MOTHER マザーのレビュー・感想・評価
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こうゆう人達が居るという事
映画公開の宣伝の時点でとても気になっていたが、私自身が妊娠中であったため観に行くことが出来ず、今回長澤まさみがアカデミー賞を取った事で思い出したのでNetflixにて鑑賞。
この世に正解がないように、誰かの正しいを押し付ける事は出来ないけれど、この母親は間違っていると感じた。
子供は母親の所有物ではなく、1人の人格として育てるべきだ。
それが出来ないなら産むべきではないし、それすら分からず産んでしまったのならば他人に頼るべきだ、と。子供は分身ではなく、あくまで他の人格なのだから。
大切に扱うべき命なのだから。
この母親は恐らく精神障害があるのだろう。サイコパスやアスペルガーなど詳しくは分からないが、勉強が出来なかったり、仕事が続かない理由がきっとあるのだと思う。
それに両親は気付かず(当時は精神障害という存在自体がメジャーではない)不出来な姉、優秀な妹という立ち位置で育ててしまったのではないだろうか。
いや、親自体は同じ様に愛情を注いでいたかもしれない。しかし本人はその様に感じていたのだ。
周りとは同じ様に勉強や仕事が出来ない苛立ち、それを受け入れられないプライド。妹ばかり可愛がる親。
この役が長澤まさみだったから、こんなに美人ならば女を武器に身体で稼げば良いのにと思ったけれど、きっとそれも出来なかったのではないかな。暴れたりして。ただ、ジャガイモは上手に剥けていたけれど。何故ジャガイモは上手に剥けたんだ。そこに違和感があった。もしかしたら障害ではなく、マイノリティとして勤労しないのか。
見た目では分からない障害は厄介だ。
そもそも障害とは何なんだ。その境界線は何だ。普通とは何なんだ。
自分自身の勤労でお金を生み出す。
それが出来ない人はどうしたら良いのだろう。
子供を産む事は出来る。しかし育てる事は出来ない。
そうゆう人はどうしたら良いのだろう。
いやむしろ、そうゆう子供が生まれたら、どの様に育てたら良いのだろう。
色んな人がいる。
まずは知る事。自分を、そして他人を。
その為に本を読んだり、勉強をする。
子供だって他人だ。分からないと投げ出さず理解する努力をしなければいけない。それが愛情なのかもしれない。
少なくとも秋子は愛情をあまり感じずに育ってしまったのだ。
秋子自身、自分の弱さ(もしも精神障害があったとしたならば)を知る機会があれば、それを受け入れられればきっともっと違う生き方が出来たはずだ。自分の弱さを知る事で大人になるのだ。
周平は、秋子を母親というよりも守るべき存在として扱っていた。
秋子の危うさは子供の危うさと似ていた。
幼いまま母親になってしまった秋子。
大人びた周平。
何故、祖父母を殺すまでに至ったのかが最後まで分からなかった。
周平ならば分かりそうなのに。母親を守る術はそれではないという事が。きっと、もっと学校に行って他人や本と関わっていれば実行しなかったはずだ。
それが残念だった。
身近にこうゆう人達が現れる可能性は幾らでもある。
人間がこの世で子育てを、いや生きていく事の難しさを考えさせられる映画だった。
これだけ考えさせてくれると言う事は、創り上げたスタッフの賜物だ。
俳優陣の演技も素晴らしかった。
ひどい話だ
母親役の長澤まさみさんが、日本アカデミー賞主演女優賞を受賞したニュースをきっかけに初見。俳優陣が素晴らしい演技だった。
女性から見たら、「こういう女の人ってなぜか男の人が途絶えない」と納得する、絶妙なだらしない感じ。
ストーリーは、実際に起こった事件として、記憶に新しい。
格差、貧困、共依存。胸が苦しい場面ばかり。
どこかで起こっている小さな負の積み重ねが、日々の生活に確実に存在していることを、淡々と捉えていた。
最後の手を握るシーンは、個人的に少し違和感。
それでも子は親にあの言葉を言えるか…?
