劇場公開日 2019年12月13日

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家族を想うときのレビュー・感想・評価

全126件中、1~20件目を表示

5.0バラの花どころかパンも買えなくなった労働者

2020年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ケン・ローチは60年間、ずっと同じ問題意識で同じテーマを取り続けている作家だが、近年ますます彼の問題意識が社会の中で重要になってきているような気がする。
本作は前作『わたしは、ダニエル・ブレイク』の取材でフードバンクを訪れた時に、職があるのに食べ物に困っている人が多くいることに気が付き、本作を制作することにしたと言う。ケン・ローチはかつて「ブレッド&ローズ」という映画を作ったことがある。ロスのビル清掃人のデモを描いた作品だが、タイトルは、「生きるのに必要なパン(ブレッド)だけじゃない、人生を華やかにするバラの花(ローズ)も買えるだけの賃金が欲しいんだ」という意味のデモのスローガンから来ている。しかし、本作のきっかけになったフードバンクで、バラの花どころかパンを手に入れるのも困難な人々がいる現実に直面したわけだ。労働者階級にとって、社会は確実に悪くなっている。そんな理不尽な状況を引き起こす経済システムに対する怒りに満ちたパワフルな作品だ。

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杉本穂高

4.5原題の含意、問題への怒り

2019年12月29日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

原題の"Sorry We Missed You"は宅配業者の不在票の文言からとられていて、「あいにくご不在でした」といった意味。日本の事務的な不在票より人間味を感じさせるフレーズだが、宅配の文脈を離れるなら「あなたがいなくて残念」ともとれる。家族と一緒に過ごし幸せになりたい、しかしそんなささやかな夢のために働くことが逆に家族との時間を奪っていく…という、現代の労働環境をめぐる問題に翻弄される家族の思いも込められていると感じた。余談めくが、ピンクフロイドの名曲の題『Wish You Were Here(あなたがここにいてほしい)』と対になるようなフレーズでもある。

前作の「わたしは、ダニエル・ブレイク」もそうだが、ケン・ローチ監督は現代社会の構造的な問題に苦しめられる弱者を見つめ、彼らに寄り添い、静かな怒りを映画で表明する。堪らないラストが記憶に刻まれ、いつまでも感情を揺さぶり続ける。

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高森 郁哉

4.5ありったけの尊厳を込めて描かれた珠玉の家族ドラマ

2019年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ケン・ローチ映画では登場人物の誰もが幸せになりたいと願い、努力する。しかし、幸せは近づくどころか、遠のいているようにさえ思える。次第に笑顔も消えていく。これを「うまくやらなかった本人のせい」と片付けることもできるだろうが、ローチはそうはしない。システムそのものがおかしいのではないか、と社会全体に痛烈な疑問を投げかけるのだ。

本作で「フリーランス」が描かれるとき、フリーランスで働く私自身も他人事とは思えなかった。その存在は時に舐められ虐げられ、家族の絆も引き裂かれそうになる。それでもなお彼らが「善くありたい」と願い続ける姿を、ローチはありったけの尊厳を持って描く。我々がローチ作品に心を動かされるのもまさにこの部分だ。時にユーモアすら挟み込みながら深刻な物語を絶望させずに伝える。これほど厚い魂と筆致を兼ね備えた映画作りができるのは、世界広しといえどローチくらいしかいないと、そう強く思うのだ。

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牛津厚信

4.0愛すべき人物設定と、問題提起と、回答提示

2023年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ラストシーンで、こじらせていた長男の本心がはっきりと分かり、家族に必死で歩み寄ろうと努力をしてきた主人公にもその想いが届かないところが、作品を通じた本質のひとつ。(このテーマをそのまま表しているのが原題「Sorry We Missed You」なので、これは邦題に改めない方が良かったのでは。。)

家庭を持つ男にとって仕事というのは、ほとんど家庭のためにやってるつもりのものであるが、実際のところそれに打ち込めば打ち込むほど家族と距離が離れていくというのは、現実によくある姿。長男の心境はラストまで推しはかることができず、男と仕事と家庭の距離感については一定のメッセージ性があったと思う。

もうひとつ大きなテーマとして、貧困がある。
必死で働いていても大した保証もされず、個人事業主の特性を都合よく丸め込まれ、都合よく切り離される様は、現代社会に対する強烈な風刺になっていて、ダニエルブレイクに続いてこのテーマを過剰な演出なく、適切でリアルに描き出しているところに好感を持った。

