劇場公開日 2019年6月7日

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「ウー版『戦争と平和』…?」The Crossing ザ・クロッシング Part I 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ウー版『戦争と平和』…?

2019年10月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

寝られる

最近不調なアジアの雄、ジョン・ウー。
そのウーが手掛けた、『レッドクリフ』以来となる2部作の巨編。
チャン・ツィイー、金城武、長澤まさみ他日中韓の人気俳優共演。
スケールも製作費も話題性もたっぷりで、ウー久々の快作!

…ムムム?
何故に5年を経て日本上陸…?
劇場公開時全く話題にもならず、ウーの大作なのに存在すら知らない人も多いのでは…?
実際、中国では大コケ&大酷評。
見終わって思えば、この様々な負の暗示がまさにそうであった。

国民党将校と美しき令嬢。
純朴な兵士と貧しい従軍看護師。
台湾人医学生と日本人女学生。
戦争や時代に翻弄される3組の男女の愛や運命を描いた、ウー版『戦争と平和』『人間の条件』とでも言うべき大河ロマン。

悪くはなさそうに思えるが、それぞれのエピソードが平凡で退屈。
日本人としては金城&長澤のカップルに唯一惹き付けられるが、ダラダラと、一向に愛も物語も盛り上がらない。
つくづく、この監督にはドラマチックな愛の物語は不向き。

そう、ウーと言ったら、アクション!
冒頭やクライマックスの戦場シーンは、大量の爆薬を用いて拘った本物の爆破、リアルさや生々しさを追求し、さすがの迫力。戦争の恐ろしさや愚かさを訴える。
戦争スペクタクルの醍醐味はあるが、しかし残念ながらウーのアクション美学は感じられなかった。

2時間これだけやっておいて、実は壮大な前降りに過ぎない。
後編が原題にもなっているメインで、某映画のような中国で実際に起きた海難事故。
こちらには期待…してもいいのかな?

近大