長澤まさみが日本アカデミー賞主演女優賞を受賞したばかり。その他、国内の同賞を多数受賞した話題作。
いい意味でも悪い意味でも噂には聞いていたが、これは…。
シングルマザーの秋子。まだ幼い息子・周平を抱えながら、無職。
働きもせず、お金は親族から借金してでも無心。断られれば声を荒上げて逆ギレ。
金はパチンコなどギャンブルへ。
男も取っ替え引っ替え。ホストの遼と出会い、家に連れ込む。息子をパシリに。
息子を置いたまま、男と旅行へ。家ではガスや電気が止められ、周平一人…。
ようやく帰って来たら、遼とグルになって留守中親切に息子の面倒見ていた知人を脅迫して金の無心…。
自堕落、育児放棄、果ては犯罪まで。
生き方も考え方も一切共感出来ない。
『世界の中心で、愛をさけぶ』で白血球と闘うあのピュアな女の子が、まさかこんな毒親/毒女になろうとは…。(←あくまで役柄です)
しかし、それだけ長澤まさみの演技が凄いという事。これは聞きしに勝る…いや、それ以上!
ムカつくくらいのふてぶてしさ。
凄みのある熱演。
これまでの印象を覆す!
役者とは良くも悪くも、外見も内面も含め、自分の全てをさらけ出す。
そう言った意味では、長澤まさみは持てる力を出しきり、間違いなくこれまで~今後のキャリアの代表作になったと言えよう。
コメディばかりじゃなく、阿部サダヲもシリアス作品でだらしない役を演じさせれば抜群の演技力を発揮。
『日日是好日』や『星の子』などの感動作、『まほろ駅前』シリーズや『セトウツミ』などのユルいコメディも手掛けているが、やはり大森立嗣と言ったらヘビーな作風。本作でもその手腕は遺憾なく。
何処までも何処までも、とことん堕ちていく。
遼との間の子の妊娠をきっかけに、破局。
家族からも完全絶縁。
5年が経ち、周平は青年に成長、妹・冬華も産まれたが、変わらぬその日暮らし。果てはホームレス…。
どん底もどん底。底辺も底辺。
国の生活支援の手が差し伸べられる。住む場所、食事、周平には学校。周平と交流を深める生活支援員役で夏帆が好演。
が、どんなに良くしてくれても秋子は反発。
そんな時遼が舞い戻って来て、再び波乱の中へ。
そしてこの母子の末路は、最悪の悲劇に…。
どんなオチを迎えるのか、ほとんど前情報ナシで見たので、衝撃的。
何でも2014年に埼玉県で起きた事件がベース。
哀しく救われない。あんまりだ。
このオチを巡って、賛否両論も分かる。
ここで存在が大きくなってくるのが、周平だ。
幼少期の郡司翔も見事な演技を見せてくれるが、すでに新人賞総ナメ。青年期の奥平大兼が長澤まさみに負けず劣らずの存在感と難しい役所を素晴らしく体現。
本作はタイトルこそは“母”となっているが、真の主役は息子の周平でなかろうか。
母・秋子は親失格なのは否定出来ない。家族からも周囲からも疎外され…。
そんな周りに対し、いつも毒付く母。だけど本当は、孤独…。
守ってくれる人は誰もいない。…いや、いる。僕が。
母もそうかもしれない。頼れるのは息子しかいない。
本作は、息子から見た孤独な母の物語…。
…と、ただセンチメンタルには終わらない。
クライマックスのあるシーンの秋子の台詞には戦慄した。
これが、親の言う言葉か…!