貧困であっても幸福になることは可能だと思わせてくれる愛すべき人物設定がされており、そんな彼らでもギリギリ幸福になりきれない社会事情が描かれており、じゃあそれを訴えている作り手は何が正解だと思っているのかという回答が明示されている。

ケン・ローチの映画にはこの辺が揃ってる場合が多いのが、彼の最大の特徴というか、評価される所以なのかなと感じた。

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wutang

4.0宅配事業者の過酷な現実

2023年2月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

左翼を任じ、一貫して労働者階級や第3世界からの移民たちの日常生活をリアリズムに沿って描いている当時82歳のケン・ローチ監督の作品。原題の「Sorry We Missed You」とは「ご不在につき失礼」といった宅配事業者の不在届を意味している。
個人で会社として契約するのではなく、個人事業主として契約を結ぶ、社員に会社の車を運転させて配達させるのではなく、自分で車を持ってきた人と契約して、下請けのように仕事をさせる、この宅配事業者のシステムは搾取の構造をはらんでいるが、失業中の主人公のリッキーはその事実を見破ることができずにこの仕事で生活を立て直そうと考える。
食事も休憩もなしでトイレに行く暇がないほどの1日100個の配達ノルマ、日時指定されている荷物が配達できなかった場合や仕事を休んだ場合のペナルティー料金、車代、保険料、ガソリン代、駐車料は全部自分持ちなど実際に仕事に取り組んでみると厳しい労働条件が課される。結果的に罰金や弁償がどんどんかさみ、まじめに働けば働くほど負債が増えていくという悪夢のような循環に陥ってしまうリッキー。ケン・ローチ監督はそうした現実を見つめ、誠実で真面目な労働者階級の人々がじわじわと滅びゆく姿をリアルに描き出す。
実際は通販業者が負担しているにしろ、送料無料を当然として通販を利用していることに問題意識が芽生えた。せめて再配達はさせないように注意したい。

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ミカエル

4.0うーん

2022年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

自分が自営業になって、家族みんなで頑張ろうと思いながらも、どんどん迷惑をかけて。出口の見えない焦りに、さらに状況は悪化し。ところどころ、ホッとするところもあるのだが。

いろいろな意味で、ワタクシ的には4.0です。ただ、さすがに終わり方は唐突すぎるかも。違う余韻の残し方はないのだろうか。

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にこにこどり

4.0タイトルなし

2022年2月20日
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鑑賞方法:VOD

現実。個人事業主だと?
ふざけるな、どうしてこんな世の中になってしまったのか。誰のための制度なのか。
ドキュメンタリーのような映画。

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hato

4.5不在だけが存在する世界で。

2021年12月3日
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悲しい

知的

ケン・ローチというだけで、忘れられない名シーンがよみがえってくるが、そこにまた一つ、という感じ。
不条理と言ってしまえば、全てが片付きそうな陳腐さがあるが、現実の辛苦には十分な理由があって、家族のためにブラックにはまりこんでいく様は、日本でもリーマン根性で多くのモノを失ってきたが、新たな時代にアッフデートされて提示された形。
そういう意味では、邦題の家族を想うとき、も家族を養うという中での相克みたいな話に作品を貶めてる所は残念。
原題の不在通知に象徴されるような、不在のやり取りに現代の新たな没交渉のブラックさを投影している点は、一段と深いえぐり具合を感じた。でもまぁ、それを見事なまでに表現した、とはならなかったけれど。

雇用(責任)者の不在、労働者の不在、でマニュアルとルールだけがあり、履行と罰金、弁済だけがある仕事に主人公は存在する。
親の不在、教師の不在、隣人の不在やらが更に家族を追いつめ、助け手の存在も出会うことなく、生活者(としての向上)における指標だけに左右される毎日。
社会が悪い、会社が悪い、とだけ言いたいわけではないだろう。ソレを構成して発展させているのは他ならぬ主人公であり、その辛苦が一過性、時限的であるかのような自己暗示で毎日を通過していくのだ。
今や資本主義は、持てるものが更に集める事を是認して多くを分配するか、持たざる者を持てるようにするか、そんな二元論も混沌化するほど、道を失っている。人をなんだと思っているのか?!と言うほど、辛い思いの所にいる人はそのシステムから離脱する勇気を持ってほしい。
家族を幸せにしたいという自己欺瞞は、不条理でもなんでもなく、今それが存在しているのか、という話。将来、未来の話ではなく、今、幸せか、しかないんだという事。今、幸せが存在しているか、不在通知がそれを知らせるのかもしれない。
ケン・ローチといえば、という映画だが、これもまたサッカーネタが出てきて、その部分だけは羨望のやり取り。いつか日本でも配達人と推しクラブで言い合いたいもの。家族に幸あれ。

