。個人的には背景を知らずにこの映画を観られる事に不満な気がするぐらい知っといて欲しいねんけど。ヒトラーはユダヤ人やった母親に捨てられた様なことを昔 読んだなぁ。知らんけど。

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Cinemaオタク女

3.5観てるのがかなり辛かった。

2021年8月1日
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鑑賞方法:映画館

座って観るより、立ち見で観る映画だったかもしれません。

事実を基に作られた作品。
ナチスの収容所「アウシュヴィッツ」でユダヤ人が大量虐殺されている事実を、収容所から二人が脱走してその事実を公にするストーリー。

テンタメ性は全く無し。
前半は残酷なシーンが淡々と進み、脱走後は二人が国境を超えるまでの悲壮感溢れるシーンが辛い。

脱走するシーンに期待してたけど、実際はあんな感じなのかとと思うばかり。

途中、カメラワークのブレブレに酔いそうになる展開は、脱走中の二人の疲労感を表したかったか?
気にるところ。

それにしても100万人以上が殺されたと聞いてびっくり。

固いパンを美味しそうにむさぼるシーンが印象的でした( ´∀`)

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イゲ

3.0アート色が強い印象だった

2021年8月1日
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カットの一つずつを抜き出せば、力強い印象を受けることも多かったのだが、物語のテンポがスローなため眠たくなった。

作り込んだ映像美やカット割りから監督の情熱は感じられたが、この映画のテーマには余り合っていない気がした。

逃亡した二人が手にしているレポートの大切さが、僕にはいまいち伝わらなかった。

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はなまる

3.0すごい実話です。

2021年8月1日
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鑑賞方法:映画館

伝えられた人が、いちばん大変だったと思います。

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かん

5.0政府の間違いを正すということ

2021年8月1日
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鑑賞方法:映画館

タイトルの「アウシュヴィッツ・レポート」は、アウシュヴィッツを脱走した人が
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の真実を伝えるために書いたレポートです。

冒頭に、「過去を忘れる者は必ず同じ過ちを繰り返す」という文字を入れています。
最後のエンドロールに、音楽の代わりに、現在の極右政権の指導者の発言が入れられています。
私が確認できたのは、ドナルド・トランプ大統領候補の声だけでした。
安倍晋三の「アンダー・コントロール」も入れて欲しかったです。

ホロコーストに関する知識がない人が鑑賞しても、つまらない映画です。
ホロコーストに関する知識がある人には、新たな知識が得られる貴重な映画です。
ホロコーストは、国家を持たないユダヤ人を虐殺することに、関心を示さなかった国々によって、見過ごされていたという歴史に光を与える映画です。

政府が行っていることを正すということは、今も昔も大変です。

日本政府が、新型コロナウイルスが過去最高を更新し、感染拡大している中で、3兆円以上の
赤字となる東京オリンピックを開催するのは明らかな間違いですが、正すことができません。

米国政府が、エシュロンを使用して、盗聴しているのは、明らかな間違いですが、正すこと
ができません。
キース・アレクサンダーNSA長官は、連邦議会で、明らかな嘘の証言を平然としている様子が
映画「スノーデン」に収録されています。

中国政府が、少数民族を弾圧しているのは、明らかな間違いですが、正すことができません。

大事なことは、これを知った今、何をするかです。

日本人にとって、ホロコーストは遠い昔、遥か彼方のヨーロッパでのことなので理解しにくいと思います。
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所やイスラエルの建国についての知識がないと理解できません。

1942年1月25日、ヒトラーは、ユダヤ人をドイツ占領地のポーランド南部オシフィエンチム市にある
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所への移送を命令しました。

ナチス・ドイツは、各地の強制収容所で、600万人ものユダヤ人を虐殺しました。

1944年4月7日、アルフレートとヴァルターは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の記録を持って、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所から逃走するために、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で、身を隠します。

1944年4月10日、アルフレートとヴァルターは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所からの脱出に成功しました。