産まれたその瞬間から息子は苦労続き。その心労、計り知れない。
それは秋子も同じで、本当に苦楽を共にした親子。
頼れるのは他にいなかった。
しかし、それが駆り立ててしまった。
子供は私のもの。
それでもお母さんが好き。
これは、決して赦されない罪か、歪んだ究極の親子愛か。
毒母と子の、愛の方向性
Netflixで鑑賞。
原案は未読。
胸糞悪い。重たい。気分が悪くなりました。
大森立嗣監督節が炸裂した淡々とした話運び故に、実話ベースの物語のリアリティーが強調されていたからか、怒りとも悲しみとも形容し難い感情が心に残りました。
長澤まさみの演技の迫力がすご過ぎました。さすが演技派女優の面目躍如だなぁ、と…。初の母親役にして汚れ役。クソみたいな毒親になりきっていました。
奥平大兼も新人とは思えない演技力に舌を巻きました。デビュー時の柳楽優弥を彷彿とさせるような、非凡な雰囲気を醸し出している俳優さんだなと思いました。
親子の悲惨な生活。秋子は次々に寄生する男を変えつつ、時には川田(これもどうしようもねぇクソ野郎)とヨリを戻したりまた別れたりを繰り返し、ホームレス同然の暮らしとなったことで、ついに周平に殺人を命令するに至る。
秋子と周平の関係性は、劇中では共依存だと云われていました。お互いがお互いを必要として、相互に依存し合う。秋子は周平を"愛情"を持って支配し、周平もネグレクト同然の秋子を嫌わず、自分の主張を歪められても着いて行く。善悪を超越した親子愛と云う、ある意味不思議な関係性。
幼少期編のラストシーン、ふいに秋子が周平を抱き締めました。毒親が見せた突然の優しさ。これはずるい。だから周平は母親から離れることが出来ないんだろうなと思いました。
どれだけ悪態をつかれ、どれだけ自分の意思を踏みにじられても、周平は母親を愛し続け、秋子もまた息子を愛した。
その愛はどこか普通じゃない。でも普通ってなんだよ、と云う疑問も湧いて来る。同時に、この関係性を理解出来るような気もして来るんです。しかし結局のところ、歪んだ愛の果てには破滅しか無かったのかもしれません。
親子3人が路上にへたりこんでいるのを尻目に、目を背けると云うかそもそも見えてない感じでその前を素通りして行く通行人たち。この光景を観て、大森監督が突きつけたかったのはこれかもしれない、と思いました。
実際、こんな風に薄汚れた格好の親子がいたとして、路上に力無くへたりこんでいたとして、手を差し伸べられるかと言われれば、素直には頷けない。素通りして行く通行人を責めることは出来ない。同じ穴のムジナだから。
なんとかしなければならないと良心が囁く一方、手を差し伸べても、向こうからその手を払ってしまうのだから自業自得だろうと思う自分もいるんです。
[余談]
「周平何やってんだよ!」とか「おい周平、酒買って来い!」とか云うセリフが流れる度にビクついてしまいました。
なんせ僕もしゅうへいなもんで。
※修正(2024/03/13)
切ない物語でした
なんだか切ない物語でした。周平とふゆか(漢字分からないごめんなさい)の母親は間違いなく最低で処刑したいくらいの人間だった。周平もそれをわかってるはず。(ふゆかはとても小さいので母親が最低とかそういう感情がまだ分からないと思われる…)
周平は、自分の母親が最低だってことは十分すぎるほどに分かっているはずなのに、それでも母親への愛情の方が勝ってしまう。それは視聴者という第三者からすると「なんで…!?」という感情になった。でも、実際自分の母親がそのような人格の人だとしても案外周平のように受け入れてしまって結局母親を愛してしまうのかもしれないな、と思うと凄く怖くなりました。
感動する話では一切ないけれど第三者から見て辛いシーンが何個もあって結構泣いてしまった。
中でも私が印象深いシーンは前半、周平が元夫に会って「修学旅行に行きたいからお金を貸して欲しい」と母親に頼まれて言いに行くシーン。この映画に出てくる大人は正常な人もいたけど周平に対して心配して尽くしてくれた大人は元夫と施設のお姉さんだったのかな、思いました。元夫は少ししか出ていないけど、彼なりに心配してくれてたと思う。元夫は周平に「修学旅行のお金を貸して欲しい」と言われて少し考えたあと、「周平、お父さんの所来るか?」と優しく、心配した顔で問いかける。絶対に、100%、元夫について行った方が周平は生活も安定して充実した暮らしができるのに周平は「いや、お母さんの方が好きだから。」と真顔で答えた。そのシーンで号泣。第三者からしたら元夫が一緒にする提案をしたところで「周平、お願いだから元夫について行って!!その方がぜっったいに辛い思いしないよ?」とずっと心の中で願っていたが、お母さんを取ったシーンで周平、なんで……?という困惑とあんなに最低なのに、母への愛情が勝ってしまうのか…という驚き、そして元夫が思ったであろう、周平はそれでもあんな最低なあいつ(母親)を取るのか…という虚しい思いが重なってたくさん涙が出てきました。
胸糞悪いでもなく、ただただ切ない物語でした。
普通です
全体的に普通だと思った。親子の共依存は多かれ少なかれ私達が理解できるテーマだと思う。洗脳された子はいくら利用されているとわかっていても親を本当に嫌いにはなれないよねと。あるいは自ら進んで親をかばおうとする。しかし「こんな親子がいるなんてかわいそうでしょ?」感があった。共依存をテーマにするなら、もっとリアルな部分まで二人の依存を描いてもらわないと、観る方もへーそんな事があるんだなで終わってしまう。
また母親像に全く共感はしないが、終始男性視点で“クズな母親とはこういうものだ”を描いている感が否めなかった。特に二人目を妊娠したとき貧困状態で周囲の助けもないなかどうやって産んで4、5歳まで育てられたのかわからないし、赤子はすぐ病気になるし放っておくと死んでしまうのにその一番の難所をどう乗り切ったかはすべてカット。
もし周平に一任していたなら、すごく苦労しているだろうと思う。想像でしかないが、兄に育てられたならむしろ妹はもう少し兄を慕い、母親ではなく兄の後ろをついていくような関係になるのではないかと思う。
胸糞悪い
実際の事件に着想を得たとの事。
実際、ああいうケースばあるのだろうか?
