食われる家族のレビュー・感想・評価

タイトル(この邦題はよく出来ていると思う)からホラーを想像していたのだが、肩透かしを食らった感じ。なんとか教会問題が世の中を騒がせている日本ではこういう朝鮮の新興宗教の話はリアリティがありすぎる。とにかく色々雑な所が多かった、例えば
-駐車場でユジンが被害者と絡むところが何故か防犯カメラに写っていない
-よりによって治療を頼んだ医者が同じ宗教の信者？いくらなんでもご都合主義では？
-主人公がもう少し思慮深い行動をとっていれば(例え奥さんを亡くした後だったとしても)ここまで酷いことにはならなかっただろう。

サスペンス？スリラー？と思えば、ちょっとオカルトチック。先にもありましたが、ローズマリーの赤ちゃんを思い出しました。

追い込まれ、周囲に味方がいない状況は怖い。本人も自分の精神状態が良くないから、自身でも揺らぐよね。

ネタバレ抑えつつ…ラストが気になる。彼女は本当のことを言ったのか？兄の記憶に混乱は無いのか？遺伝子検査を操作するシーンが無かったし…知らぬが仏よね、捨てて正解かもね。

行方不明であったユジンが家に来てから、始めは、娘のイェナが嫌いなパプリカを食べるようになり、また、しばらくしてソジンの両親はユジンのことをすっかり実の娘と信じ切るようになる。会った時から疑いの目を向けていたソジンであったけれど彼は妻を交通事故で無くし、精神的に疲れ、幻覚を見るようになっていた。

この映画『食われる家族』を見ていくうちにユジンが家族の心に侵食し、時間をかけてじわりじわりと乗っ取ろうとする恐ろしさが、実は薬の服薬のせいで心の闇を抱えているソジンが精神的におかしくなり、映画そのものが彼の幻覚のせいではないかと見ている側は思ってしまうほどサスペンス色濃厚な見ごたえがある映画になっていたけれども．．．
映画も70分を過ぎた頃より、話自体がおかしくなり、馬鹿馬鹿しいプロットとなっていく。
あきれ返るほど．．．　何ですか？　この映画は

ただ、ソン・ジヒョさんとキム・ムヨルさんの演技はピカイチでした。
特にソン・ジヒョさんのラストのダークな赤紫色のリッブを塗った冷たい顔はトラウマです。