アンダー・ユア・ベッドのレビュー・感想・評価
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もう一度名前を呼ばれたい
ただストーカーのいき過ぎたものを
高良健吾さんが演じるのかくらいに思って見たのがそんな単純なものではなかった‥
過去の記憶と現実と妄想と行き来するけど分かりにくくなく、いきすぎてる行為や思考がたくさんあるけど違和感を感じない。
原作は読んでないけど終わったら小説を読み終えたみたいな感覚になりました。
でもやっぱり高良健吾さんはかっこよすぎた‥。
演出・映像が表層的だが着想はいい
エンドロールを最後まで見て女性監督だったのがちょっと意外だった。
それは男の「性的妄想」をよく表現できていると思っていたから。
主役キャスト高良健吾こそが本作品成立の要となったのは否定できない事実。
仮にあまり名の通らない俳優、いや「押しの弱い」並みの俳優でもダメだっただろう。
イケメンでありながら内在する狂気性を表現できる高良のほぼ一人舞台でしたね。
そしてヒロインの体当たり演技も重要なパートを占めていた。
日本での映像作品ではもはや「ヘアー問題」はないということなのかわからないが、そうならクリエイターの足かせもずいぶん減ることだろう。
やってまえ!!!と声に出してた
下記ネタバレ有りです。
まず、暴力表現がまあまあきついので、観てみようかなと思っているかたは、少し覚悟が必要だと思います。私は千尋が暴力を受けている間、あまりにも痛そうで心が折れかけました。千尋を演じた女優さん(西川可奈子さん)の演技力が良いのもありますが、観ていて本当に辛かったです。
内容は、30歳を迎える主人公三井(高良健吾さん)が、学生時代に初めて名前を呼んでくれた千尋に執着し、興信所に頼んで場所を特定してもらい(そんなことできるの?)、久しぶりにひと目見ようと会いに行ったら、そこにはクソ最低外道DV夫のせいで変わり果てた千尋がいて…というストーカーラブサスペンスでした。
これだけ聞くとストーカーをする三井が、気持ち悪くて最低な男のようですが、ストーカーを超えてくるクソ最低外道DV夫がいるので、まるで三井がヒーローのように見えてきます。
盗聴、盗撮、住居侵入、ストーカー行為の役満ですが、クソ最低外道DV夫のおかげで、一旦気にならなくなります。
愛のためなら何をしてもいいわけではないですし、顔がかっこいいからストーカーしても良いわけでもないですし、正当化できる行為ではないのですが、三井にはただひたすら千尋を想う気持ちがあるので、私としては応援したくなりました。
クソ最低外道DV夫が映るたびに、頼む!!そのまま!!そのまま殴れ!!!!ころせ!、!!と拳を突き出し応援していました。きっとみんな思う。
時々入る三井のモノローグや、千尋のモノローグが好きでした。千尋が三井(三井からだとは知らない)お花楽しみにしてたの嬉しかったなあ。
後、お風呂のシーンも三井の優しさといじらしさを感じられて好きです。ほんっとーーーにあんな状態の千尋をお風呂に置き去りにしたクソ最低外道DV夫には、マジで寝ている口に脱脂綿つめこんだあげく、上からスライム流し込んでやれ。
そして映画なので仕方ないのですが、なぜこの手の映画って扉を開ける前に誰なのか確認しないのでしょうね?