俺の目線からすると異次元の話だ。
どんな理屈ならば、自分の人生や行動を肯定できるのだろうか?
「母親」というタイトル。
当然ながら子供への影響力は計り知れない。
私の勝手でしょと母は言う。
まぁそうだ。勝手ではないけど一存はされてるように思う。シングルならば尚更だ。
つまりは母親のモラルに依存する。
子供は子供で「愛されたい本能」があるかのようだった。その本能が満たされない内は、ずっと縋り付き求め続けていくように思う。
「愛されていない」を本能が拒絶し「どうすれば愛してもらえるのか」を終始模索してるようだ。
あり得る事なのだろう…。
極端な拡大解釈であって欲しいけど、作品の流れを見るにそんな事を考えてしまう。
そう言えば、冒頭の秋子も言ってた。
「妹ばっかり可愛がるから!」みたいな事を。
自分勝手な言い草だと思ってたけど、連鎖の中にはいるようで…そんな整合性に青ざめる。
端から見てると歪んでるのはよく分かる。
でもそれは、歪んでないモノを知ってるからだろう。比較できるモノがあるから。
ソレを知らないのなら順応していくしかないのだと思う。
コレも俺の見識の範囲の話だけれど、誰に向けて作られた話なのだろうか?
テーマは重く、社会に一石を投じるにたる作品だ。
でも、当事者達はきっと見れない。
今どうこうする話ではないのだろう…。
正常な道徳感で、この母親を否定できる価値観がある内に見ておく話なのだろう。
どこかの施設でカウンセリングに使う事もあるかもしれない。
手遅れになる前の予防線だろうか?
なんせ俺なんかは、こんな目に子供を合わせずに良かったと胸を撫で下ろす。
子供もそうだけど孫がそんな目に合わないように努めてもいきたいと思う。
正常な人が金払って観るべきかどうかは甚だ疑問だけども、必要な作品だと思う。
愛が全て
働けない。いや、働かない。子供を愛さない。いや愛せない。長澤まさみ(名前忘れた)が子供と共依存しネグレクト、虐待を繰り返していくという映画だったが、なぜ、働かないのか、なぜ子供を愛せないのか、なのになぜ、男にすがりつくのか、なぜ女性的な魅力はあるのか、なぜ育てられないのに「私の子」だと愛が変に強いのか。周平は学習能力も高く、面倒見もよく、優しい子だけど、愛がなく暮らすところもない荒んだ環境で育ってしまったがために自らの手を汚してしまう。という何とも残酷な結末。愛が無いってすごく残酷でこわいこと。子供は自分の分身だとしても一人の人間として産まれてきた以上は学ぶ権利も幸せになる権利もある。妹を可愛がるお母さんを見てきたが故に歪んでしまった愛なのかなぁと感じました。
実際にこういう家庭はあると思うから、子供たちを守りたい。
誰も救われない
一言で言うと、悲しく後味の悪いお話でした。
どなたかのレビューにもあったように、「真の悪を前に、善だけでは勝てない」という言葉がぴったりと収まるような感覚です。
手を差し伸べてくれた人達をするりと抜けて、そのたびに「すがって、助けてと言えたはずなのに」と何度も思ってしまうような作品でした。
誰が悪い、誰がダメ、ということではなく…ただ、純粋な周平の母に対する愛があった事だけは事実として印象に残りました。
母にも、周りにも嘘をつかなかった少年が、母へ向けた愛の為だけに「最初で最後の嘘」をついたシーンで、思わず涙が溢れてしまいました。
躊躇いながらも母に対して、少しだけ反抗したシーンも忘れられません。
素直で、妹思いで、学習意欲も高く、そのうえ母が大好きだった少年が嘘をついた瞬間の表情には、胸を締め付けられました。
俳優さんが素晴らしかったですね…。
私ならどうしてあげられただろう…とか、私だったらこんなことができるだろうか…とか色んなことを考えさせられる作品です。