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ytoshik

5.0残念ですがご不在でした

2021年6月26日
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格差社会と家族愛について描かれた映画かと思います。

働けど働けどなお、わがくらし楽にならざり。
まさにその通りの映画です。

根本ではとても家族思いの家族4人ですが、働きすぎてコミュケーションがとれず、段々と不仲になっていく。

観てて、すごく心が痛む場面やスッキリして涙が出ちゃうような場面もありますが、ラストシーンは観る人に色々な感情を抱かせるでしょう。

どうやら、元ネタで実話があるようなのですが、
元ネタも配達員で働かれてて、糖尿病になったそうですが、休んじゃうと罰金になるので、まともに治療もうけず亡くなっちゃったそうですね。

また原題も「Sorry we missed you 」というのですが
これは「残念ですがご不在でした」という意味らしいです。

家族愛もテーマのひとつかと思いますが、ちょっと邦題は違うかなぁと思いました。

オススメしたい映画のひとつが増えましたね。

役者さんたちもあまりご経験が少ない方々らしいですが、めちゃくちゃハマってます。
疲れた顔したお父さんもハマってますが、優しいお母さんも完璧な演技だったと思います。

本当、オススメ映画です。

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Francice

4.0最悪な状況からの脱却

2021年6月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この状況からいかにして脱却できるのだろうか。
まだ家族が想ってくれるうちは、
その命は断たないでほしい。

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上みちる

4.0八方塞がり

2021年5月30日
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ズドーンと重たい気持ちになりました。一生懸命生きてるのに、どうにもならない閉塞感。辛いです。

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poke143

4.0めちゃめちゃ良い映画

2021年5月28日
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メンタルが調子良い時に観た方が良い。どしーんとくる重たい映画。最後どうなっちゃうんだろうとモヤモヤ状態のままエンドロールが流れた。

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@Jankichi@

4.5だらかが寄り添ってくれることで・・・

2021年5月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

難しい

重く苦しい内容の物語です。
でもそれは特別な家族の物語ではなく、
もしかしたら、すぐ近くにある家族の物語かもしれません。
もしかしたら、自分の家族の物語かもしれません。
思うようにいかない、何をしてもうまくいかない
そんな時に、そばにいる人、それは家族、友人など
誰かが寄り添ってくれることで少しは救われるはずです。
ラストシーンはあまりにも衝撃で、
心が揺さぶられたままです。

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tom

4.5夫は宅配便の配達員、妻は介護ヘルパーで忙しく働いている。 長男はそ...

2021年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

夫は宅配便の配達員、妻は介護ヘルパーで忙しく働いている。
長男はそんな親を見て虚しく思い、社会に怒りを抱いており、父親とよく衝突する。
いい子の娘はそんな家族のことが心配でストレスが溜まっている。
こんな一生懸命生きている家族に、試練が次々と起こる。
ラストはぶっきらぼうかもしれないが、この家族だったら大丈夫かも、と思わせてくれる。

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いやよセブン

3.5せつない

2021年5月23日
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ケンローチの問題提起。
毎作品辛いけれど現実を描いており、見る価値あり。

理不尽な内容はこの世の中に沢山あるけれど、映像で見ると改めて居た堪れない。

それでもケンローチ作品はすき。

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ken

1.5みんなが不平不満だらけ。こんな家族なら崩壊するわ

2021年4月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

そりゃあ、こんな家庭なら崩壊するわ。
父親は初っ端から配達の仕事にクソクソ!と、毒ばかり吐く。
母親の演技も一本調子で、ホントにプロの女優か??この母親の口癖も年寄りに『お願いだから、〜〜して〜』ばっかり。

全世界的に辛い世の中を、夫婦で笑い飛ばすとか、ギャグに変えて家族に『いやあ、今日は参ったぜぇー!』とか言いながら晩酌するとか、映画という枠組みに入れるならその辺を工夫して作って欲しい。

子供たちが可哀相‥しかないよ。

もう、いつまでたっても登場人物が不平不満ばかりだから、途中で観るの疲れてきて辞めました。

師走の映画館。最後の一本はこれで!って思ってたけど都合つかなくて観れなかった。
観に行かなくてほんまに良かったわ。

老監督の作品でも、イーストウッドなんかは今だに衰えずバリバリの現役なんだけどね。

残念ながらヨーロッパの監督にありがちやなあ〜。

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ゆっきー

4.5責任なき世界

2020年9月26日
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鑑賞方法:VOD

知的

最近良く耳にする『ギグエコノミー』のシステムの本質が、今作を鑑賞して良く理解できました。単純に企業が社会的責任を負わず、個人に全ての責任やリスクを負わせる働き方なんですね。

