Summer of 85のレビュー・感想・評価
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かの名曲との相性がもはや神がかり的
この映画について話すと、よく「オゾン作品の中でいちばん好き」という声が聞かれる。かく言う私も同意見で、いちばんかどうかは別としても、本当に幅広い人に愛される映画なのだなと実感する。オゾン自身が17歳の頃に出会い、大いに感化されたエイダン・チェンバーズの原作小説をもとにしつつ、本作にもう一つの魂を与えたのは明らかにザ・キュアーの名曲の存在だろう。イントロがもたらす颯爽としたイメージと高揚感は今聴いても神がかり的だが、ここで謳われる歌詞がジャストではなくとも映画の主人公たちの別れや破局の心境をいささか代弁しているかのようにも聞こえるのは本当に不思議だ。80年代の空気と潮風の香りにどっぷりと浸かり、生涯忘れえぬ瑞々しいひと夏の恋が繰り広げられ、唐突に訪れる試練の渦中でいつしか「書く」ことの重要性に目覚める主人公。その姿がまた感動的。どれだけ時代が変わろうとも、この物語の尊さと普遍性は変わらない。
同性愛だけはついていけません
好きな監督フランシスオゾン
なんだけど生理的にLGBTはついていけません。
ただ青い空青い海は空気を爽やかにしてくれる。
清涼感がこの映画を不思議な空間に連れてきてくれました。
50点
MOVIX京都 20210826
何とも言えない作品
変則時系列だけど、まったくストレスなく観られた。古っぽい画質はあえての演出なのかな。
否定はしないんだけど、同性愛的な作品は個人的には少し苦手。
ただ男同士でなかったら作品として成り立ちづらい気もする。
サラッと流して観るにはちょうど良かった。
評価:3.2
徹底的に80年代にこだわった創りが心に刺さる
のっけのテロップから、そしてフィルム的というのか少しざらついたその画質に至るまで、おー、まさに80年代風満載。
ダイアモンドヘッド的な岸壁やカラフルな海辺の小屋の棟々も、これでもかという程ノスタルジック。気に入ったシーンを挙げたらきりがない。重いシーンも少しコミカルに描かれていたのも好印象。
この時代バイクが好きだった私にとっては、ツーリング姿に心躍り「‘’スピードの彼方‘’は暴走とは違う」というセリフに陶酔した。
このテーマを題材にした作品は、とにかくきれいな映像で仕上げる傾向があるが、本作もご多分に漏れずとにかく何から何まできれいな作品だ。画だけでなく心情までも。
個人的には、「誓いの実行」がラストシーンで収まれば迷わず星5つをつけたが、伏線の回収を考えるとそうもできなかったか。
いずれにしてもヘッドフォンから流れる「Sailing」がどこまでも似合う良い作品だった。
ひたすら美しく切ない
フランスのビーチリゾートを舞台にロケーションも主演の2人もストーリーもとっても美しかったです
華やかに賑わうビーチリゾートじゃなくて、落ち着いたちょっと閑散とした感じもあるビーチリゾートがピッタリでした
キャストもとにかくストーリーにピッタリなんです
ただかっこいいイケメンボーイズというのじゃなくて、儚さを漂わせる2人が、ハッピーエンドじゃなくて破滅に向かっていく事を予感させる美しさでした
ダヴィドの本心は何なのか、父への想いの寂しさからか持っている幸せを自ら壊しているような
アレックスはどうなんだろうと思いましたが、「あなたが想うダヴィドはあなたが作った幻想」というケイトの言葉、これが本当なのではないかと
16才の濃すぎる初恋
余韻の残る良い作品でした
Summer of 85
美しい少年2人が出会い、永遠の別れるまでの6週間の夏物語。ダヴィドの色気と突然どこかへ消えていってしまいそうな繊細さが印象的。色鮮やかな映像美も素晴らしかった。思春期の葛藤や危うさ、愛や死についても考えさせられる興味深い作品だった。
おれの墓で踊れ
寡聞にして知りませんでしたが原作「おれの墓で踊れ」はそこそこ有名な小説だそうで、オゾン監督も原作に惚れこんで映画化したとのこと。原作は主人公の手記(小説)として綴られているようですが、映像化でもとてもうまくそれが組み込まれていて、とても文学的で美しいお話でした。
愛する人を事故で失うというあまりに厳しいイニシエーション。切ない青春のひと夏を綴った佳品です。
好きな人に飽きたって言われたら絶対傷つく
洋画っていうと大体イメージするのは英語圏が舞台の作品だろうけど、今回はフランスで、そのせいか英語を喋る人達の距離感とはまた違った距離感で恋愛映画を見ることができた。
アメリカの映画とかだと人とかすぐ仲良くなるイメージだけどそんな感じじゃなくてぎこちない時間とかイチャイチャの仕方とかもフランス独特の感じが見れて新鮮。
2人のシーンはすごく綺麗でやっぱ男女のカップルの物語を見てるより同姓同士の恋愛を見てる方が素敵だなって思うしキュンキュンする。男と女が当たり前な世の中だからその殻を破って普段恋する対象じゃない相手と恋をに落ちるのは何か禁断的なものが感じられるな。あとは少し腐が混じってんのかも笑笑
でも大体こういうLGBTの映画の人たちってゲイだから好きになるんじゃなくて「その人」だから好きになるんだよね。そこが普通の恋愛よりも特別で唯一無二で2度と同じ相手には会えない気がするから魅力的なのかもな。
映画の内容は感動したけど、ところどころん??ってなるところが多かった。デヴィトを最初見た時はなんで心優しくて社交的な人間なんだろう、アレックスとは正反対でそこが噛み合ってる!なんて思ったけど見ていくうちに性的な対象にはみんな自分から誘ってたり、結局船も口だけで片付けてくれてなかったり、最終的には喧嘩でも最低なこと連発してたし。なんで言った本人があそこで泣いてたのかはわかんない。アレックスの気持ちになったら悲しすぎて私まで傷ついた。私ならそこで病んじゃって引きこもりになってたかな。デヴィトのお母さんもどう考えてもデヴィトの死は息子の不注意でそこを無理矢理他人に結びつけて現実逃避をしてはいけないのに、アレックスにひどい言葉を連発、思いやりがないのはどっちだよっておもった。
前半でアレックス、デヴィト、デヴィトのお母さん、三人のすごく幸せで楽しそうな空間がいっぱいあったから、もしもあんな感じでrelationship が終わるなら私は耐えられないな。でも最後ケイトが「あなたが理想の彼を夢見てただけよ」って言われてなんかハッときたし、、、でも私は純愛でいて欲しかったな、なんて思う。ちなみにケイトの発言は芦田愛菜のスピーチを連想させるね。わんちゃん芦田愛菜もこの映画見たのかも笑笑笑笑
でも、2人の幸せな時間は見ててすごくよかった。やっぱ美少年2人っていいね。そこは最近見た映画で1番キュンキュンしたかも。
追記
結局davidはただのプレイボーイであっさり捨てられたアレックス。そのままもう2度とdavidには会えなくなる。そんな辛い現実があってもまだdavidに対しての気持ちが諦めきれなくてそれで死体に跨ったり墓荒らしたり、したのかなー。ずっとずーっと、davidの幻想を追っていたんじゃないかなー
ロッドの曲で覚醒
ストーリーは、最近のBL的な感じ?
