劇場公開日 2019年11月15日

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「ストーリーは悪くないのですが…」オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ストーリーは悪くないのですが…

2019年11月17日
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鑑賞方法:映画館

単純

予告編で役所広司さん主演の雪山アクションという感じの触れ込みだったので、多少の興味をもって鑑賞してきました。冒頭からの救助シーンで、緊迫感やスケールの大きさを感じたものの、一見してそれとわかるようなVFXには本当に興ざめでした。というか、「これはやってしまったか!」という後悔の念まで湧いてきました。

しかし、ストーリーはテンポよく進み、常に緊張感を持続していたので、序盤に感じた不安はやや持ち直してきました。機密書類の持ち帰りというメインストーリーと並行して、ジアンやシャオタイズの過去を絡めたサブストーリーもなかなかよかったです。序盤からなんとなく展開が予想できたり、終盤でのご都合主義に少々しらけたりしたが、脚本はそれほど悪くないと感じました。予備知識なしで鑑賞したので、ストーリー自体は十分に楽しむことができました。

キャストでは、役所広司さんの年齢を感じさせない熱演はもちろん、中国人女優(名前知りません、ごめんなさい)の体当たりの演技もよかったです。脇を固める救助チームメンバーも敵役も、よく知らない人ばかりでしたが、それぞれの役にうまくハマっていたと思います。

それでも、冒頭で感じた映像のガッカリ感が、その後も繰り返され、最後まで足を引っ張ってしまったのは残念です。現地ロケをしたと思えるシーンは、エベレストの壮大さや雪山と青空のコントラストの美しさ等が感じられて、とてもよかったです。それとは対照的に、セットやVFXと思われるシーンは、明らかにチープに感じてしまいました。この映像の落差があまりに大きく、最後まで気になってしかたなかったです。エベレストを舞台としている以上、その大自然の美しさと脅威がスクリーンから伝わってこないのは致命的だと感じました。

おじゃる