普通なら「子供には不可能」だと分かることであっても、他人の子になってしまうと日本人特有の「トラブルに巻き込まれたくない」という態度が映されてると言いますか…「大丈夫だよな?」って、子供に言ってるように見せかけて、実は自分自身に言い聞かせてるようにも捉える事も出来たり。
母は、こうでなくてはいけない!というルールはどこにもないし、もちろん子供の育て方は産んだ母が決めてもいいことではあると思います。
ただ、母の身勝手な行動や判断だけで、子を苦しめるのはまた違うかな…と思ってしまいました。
やり場のない気持ちだけがモヤッと残りました。
少年が、「外にいたくないんですよね」とラストに言いますが、その理由が「ご飯も食べられるし、本だって読める」でした。
これは…母が、いかに子のことを考えずに育ててきたか、悲惨さが目に見えて分かる描写です。
塀の中にいることが、彼にとって一番気を楽にして生きられる場所なのかな…とも考えてしまいました。
ただ、最後まで妹を心配する少年は、「兄」としての模範になりますね。
物語の流れが重く、たびたび胸が締め付けられる衝動と、今すぐにでも助けたいと思うような作品でした。
犯罪を犯すのは、悪いことであるのは当たり前です。
ただ、全員ではなく一部にこの少年のような子がいることを考えると、「日本」自体を変えないといけないような気もします。
他人に無関心な国だからこそ、起こりうる罪の形です。
私は、無関心な人間でありたくない… でも何が出来るのだろうか…と考え込んでしまうような映画でした。
少年は、本当に不幸の中の不幸で生きてきたんですね…。考えるだけでつらくなります。
子は都合のいい道具じゃありません…。
若くして子供を授かった夫婦や、難のある生活を強いられている親子、子に虐待をしている親などに、こういった作品を観てもらいたいものです。
この胸糞映画で何を伝えたかったのか
共依存の悲惨さであろう。
そしてこの映画に惹かれる人は共依存の因子を持っていた人かもしれない。
内容は胸糞悪い身勝手な両親とその子どもの凋落である。
最後のオチに希望を持っていたが虚しい終わり方となった。
映画を見たあと作品のメッセージを必死に考えた。やはりそれは共依存の悲惨さである。
あらゆる周りの援助を払いのけ長澤まさみは金の無心だけに執着する。こんな親子を誰が救えるのか。
これは社会問題へのメッセージだと考えた。誰が悪いと言っても仕方ないのである。悪い意味で無常なのだ。この哀しみは連鎖していくだろう。こういう人たちが目に見えないだけで世界中にたくさんいるんだ。
そのメッセージを受信するだけで胸がいっぱいだ。私たちは彼らに何もできないのだ。だから悲惨なのだ。
ノンフィクション
という衝撃はありつつ、共依存というのはこれほど救えないのか。
救えない母親と救えない息子による救えない物語。サイコパスですら思える。周平は最後にお母さん好きだからやったと言ってたが、ところどころ葛藤しているような場面があったこともあり、自分が自由になりたい一心で行動したのでは、とも思った。本人のみ知るところ。
唯一救える妹は幸せであると願いたい。
見終わったあとに、素直に思ったのは、自分がどれだけ幸せだったのか、ということでした。そんな作品だった。
改めて両親の感謝したい気持ちです。
実話だと思えないほどのお話。
はじまってすぐもうクズ親っぷりが炸裂してます。
高校生役をしていた長澤まさみさんが
もうクズ親をやる日が来るとは月日の流れは早いですね。
なんだか終始胸糞悪いですね。
クズにはクズが寄ってきますね。
阿部サダヲさんもクズぶりがすごいです。
出ている人が豪華ですし演技が上手い為、見ていて嫌な気分になります。
たいがさんがホテルの店員役で出てて、おっ!でした!