1944年4月27日、アルフレートとヴァルターは、「アウシュヴィッツ・レポート」を書き上げました。

1944年6月、「アウシュヴィッツ・レポート」は、公開されました。

1944年6月4日、ニューヨークタイムズが、ガス室について説明し、ユダヤ人が処刑されていると報じました。

1944年6月6日、ノルマンディー上陸作戦が成功しました。

1944年6月25日、教皇ピオ十二世は、「アウシュヴィッツ・レポート」を元に、ユダヤ人の強制送還の停止を呼びかけました。

1944年6月26日、フランクリン・D・ルーズベルト米国大統領は、「アウシュヴィッツ・レポート」を元に、ユダヤ人の強制送還の停止を呼びかけました。

1944年6月26日、ジュネーブのユダヤ機関のリチャード・リヒテイムは英国に電報を送り、連合国にハンガリー政府のメンバーに殺害の責任を個人的に負わせるよう呼びかけました。

1944年7月7日、ハンガリーの摂政ミクロス・ホーシーは、ユダヤ人の強制送還の停止を命じました。

1945年1月27日、ソ連軍がアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を解放しました。

1945年4月30日、ヒトラーは、総督官邸の地下壕で自殺しました。

1945年5月2日、ソ連は、ベルリンを占領しました。

1945年5月8日、ドイツは、降伏しました。

1945年8月15日、日本は、昭和天皇による玉音放送をもって、ポツダム宣言受諾
を全国民と全軍に表明し、連合国に降伏しました。

1948年5月14日、ユダヤ人たちは、イスラエル独立宣言を行いました。

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ノリック007

3.5あらゆる陰に潜み…

2021年7月31日
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悲しい

怖い

アウシュヴィッツの収容所にて、記録係として活動していたスロバキアのユダヤ人が脱出し、収容所の真実を伝えるために奔走する物語。

本作は、スリリングな脱走劇と言うよりも、収容所の残忍さ、真実を伝えることの難しさ、そして何よりこの悲劇を繰り返さない為の警鐘をならすことがメインテーマでしょうか。

家族や仲間を利用して吐かせようとするやり方、互いを監視させるようなやり方には改めて怒りがこみ上げます。それでも秘密を守ろうと闘った人たちがいたんですね。

物語自体は説明があまりないので、じっくりみないと、その都度何をしているのかが理解しづらいかも。

赤十字の有力者との会話シーンは印象的。ナチス赤十字のお蔭で…抑えられている…って、状況や団体は違えど2020年にも凄く似たような話を聞いたような気がするんだけど…何か、かなり愕然とさせられた。

それと同時に、命がけのレポート内容を伝えるこのシーンは独特の緊張感と迫力があったように感じます。ワンカット撮影の良さもガンガンに出ていましたね。この勇気ある行動が、12万人のハンガリーの人々を救ったという事実を忘れてはなりませんね。

そしてエンドクレジット。この悲劇から戦後世界がどのように変わったのか、或いは変わっていないのか、改めて考えるきっかけになればと思います。

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MAR

4.0命懸けのレポート

2021年7月31日
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悲しい

怖い

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こころ

4.5【国際社会として、よく考えなくてはならないこと】

2021年7月31日
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この作品の示唆するものは何だろうか。

エンドロールで流れる様々な主張や声がヒントじゃないだろうか。

エンドロール終了まで席を立たないで下さい。

ガザ地区の「世界一眺めの悪いホテル」をバンクシーが手がけたり、イスラエルのガザ地区への圧倒的武力を背景にした爆撃や、第二次世界大戦後の1948年5月のユダヤ人国家としてイスラエルの独立宣言の経緯をもって、イスラエルにあまり良くない感情を持っている人が結構いることを最近知った。
だが、この問題は、欧米で長い間行われてきたユダヤ人に対する迫害もあって、特定の断面から見るだけでは、理解できない複雑な問題が絡み合っていることは理解してして欲しいなと考えたりする。