Amazon、Uber、セブンイレブン、便利です。コロナが流行していると、特にそう思います。しかし、この便利さが安価で提供されるのは『何か』がおかしいのではないか?その『何か』を今作は分かりやすくリッキー一家で表現しているのだと思います。

労働で疲れている人が増えれば、事故や病気、暴力が増えます。賃金が少ない人が増えれば、娯楽が減ります。食べる物がなくなれば、泥棒や犯罪が増えます。この様な人達が増えれば、安全にお金がかかり、医療費が上がり、映画館やレストランが潰れます。自分自身も失業や貧困とは無縁でいられません。つまり新自由主義は、倫理的に考えても経済的に考えても99%の人にとっては、非常にリスキーなシステムではないでしょうか。

労働者の象徴であるリッキー一家の結末は、一体どうなるのか。この状態でまともに子供達を育て上げて老後を安心して過ごせるのか。新自由主義社会の答えはもう既に出ていると思います。自己責任?馬鹿言うなと言いたいです。

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ミカ

4.5こういう話の場合、大抵最後に好転して終わるものだけど、この作品の場...

2020年9月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

こういう話の場合、大抵最後に好転して終わるものだけど、この作品の場合良くも悪くもならない。漕ぎ続けなければ沈んでしまう船の如く。同じ監督の「私はダニエルブレイク」ではそれでもどこかしら希望のかけらが見出せるような終わり方だったけど、こっちはリアルの追求。より切迫した問題提起の形になっていると感じた。

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原っぱ

5.0わたしはダニエルブレイクと合わせて見るべき1本

2020年9月20日
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イギリス行ったことないけどなんとなくイギリスのリアルな空気感を味わえる。

あとは人間のアンコトロールというか抑えられない溢れ出てくる感情を表現するのがとても上手な監督だと思います。

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konthefunk

2.0「わたしは…」には及ばずだが、ありがとう、ケン・ローチ監督!

2020年9月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

私の映画人生の中では
「わたしは、ダニエル・ブレイク」
は大変な名作で、大いなる期待の中で、
ケン・ローチ監督のこの次回作を観た。

しかし、「わたしは…」に続くテーマ自体の
社会的価値は別にして、
映画自体の出来は残念ながら
「わたしは…」のレベルに及んでいない
ように思えた。

原因はこの家族にもたらされる困難が
家族自体に起因する要素のウエイトが
高過ぎたり、突発的事件を絡め過ぎ、
社会的観点性が薄まってしまったため
と思う。

例えば、長男の暴力事件で
警察官からのせっかくの貴重な諭(さとし)
にも係わらず、
彼がまだ親に反抗するのは、
実は妹が家族の時間を得ようと
車の鍵を隠したエピソードを作るため
のように思えてしまうし、
主人公が仕事中に強奪犯に襲われるシーンは、
都合良くストーリーを繋ぐためと見えてしまい不自然だ。

また、ラストシーンでの骨折しているかも
知れない中で仕事に向かおうとする主人公、
問題提起にとどめを刺そうとする
ためだろうが、
やはりそれもリアリティを欠いてしまった。

逆に「わたしは…」のような、
主人公が蒔いたヒューマンな種を
感じられたように、
例えば主人公の妻からの怒りの電話を受けた
宅配の責任者が、
主人公家族に理解と救いの連絡をしてくる
などのシーンが欲しかった。
彼もある意味、非人間的システムの被害者
な訳で、
その彼が最後まで効率論だけの人間のまま
全く変わらないのでは
数多く登場する意味が薄くなって
しまわないだろうか?

結果、
社会構造の矛盾に対抗出来るのは
家族の絆
だけしか無いような展開は
「ダニエル…」からは後退してしまった
ようなイメージだ。

子供達の将来に希望の伏線は設けたものの、
「わたしは…」で感じられた社会的な希望
には繋がらず、
ストーリーのリアリティ不足からも
感動が薄くなってしまった。

この作品では社会への怒りが
少し空回りしてしまったような
ケン・ローチ監督だが、
「わたしは…」を体験出来ただけでも
私の映画人生の記憶の中に
名監督として刻むことが出来た。

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KENZO一級建築士事務所