藤田さんが初めの方に、包丁刺さって死ぬのやばいですね。
って思ったら生きてたー!でした。
子供への愛なのか、執着なのか、なにかが曲がってしまっていましたね。
お金なくて子供も降ろすという人なのかと思ったら、子供は産むんですね、わたしの子だよってあんなに殴られても産むことをやめない。
しゅうへいくん役が、子役のときも、少し大きくなってからも、両方ともすごく顔が整ってますね!
阿部サダヲさんが部屋に押し込んできた時、なんだったんですかね、あの謎のステップ。
学校行きたいんだけどって勇気振り絞って言ったしゅうへいくん。
あんなあしらい方、ひどすぎます。
借金って最悪ですね。
なんか全て最悪です。
実話って、信じられませんね。
顔を叩かれた後、強く握り拳をしているしゅうへいくんの怒りが心の中を表してますね。
辛すぎます。
人の優しさや、隙間に漬け込んで結局全てお金を盗む、しかも息子にやらせて、とんでもないですね。
息子はいつメッシュ入れたんや思いました。
祖母を殺せば家のお金が手に入ると言い出す母親。
そうだねと流した息子に対して
『ほんとにできんの?』と。
祖母殺害事件の真相がこれって。
息子悪くないじゃんって思いますよね。
息子にとって母親はどこまでも母親だったんですね。
本当に息子に殺させるなんて。
これを見て思ったのは本当に
【マザー】ってタイトルだなって思いました。
事件の真相や裏側って、テレビだけじゃ分からず
こういうこともあるんだなと。
全員本当に演技が上手いです。
しゅうへいくんも上手いです。
最後まで見入ってしまいました。
最後まで胸糞悪い母親でした。最低です。
これを共依存と呼ぶんですね。
母親は2年。
息子は12年。
母親は私は何もやってない、指示もしてない。
息子は僕が全部やった。と一点張り。
ふうかちゃんは引き取られ。
こんなことあるんですね。
しゅうへいくんは、お母さんがすきだと。
それを、人から聞いてもあの表情。
母親はあれを聞いて一体なんと感じたんでしょうね。
万引き家族、子宮に沈める
ネトフリで見つけたんで鑑賞中。
まだ途中だけど、長澤まさみのグズ母親っぷり凄い。阿部サダヲのホストには無理があるんじゃw
こんな母親いるんだなぁ…。猿時かわいそう…。いやー、最低。
万引き家族といい、子宮に沈めるといい底辺家族映画もっとやってほしい。
何故彼(周平)は、犯罪をおこしてまで母を好きになったのか。 そして何故秋子(長澤まさみ)は、彼に学校にも行かせず、自堕落の生活を送ったのか。
実話を基にしたノンフィクション映画。
学校にも行かず自堕落の生活を送った秋子と息子周平。場所を転々と繰り返し保護施設に入ることにしたが、夫(阿部サダヲ)の借金でまた問題が増えてしまいます。
そして、周平がついに犯罪を犯してしまいますが、何故、母の命令ではなく自分でやったと言ったのか、衝撃を受けました。
これは私が今年見た中でNo.1の衝撃です。
歪んだ愛
自分は正しいと本気で信じている究極の毒親…歪んだ息子への愛が描かれている映画。
自分の考えや価値観を、子どもに押し付けて支配してる毒親は以外と身近にいるような気がする。
秋子みたいに酷くはないけど、あなたのためなのよ、とか言って思い通りにしようとしてる人見かけるよね。
そういう私も親の期待に応えようとして来た気がする。
本音を言えば、母親が亡くなった時に悲しいけどなんだかホッとしたのも事実。
大森立嗣監督は長澤まさみさんの演技に委ねて、細かな説明は省いている印象。
その点は見る人を選んでる気もするけれど、私は色々と考えさせられた。
近年大活躍の長澤まさみさん…コメディエンヌっぷりも見事だけれど、こんな難しい役を演じることが素晴らしい。
阿部サダヲさんのクズっぷりと新人・奥平大兼さんの母親思いの対比が心に残る。
秋子の歪んだ愛。
周平のもがき。
社会から孤立した母子の間にある絆。
他人事だと目を逸らさずに自分の事、身近な事として受け止めたい。
ぜんぶ「ダメ」
周平の最後に発した「お母さんを好きじゃ、ダメなんですかね」のセリフに涙が溢れました。
映画中盤まで、理解もしたくないしょうもない母親とあまりに悲惨な子供たち、幾度か手を差し伸べようとする人間が現れるにもかかわらず、低い方へ低い方へ、親子は下へ流れていく。正直同じことを繰り返しているし、馬鹿げてもいて、長いなと思ってしまう自分もいました。
しかし亜矢と面会するラストのシーンで、なぜこれほど丁寧に、同じことを繰り返す親子を描きあげたのかわかりました。周平の目は、サイテーな母親や救ってくれない社会を非難するではなく、ただ母を想う気持ちで、支配されていました。あの演技に胸が締め付けられる気持ちになりました。
先日見たグザヴィエドラン監督作品「マイマザー」で、「人には、母親に向かない人もいる」というセリフがありました。長澤まさみ演じる母親はまさにそれで、しかしそのことを自覚することは母親として屈辱的なことであり、そのような親のもとに生まれてしまった子供を救うにはどうすべきなのか、真剣に考えなければならないと思いました。
そんな馬鹿な(泣)
大森立嗣監督の作品は色々と拝見させて頂いてますが、個人的に『MOTHER』は最高傑作!!