簡単に云うと、欧州の大概の国では、もともとユダヤ人に好意的な感情を持ってる人は少なく、その団結する心が強く、向上心が高く、豊かな生活を築いている様に劣等感を抱いて、厄介払いしたいと考えた欧州人が多くいたということだ。

それを、ある意味で、ナチス・ドイツは察し、虐殺の矛先をユダヤ人600万人に向けたのだ。

そして、ナチスの敗戦が濃厚になるにつれ、虐殺は加速度的に増えていくことになる。

人道的にもだが、国際条約でかたく禁止されていた行為だったために、ナチスは口封じも含めて大量虐殺を進めたのだ。

映画に描かれているように、何とかして虐殺を止めなくてはならないと考えたアルフレート達は、ホロコーストの証拠とともに、アウシュビッツ・ビルケナウの収容所の同胞や仲間の命がけの後押し、途中で出会う支援者の助けもあり、国境にたどり着く。

しかし…。

結果的に、この二人の尽力で、12万人のユダヤ人の命は救われたとされているが、600万人という数から考えると、やはり僅かだ。

その背景には、長く続いたユダヤ人への迫害があったことは間違いないと、僕は思う。

言い方は悪いが、助けなければならないと云うモチベーションが決して大きくはなかったのではないかと思うのだ。

確かに、人道的な観点から、ユダヤ人を救った人は多くいた。

あまり、知られてないことだが、ナチス・ドイツと同盟国のイタリアの首都ローマでは、カトリック教会と医師達が、この世にない感染症をでっち上げて、ローマ市のユダヤ人の8割を救ったとされている。

ただ、こうした大規模なものは例外だ。

イスラエルの建国については、更に複雑で、興味のある人は調べて欲しいけれど、多くの欧州諸国が、再び、ユダヤ人を厄介払い出来ると考えたことは想像に難くない気がする。

だからこそ、多くのユダヤ人を救えなかったという事実、イスラエルとパレスチナの問題、イスラエルとイスラム教シーア派の一触即発の状況については、欧米諸国とイスラム諸国が真剣に取り組まなくてはならない問題なのだ。

エンドロール。
流れる声や主張は、全て、差別や迫害を助長するものだ。
一人ひとりの声は小さくても、まとまれば大きな主張になりかねない。
こうしたことが、当時のユダヤ人に対するジェノサイドに繋がったとも考えられるからだ。

そして、今、また、僕達の世界は、こうしたリスクを醸成しつつあるのではないのか。

世界はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でスレプニツァの虐殺を防ぐことは出来なかった。

中国の新疆ウイグル族へのジェノサイドも同様だ。
中国は、内モンゴル自治区のモンゴル人や、チベット人への激しい弾圧も行なっている。

だからこそ、過去の反省に基づいて、世界は、これらに強い反対の意を唱え、そもそも差別や迫害自体がおかしげなものだと伝え続けなくてはならないのだ。

僕達の世界はいつも危ういところを歩いているのだ。

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ワンコ

3.5アウシュビッツからの壮絶な脱走劇!

2021年7月31日
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アウシュビッツの強制収容所から脱走するという壮絶な話!
人間はいずれ殺されてしまうことを悟ると、すべての命運を仲間に託し、アウシュビッツごと空爆してほしいと願う!
この物語は、当時、国際社会で、ナチスの動向を掴みかねていた状況と、親ナチスと言える人間達とのせめぎ合いがあったことを、よくあらわしている。
数多くのユダヤ人虐殺を描く映画が公開されているが、この映画は、ひとつの壮絶なエピソードと位置付けることができるかもしれない。
歴史は繰り返される。今も、中国共産党により、数多くの虐殺が行われている。国際社会は批判はするが、状況は何も変わっていない。
ウイグルには強制収容所があり、今もたくさんの人達が連行され、音信不通になっている。
当時、連合国側のアウシュビッツへの空爆は行われなかった。
しかし、アウシュビッツからの脱走者でさえ、12万人以上のユダヤ人の命を救ったのだ。
虐殺など許してはならない!正義は、いつの世も勝利しなければならないのだ!

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caduceus