キーパー ある兵士の奇跡

劇場公開日:

キーパー ある兵士の奇跡

解説

イギリスの国民的英雄となった元ナチス兵のサッカー選手バート・トラウトマンの実話を基に描いたヒューマンドラマ。1945年、イギリスの捕虜となったナチス兵トラウトマンは、収容所でサッカーをしていた折に地元チームの監督にスカウトされる。その後、名門サッカークラブのマンチェスター・シティFCにゴールキーパーとして入団するが、元ナチス兵という経歴から想像を絶する誹謗中傷を浴びせられてしまう。それでもトラウトマンはゴールを守り抜き、やがてイギリスの国民的英雄として敬愛されるように。そんな彼には、誰にも打ち明けられない、秘密の過去があった。主人公トラウトマンを「愛を読むひと」のデビッド・クロス、妻マーガレットを「サンシャイン 歌声が響く街」のフレイア・メーバーがそれぞれ演じた。

2018年製作/119分/G/イギリス・ドイツ合作
原題:The Keeper
配給:松竹
劇場公開日:2020年10月23日

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(C)2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann

映画レビュー

4.0不幸な時代を生きた人々の人生を丹念に掘り起こした1作

2020年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

元ナチスの兵士がイギリスで捕虜となり、収容所でサッカーに興じていたところをスカウトされ、プレミアリーグでスタープレイヤーになる。このまるで、ありそうでなさそうな実話を映画化した本作は、ナチスに対するイギリス国民の憎悪と偏見を好プレーによって跳ね返した主人公の、苦難の道程を詳かにすることで、人は与えられた運命に決して抗うことはできないことを描いている。同時に、戦争で犯した罪の重さは、長い時を経てもなお、振り払うことが困難であることも伝えている。それは、サッカー選手のドラマチックで感動的な半生に寄り添いながら、この物語に自戒の意味を込めたドイツ映画の懐の深さを思い知る瞬間だ。そして、これが戦争とスポーツを題材にした1級のエンターテインメントに仕上がっているところが凄いと思う。戦争を絶対に美化せず、不幸な時代を生きた人々の人生を丹念に繰り返し掘り起こすこと。それが映画に与えられた使命だと改めて痛感させられる作品である。

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共感した! 6件)
清藤秀人

4.0大衆の心を動かすスポーツの力を示した実話

2020年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

興奮

幸せ

劇映画でサッカーを描く際、キーパーは案外良いポジションであることを本作が証明した。現実の試合ではストライカーや攻撃を組み立てるミッドフィルダーが注目されるが、俳優が流れの中で妙技を再現するのは難しい。その点キーパー役ならある程度の特訓で、際どいシュートをジャンプして弾いたり、ドリブルや浮き球に体を張ったりと、断片的な好プレーをカット編集でテンポよく見せやすいからだ。

元ナチス兵が英プレミアリーグで活躍し国民的英雄になり、敵同士だった英独の平和の懸け橋に…という展開は感動的だが、大衆の心を動かすスポーツの力を如実に示した例でもある。古代ローマの闘技会以来、人間同士が闘う見世物は憂さ晴らしや現実逃避になる娯楽だった。観戦は闘争心に響き高揚をもたらすが、一種の代償行動として暴力衝動や憎悪の解消に役立つ。ただしそうしたスポーツの力は、権力者に悪用されもし、諸刃の剣であることを忘れるべきではない。

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共感した! 3件)
高森 郁哉

5.0彼の人となりが受け入れられた

2024年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

とても良い映画だった。ナチスドイツの元兵士がイギリスのサッカーチームで活躍するという、フィクションのような実話なところからして面白い。

終戦直後のイギリスにおいて、最初はナチスドイツの兵士という「属性」でしか見られていなかった主人公バート。しかしサッカーチームにおける活躍やその人となりが認められて、イギリス人と変わらない仲間として受け入れられていく。サッカーチームの勝利を祝う会で、チームメイトがバートへの餞別を送る姿はそれを象徴していた。ナチスドイツの元兵士だとか、外国人だとかそのような属性を全て無視して、バート本人を仲間として扱う姿に感動した。同じ目標を共有し、一丸となって何かの達成に向けて邁進する行為は、互いの人間性を知る上でとても有効なのが分かる。

バートは後に妻となるマーガレットと、サッカーもダンスも同じだという話をする。その後サッカーの試合で、彼はボールを使った軽快なダンスを披露してマーガレットを笑わせる。彼の人となりの善良さやユーモアが表現されていて、イギリスで受け入れられた理由が分かるシーンだ。

イギリスの有力なサッカーチームの選手となったバートが、元ナチスドイツの兵士だと分かると、世間からかなりの批判を受けることになる。第二次世界大戦を引き起こし、ユダヤ人の大量虐殺を行ったナチスドイツの兵士なのだから、かなりの批判を受けるのは分かる。しかし彼は一介の兵士であり、ただ命令されたことに忠実に動いていただけだろう。にもかかわらず彼を追い詰めるのはいかがなものかと思った。

バートに次々と降りかかる辛いことや、そんな彼を支える妻マーガレットの気持ちなど、とても感情移入しながら観ることができる映画だった。

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根岸 圭一

5.0ドイツの捕虜ゴールキーパーの実話。 サッカー観戦していると、ドイツ...

2024年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

難しい

ドイツの捕虜ゴールキーパーの実話。
サッカー観戦していると、ドイツのGKには壮絶なほどのタフさが時折見えますが、深く理解できました。

ご夫婦の状況が変わって、終盤の奥様のお言葉
"We move on, or we bury ourselves"
が、心に深く突き刺さり。
鑑賞後に数年経た今(2024/01)でも、ときどき思い出します。

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woodstock
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