ジェイコブス・ラダーのレビュー・感想・評価
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程よい現代解釈
オリジナル版は10年程前に鑑賞したが、再鑑賞する余裕はなく、うろ覚えのまま本作へGO。
戦争による心的外傷後ストレス障害を題材とした物語はもちろん同じだが、ストーリーは前作とは似ているようでどこか違う形であった。前作はベトナム戦争真っ只中という時代背景であり、廃れた街と市民の描写も相まって哀愁漂う作品だったが、本作は現代が舞台のため、その様な世界観そのもので語りかけてくるような、引き込まれる様な魅力が薄いかと思う。だが、説教臭い説明節やらでトーンダウンすることなく、徐々に盛り上げていく構成はホラー作品としては次第点だろう。
本編はオリジナル版より短縮されており、それが影響してかテーマの割にはさらっと軽く進んでいく様に思える。だがこれが意外にもテンポよく進んでくれるのが良いポイントだ。このテーマであればもっと更にオリジナル版では語られていない深掘した緻密な物語を期待してしまうが、サイコスリラーに徹した物語もかなり注目したい。
きっと幻覚なんだろうな、という映像が続き、その幻覚がどう繋がって...
きっと幻覚なんだろうな、という映像が続き、その幻覚がどう繋がっていくのかと観ていた。でも幻覚の原因も特に斬新なこともなく、ラストもなんとなくあっけなかったかな。
PTSDと未承認ドラッグ
兄のアイザックが戦地で死亡という衝撃シーンが序盤にあり、もうすでに弟ジェイコブもトラウマになってしまったような雰囲気。退役軍人病院で働くも、何度も幻覚に襲われ、やがて兄の戦友ポール・ルティガーという男に「アイザックが生きている」と教えられる。ラダーとは梯子のことだが、地下鉄のさらに下にある空間まで降りる梯子とPTSD治療の薬“HDA”の別称というダブルミーニング。
兄を助け出して、家族の一員として人生の再スタートを切るが、PTSDはジェイコブの方が酷くなる。そして“HDA”に関する噂も色々と飛び交ってきて、同僚薬剤師のホフマンが怪しいと思い込むジェイコブ。そして・・・
どんでん返しの絶妙さ。同じく戦地に行ってるわけだから、PTSDは彼にもある。悪夢と現実の境も理解できなくなったり、天使と堕天使といった両局面をも見せてくれる。PTSDの治療薬などという薬も副反応が強すぎるという恐ろしさがあり、今のcovit-19のワクチンなんてのもその恐怖がありそうだ。
真の黒幕は誰!?
主人公、外科医のジェイコブが戦争で亡くなったと思っていた兄のアイザックが実は生きていると知ってから起こる不可解な出来事とその真相に迫るストーリー。
ミステリー要素のあるスリラー映画が好きなので期待して観に行ったけど、黒幕が誰かとか、実はこの人物が~等々、内容や展開は簡単にわかってしまうのでもっと捻りが欲しかったかも。
・・・と思いつつ、ある人が放った何気ない(!?)ひと言等々を思い返すと、いささか不可解な点が残らないでもないような?
自分がわかっていないだけで、実はもっと難解な映画なのかも(・・;)
まさにジェイコブのような状態になってます(笑)
またじっくり見直してみたい。
2020年6本目
HDA
原作未読、遥か昔に1990版は鑑賞済み
アフガン戦争で従軍医師を務め目の前で兄アイザックを亡くした、退役軍人病院で外科医師をしているジェイコブが幻視、幻聴に侵される話。
PTSDを抱えてカウンセリングを受ける主人公の症状が加速していく中で、死んだ筈の兄が見つかり、二人で幻視、幻聴にうなされながら何が現実で何が幻かわからなくなっていくストーリー。
前作は嫁と別れて彼女と同棲中の郵便局員だったけど、今回は医師だし嫁もいるしとかなり設定が変わっているし、ストーリーも殆ど違っていて似て非なる最早別物という感じ。
最後に全てがみえた時の衝撃は前作よりもこちらの方が好みだし、しっくり来たし、非常に面白かった。
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