三井の過去や、クソ最低外道DV夫のたまにいう匂わせ台詞、千尋の最後の表情、すごく引き込まれた作品でした。
正しくはないけど、間違ってなかったと三井に言いたいです。
この後千尋と三井がどうなるか、それはわかりませんが、二人でグッピーを見に行けたらいいなと思いました。
今日からベットの下がちょっと怖い
”日活ロマンポルノへのオマージュ”ではないんだろうけど
キラキラと輝いている学生時代も、いかにもDV男を惹き付けそうな佇まいを見せる10年後もリアリティを持って演じられた西川可奈子さんが素晴らしい。時の経過の残酷すら実感させる出来栄えでした。
映画自体は、短い上映時間やたびたび挟まれるエロ、無理やり醸し出される作家性などから”日活ロマンポルノ”のようだと感じました。
既視感
邦画はあまり観ないけど引き込まれる内容でした。
多分脚本家の方は新海誠を意識していると思います。
詩的なモノローグの連続で確信。
その「詩的」も新海誠ぽくしたいと伝わってはきますがどうにも安っぽくてセンスは感じることはできなかった。
歪ながら崩れていく己の正義感、救われるラスト
アマゾン曰く「R-18+版」で鑑賞。たまたまアマゾンでレンタルした『よこがお』に続いて観たが、まさか新文芸坐でこの興行をしていたらしい。ラッキー。ってことでここから本題。少しネタバレ気味になるかも。
率直な感想として、この痛みを良く乗り切ってくれたというのが大きい。R-18+なのである程度の覚悟はしていたが、ほぼ拷問みたいなシーンばかりで容赦がない。西川可奈子のフルヌードにはアザが痛々しく入り、もはや人間の狂気とは思えないほどの描写が続く。そこに入り込む三井も歪んでいるはずなのに、何故か不思議と善人に見えてしまう。そしてそれだけの説得力で救ってくれたのはこの上ない余韻へと繋がる。序盤から不穏で気味悪い世界に支配され、その痛みを耐え抜いただけの光明があって良かったと思う。
また、三井を演じる高良健吾も圧巻。彼はあくまで名前を呼ばれただけの人…それなのに彼女に依存するという役どころ。落ち着いた声で入る回想は一層彼の孤独を引き立たせる。その中で見つけた、僅かな光を手繰り寄せていく。常軌を逸した行為を何度も正当化しながら近づく様は猟奇的であり、歪なヒーロー像を打ち立てる。2人の奇妙なダンスを観ているような心模様は何故だろう、優しくみえる。
そんな世界を作り上げた安里麻里監督だが、原作があるとはいえ、このビジュアルを描けてしまう才能と異端ぶりにただ驚く。ドラマ「ただ離婚してないだけ」もそうなのだが、画以上に人の壊れていく感情の様を描くのが上手い。説得力が付随するので引き込まれてしまう。そうした阿吽があってこその作品なのだとつくづく思った。
最後まで緊張の糸を巡らせながら、その世界の行方をくらます脚本。そして開かれた新しき世界。結構ドシッとくるものがあった。ドラマも最終回目前、こちらもますます楽しみになった。
西川可奈子の顔が大好き
個人的には合わない作品だった。
夫婦間のDVや、レイプまがいの行為は演技でも不快。
しかし社会的承認が無いまま成長し、誰も自分に関心を持つ人がいない事の辛さは、共感こそ無いものの何とも言えない不安さだろうと想像する。
高良健吾の演技は素晴らしかったけど、映画よりDVD鑑賞で良いかな?
西川可奈子は演技も良いけど、とにかく顔が大好き!
鬼畜サイコ旦那のチ○ボーを噛みちぎれ!
鬼畜サイコ旦那のチ○ボーを噛みちぎってやればいいやん!と何度も思った。
なんでやらないのか。それがDV男(こんな言葉で軽く言いたくない。サイコ野郎だ。)を懲りずに選んでしまう女性の性なのか。理解ができない。
影薄男の大学時代の唯一の思い出の後半が妄想だったと言う夢オチのようなオチ。
そうだよね、あんな凄い経験を2人でしたらその後付き合いなく10年経っていたって顔見て、面と向かって話して気づかない訳ないものね。
最後に勇気出せて良かったね。
でも、遅いよ。
しかも何も殺すことはない。
あんなサイコ男の為にムショ暮らしなんて
する事はない。
正当防衛にまではならないにしても情状酌量で
多少の減刑はされるのだろうか。
盗聴、盗撮やら不法侵入、ストーカー行為
だけなら彼女が黙ってたらパクられもしないし、自首したところで彼女が処罰を求めなければ起訴さえされないかもしれない。
サイコ旦那をやってしまったのだけは余計だった。30なら出て来てもやり直せる。彼女が待っていてくれるのなら。と言うか彼女にそんな感情はあるのだろうか。
彼のするべき事は名を名乗り思い出してもらえなくても旦那が仕事に行っている間に彼女と赤ん坊をシェルターに避難させる事だったんだ。それで済んだ。
盗撮した写真やマネキンなんかで妄想でこいてる暇があったら。
思いの外良かった
ただのエロい映画かと思ったらちゃんとした内容で予想外(笑)良い意味で期待外れ(笑)
女の人が「私は絶対許さない」の人でやっぱり暴力的な事を受ける演技はとても上手だなぁと.....
