キューブリックに魅せられた男

劇場公開日:

キューブリックに魅せられた男

解説

「バリー・リンドン」への出演をきっかけにスタンリー・キューブリック監督の専属アシスタントになった俳優レオン・ビターリにスポットを当てたドキュメンタリー。「2001年宇宙の旅」と「時計じかけのオレンジ」を見て衝撃を受け、キューブリック監督の信奉者となった若手英国俳優レオン・ビターリ。オーディションで役を勝ち取った「バリー・リンドン」への出演を経てキューブリックに絶対的な忠誠を誓った彼は、有望視されていた俳優業からスタッフ側に転身し、「シャイニング」からキューブリック組に参加する。早くも監督の信頼を得たレオンは個人的なアシスタントに取り立てられ、身の回りのありとあらゆる細かい用事や仕事を任されるように。24時間365日、無限とも思える雑事に追われるレオンは、次第に肉体的、精神的に追い詰められていく。その過酷な日々を、ライアン・オニール、R・リー・アーメイ、マシュー・モディーンらキューブリック監督作の出演者をはじめとする映画人たちの証言とともに描き出す。

2017年製作/94分/G/アメリカ
原題:Filmworker
配給:オープンセサミ
劇場公開日:2019年11月1日

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映画レビュー

3.5キューブリック監督の専属アシスタントになった男

2024年1月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

まず、キューブリック映画を観て、映画世界にこんなにもどっぷり浸かった男がいたとは!…という驚きと尊敬の念を抱く映画。

もともと俳優として活動していた男が映画『2001年宇宙の旅』や『時計じかけのオレンジ』を観て「この監督と仕事がしたい」と次作『バリー・リンドン』のオーディションを受けて出演することになるが、俳優としてよりもスタンリー・キューブリック監督の専属アシスタントとなって30年にわたってキューブリックのために身を粉にして働いた男=レオン・ヴィターリとキューブリックを描いたドキュメンタリー映画。

キューブリック監督作は(初期短編以外は)すべてスクリーン鑑賞しているので、『バリー・リンドン』も勿論スクリーン鑑賞して、本作公開時に話題となった「実際の室内ロウソクの炎を鮮明に捉えるカメラ」、整然とした兵士たち、当時の貴族の風景などなど印象的な映画だった。主演はライアン・オニールだったが、レオン・ヴィターリも出演。
この映画製作に関する関係者のインタビュー映像(先月亡くなったライアン・オニールも含む)と共に、レオン・ヴィターリ本人の発言も…。

更に、次回作『シャイニング』のダニー役オーディションにもレオンが行かなければ、あの少年にはならなかったかも知れない。
そして『フルメタル・ジャケット』もレオンがいなければ、あの罵詈雑言のハートマン軍曹は生まれなかった。
『アイズワイドシャット』でも……と記載したらキリがないほどキューブリック監督作に貢献した男の生きざまを垣間見られて良かった(^^)d

またキューブリック監督についても「へぇ~」と思わされるエピソードが楽しい。

初期短編以外の『恐怖と欲望』・『非情の罠』……の作品群を、また観たくなってしまった🤗

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たいちぃ

4.0えげつないものを観てしまった

2020年10月2日
PCから投稿

この映画を観るまで彼の存在を誰も知らないだろう。
キューブリック映画を支えてきた助監督の存在を。

またこの映画、構成が素晴らしくて、
ますレオンがスタンリーに憧れるところから描き、
その後、彼によって狂わされた人生、
最後には、レオンのような人間が何百万といるという事実を知ることになる。

エンドロールの大勢の人はレオンそのもの。
本当に衝撃的だった・・・。

こういう生き方をしてみたいな、でもこんな生き方してはいけないなと
舐めたことを思ってしまった。

というかレオンのような人は、もうそんな考え毛頭なくて、
キューブリックに出会ったときから衝動的に動いてるんだろうな。

エンドロールも秀逸でしたな…。
映画業界で働くすべての人に響くんじゃないでしょうか。

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JYARI

4.0【妥協を許さない完璧主義者スタンリー・キューブリック監督に魅入られ、スタンリーの死後も彼の作品を見守り続ける稀有な男の物語。】

2020年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

幸せ

ー「バリー・リンドン」への出演をきっかけにスタンリー・キューブリック監督の専属アシスタントになった若手英国俳優レオン・ビターリのスタンリー愛に溢れた壮絶な生き方を描いたドキュメンタリー作品。ー

 ・作中語られる、本人や彼の子供たちの証言が凄い。14-16時間労働の日々。ほぼ休みなし。
 1時期は体重が30キロにまで落ちたという。
 子供たちと接する時間も限られ、時には玄関マットの上で2時間だけ眠ることも・・。

 ・だが、それ以上にレオンのスタンリーを敬愛する姿に魅入られる。映画会社との交渉。子役の人選(「シャイニング」のあの双子や、ダニー・ロイドも・・)にも関わる。

 ・「アイズ・ワイド・シャット」では、役者として劇中で演技しながら、スタンリーの右腕として、裏方で働くレオン。

 ・スタンリーの死後もその死を悼みつつ過酷な日々を懐かしそうに語るレオンの姿。そして、今や彼は、スタンリーの作品維持、発展には(4K作品製作)欠かせない人物になっている・・。

<それにしても、スタンリー・キューブリック監督は神経質で完璧主義でその気難しさばかりが巷間では話されてきたが、今作と「スタンリーが愛した男」を観ると、実は彼が、強力な磁石のように人を引き付ける魅力的な人物であったことが良く分かる。
 そして、又、彼が映画製作に如何に命を懸けて取り組んでいたという事も。
 その姿を間近で観た、レオンが当然のごとく、スタンリーに引きつけられていったことが良く分かるドキュメンタリー作品である。>

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NOBU

3.0滅私奉公

2020年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

イギリスの俳優、ヴィターリは「バリー・リンドン」に出演、キューブリックの演出に心酔し、俳優を辞めてキューブリックの助手となる。
キャスティング、子役の世話、プリントチェックなど、映画作り全般のアシスタントを、1日24時間、1週間7日間、亡くなるまで徹底的に仕えた。
多分、神様に仕えていたんだろうなぁ。

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