フランスの海沿い。
バカンスあり、ラブありみたいな。
でも~大好きだったロッド・スチュワートのセイリングが、かかるなんて、予想外。
ほんとに、やられた~
それに、なんだろ。
未来のあるおわりかた、なんだな。
もう、キュンキュンしちゃう。
キラキラした瞬間を味わう
期待通りThe Cureの曲が流れる瞬間は最高に美しくキラキラしていた。
人の扱いに長けたダヴィドの華やかな容姿とカラッとした青空と夏。
それだけ揃ってたら、誰しもがフラッとしちゃうだろう。挙句墓の上で踊るなんて、深い繋がり感じちゃうよな。
それだけに、変化して行く関係の苦虫感はもの凄い。
夏の雰囲気を味わうには良い作品だった。
BL・・・理解できなかった
1985年夏、セーリングを楽しもうとヨットで沖に出た16歳のアレックスは急な嵐に見舞われ転覆し、18歳のダヴィドに救出された。2人は友情を深め、恋愛感情へと発展し、アレックスにとっての初恋となった。ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てた。しかし、ダヴィドが女の子を抱いた事で喧嘩となり、アレックスが暴れて去り、追いかけたダヴィドがバイク事故で死んでしまった。生きる希望を失ったアレックスだが、誓いをするためおかしな行動を取る、という話。
BLだし、自分勝手に暴れるし、アレックスに共感できるところは無かった。
ダヴィドが寝た女性のケイトは可愛かった。
海などの風景は綺麗だった。
新しい明日を生きることは、決して過去を冒涜することではない
カンヌ出品作とのこと。
「僕はいかれてる。やっと気づいた。死に興味があるなんておかしい。・・・僕は、ある死体にたましいを砕かれた」 という不穏な始まり。「死体が生きていた頃のことに興味がなければ、この先を観ることはやめといた方がいい。君の物語じゃない」・・この冒頭のセリフはいい。少なくとも俺は、俺の物語じゃないんだけれど、観てよかった。すっきり心に届いてきた。
不穏な冒頭の数シーンから、快適な音楽を背景にしたオープニング。つかみはばっちりだった。上手いなあ。以降、本作は、2つのストーリーが交互に描かれる。ひとつは、主人公アレクシとダヴィドの出会いから "ある日" まで。ふたりが親友となり、親友以上の関係となっていく明るく幸せに満ちた前半と、その破綻を描く後半。もうひとつは、その "ある日" から現在までを描くストーリー。
レビュアーの多くがすでに書いてくれているように、「青春映画だった」 にまったく同感だ。疾走する愛とその破綻と悲劇的な結末。自分が得意でないというか、好きなジャンルではないと思っていたが、すごくすんなり楽しく観ることができた。この感覚は、イ・チャンドン監督の「オアシス」に出会ったときに感じた感覚に似ている。
この映画でもうひとつ多くの方がすでに書いている、ロッドスチュワートの曲「セイリング」の絶妙な使われ方。クラブミュージックがガンガン鳴る中で、ヘッドフォンで聞く「セイリング」。どんなに愛しても二人でいても満たされない。いつもいっしょにいたかった。触れていたかった・・・主人公の心情をまさに歌う歌詞。海の向こうの懐かしい場所h僕らはわたっていく。君に会うために危険を冒して・・・"ある日" を歌うかのような歌詞。ほんと、うまい。
ラスト。新しい愛にむかうことを示唆するシーンは、自分も60歳超えているので、観た瞬間には「あれ?もうそんな展開に?」と違和感を感じたが、それってずれてたと観終わって気づいた。「新しい明日を生きることは、決して過去を冒涜することではないんだ」 という宣言にも聞こえて、心地よいエンディングだったと理解できた。
いやあ、なんか、観てよかった映画だった。
'85の夏に飛び込んで!
映像のアナログな質感、ファッション、音楽、人物、
'85の夏がこれ程までに美しく燃え、青春があがく程にもがく程に何故か無情の多幸感に包まれる。夏の終わりにドはまりです。
The cure の「Inbetween Days」はストリートシングスでも見事にダブリンの若者を演出していたのを思い出した。
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