こんな母親は嫌だ、No.1。
世間には、この様な母親は5万といるのでしょうか。
子供を幸せにできないのなら子供を産むなー(●`ε´●)
そして、声大き過ぎ!そんなにギャーギャー喚かないで
冷静になってくれ。シュウヘイ君は冷静だったな。
あれかなぁ、反面教師か。
シュウヘイのお父さんが『シュウヘイ、お父さんの所に来るか』
だが、シュウヘイは『お母さんのがいい』
!!?何でやねん!!
そのシーンを見て思ったのは(お母さんに洗脳されてるのか?)
洗脳ではなく、『お母さんの事が好き』
という。シンプルなものだった。シンプルと言っては語弊があるけど。
後半のシーンで、あやさんが(夏帆さん)
『自分がやったって嘘ついちゃ駄目じゃない』
シュウヘイが
『ずっと駄目だよ、産まれてから ずっと』
号泣でした。
皆様素晴らしい演技力で、圧巻でした。
吐き出さずにはいられなくて…
16歳の高校男子を持つ親ですが、鑑賞から3日たっても、衝撃的なシーンが心から離れなくて…。
長めの髪の周平の風貌が、どうにも我が子と重なり、序盤の小学生時代から涙していました。
彼の周囲の大人が、秋子ではなく、周平を見てくれていたら…。何度もあったタイミングを、なぜどうにもできなかったのか…。
周平が発した「学校行きたいんだけど」「もう止めようよ」を、なぜ救ってあげられなかったのか。
そんな理不尽を、違う、と感じていても、違う行動をするすべを持たなかった周平。
妹をとても大事に思っていた優しい彼が、あまりにも残忍な事件を起こす。
心を決めるまでの長い長い橋のうえ。
心を決めた彼に、罪悪感は無かったと思う。
そうしなければ、母親は生きていけない。そうしなければ、妹は死んでしまう。
でもどうしても、そのシーンが頭から離れない。
チャイムを鳴らして家に上げてもらってから、ほんの数分ある会話。
「妹。かわいいよ。今度会ってよ」
と、言ったのは、油断させるためなのか、本心なのか。
機を伺ってソワソワする彼になにかを気づいて声をかける祖父。
瞬間。
瞬間だ。
心に決めていないと、絶対に出来ない。
そんなスピードで、一瞬で。
その一瞬の彼に、迷いなどない。
そのことが、その手の感触が、今後の彼の人生にどれだけのことを残すのだろうかと想像したら、涙が止まらなかった。
それでも母親を好きだと言う彼に、本当はどうしたら良かったのか、その答えを大人は持ち合わせていない。
17歳男子は、親の言うことなんてなにも聞いちゃいないし、親がやれと言ったことはだいたいやらない。
そんな世の中で、彼は、母親の言うことをすべて聞いて生きていた。
母親がすべてだった。
周平が、秋子に「え?」と聞き返すシーンがいくつかあるが、リアルそのものだ。
なんどか試みた小さな反抗を握りつぶされる度に、彼の自我が消えていく気がした。
そうするしかなかった、のだ。
そうするしかなかった、から、と言われても、受け入れられないあのシーンの衝撃。
反芻しては落ち込むのに、何度も反芻してしまうあのシーンに、観ることを後悔した映画でした。
(すごく良かったんだけど…ね…)
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