みんな幸せにならないバッドエンドだったけど内容もちゃんとしてたし面白かった
原作より映画の方がいいのでは
原作をチラ見したら、映画より登場人物が深堀されていた。でも、DVする理由やら、ストーカー行為の理由やら、それは説明しても納得を得られるはずもないし、ダラダラ語られるより映像でぱしっと示した方が私はいいかなと思った。
特に、オチは絶対映画の方がいい。原作は夫を殺したあと千尋と三井が一緒にコーヒーを飲んだり、「僕、三井です……覚えてますか?」と言ってしまったりするので、いやそれは無いだろと思う。そんな行動力あったら初めに家特定した時に名乗ってるわい。
やってることはかなりキモイ三井くん。でも目がキラキラしすぎてて、30歳まで独りでいたやばい人だと言うのを忘れそう。それほど、千尋さんへの恋は素敵なものだったんだね……。
興信所はそんな簡単に個人情報を出してしまうのか、三井くんはそんな簡単に店を出してしかも生活成り立つのか、夫が妻の居場所特定するのが早すぎて超能力でもあんのか、と色々ハテナは浮かぶけど、とにかく、オチがいいと思った。
あと、三井が「千尋が欲しいか?……それは、答えられない。人を幸せにする方法が分からないからだ」と心でぶつくさ言うところが、この人は認識される人生であれば、きっと優しいとか言われて幸せだったのになーと思えるところだった。異常者かもしれないけど、三井は水嶋とも濱崎健太郎とも決定的に違う心を持っているのが分かる。とにかく、高良健吾さんって綺麗な顔ですね。
この映画見てからしばらくは、健全なラブソングが全て三井くんのアブナイ心境に聞こえます(笑)いや、三井くんだって、ボタンがかけ違えなければ、普通の恋する男のはず……。
【存在感無き男の、哀しくも深い”無償の愛”を描いた作品。】
<Caution! 以下、内容に触れています。>
・三井は、11年前の大学生時代に、只一人、自分の存在に気付いてくれた千尋の”匂い”を、もう一度だけ嗅ぎたくて、ベッドの下で息を潜めていたのだろう。
決して、江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」や「人間椅子」で描かれた、倒錯した欲望故の所業ではなかったと思いたい。
・だが、愚かしき千尋のドメスティック・バイオレンス夫の所業に気付き、その思いは、”千尋を守る!”という思いに変容していったのであろう。
- 綺麗ごとを言うつもりはないが、愛した女性に手を挙げるような男は、生きる価値無しであると思う。そのシーンを見るのも嫌だが、2回目だったので我慢して鑑賞。ー
・その様を、三井を演じる高良健吾が、自身の淡々とした効果的なモノローグと、そして抑制した演技で魅せる。
・アロワナを飼育していた男の行った所業と、三井の行った所業では、動機が決定的に違う部分も、さりげなく描かれている所も良い。
<ラスト、三井が警官に自らの所業を自白しているシーンで、全てを思い出した千尋が、”三井君!”と名前を呼ぶシーン。振り返った三井の顔・・。
・・少し、涙が出た・・。>
<2019年10月19日 出張先の長野相生座/ロキシー座にて鑑賞 鑑賞記録なし>
<2021年2月2日 別媒体にて再鑑賞>
これはただのホラーではない
考えて見てほしい。
もしあなたの眠るベッドの下に、何者かが息を潜めていたとしたら…。
都市伝説にもありそうなこの設定から物語は始まる。
静かに、ただ静かに、好きな人を見守りたいと思う気持ちが常軌を逸していく主人公。
相手は、たった一度コーヒーを一緒に飲んだだけの関係。
恋人でもなく友達ですらない。
でも、そのコーヒーを飲み話をすることが主人公にとってはどれだけうれしく幸せな時間だったことは想像にかたくない。
相手は結婚して子供もいるが旦那からの酷いDVでぼろぼろにされている。
助けたいのか?自分のものにしたいのか?
相手を思うということがどういうことなのか、
考えさせられる。
すきな相手のベッドの下に潜む主人公は、常軌を逸しているけれど、
誰かからもわからない花を待ち望む彼女もまた、少し道を外れている。
名を名乗るわけでもなく、ただそばにいたいと思う気持ち。
ベッドの下から届くはずのない手を伸ばす主人公が切ない。
どんなに彼女を思っても、DV旦那のように彼女に触れることはできない。
できなくても彼女を思う。それはエゴなのか。
最後に名前を呼ばれ、存在を認められた彼はこれからどう生きていくのか。
彼女との関係が、恋人でないにしろ残ってほしいと願った。
不幸を追う女
西川可奈子の激演を評す。
DVとストーカーを呼び寄せる女、予めの社会への媚び諂いが変な社交性に裏返り直ぐ暗部を見透かされる女、不幸を追う女。
そのリアルが新味。
墜ちる螺旋から終生這い出せずやがて子への虐待を介して不幸は伝承されるやに。
何と暗い。
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