エリザベス∞エクスペリメント

劇場公開日:

エリザベス∞エクスペリメント

解説

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のアビー・リーが美しく完璧なクローン人間を演じ、生存欲求を持ったクローンの運命を描いたSFスリラー。ノーベル賞を受賞した天才生物学者ヘンリーは、一目ぼれした女性エリザベスと結婚し、郊外の屋敷へ迎え入れる。完璧な美貌と肉体を備えたエリザベスは、ヘンリーとの甘く濃密な新婚生活を楽しんでいた。そんなある日、彼女は夫から入ることを禁じられている部屋のドアを開けてしまう。そこには、エリザベスと全く同じ姿をした人間が裸のまま管に繋がれた状態で保管されていた。使用人オリバーによると、エリザベスは5番目のクローンなのだという。己の欲望を満たすため常に若く美しい“エリザベス”を創り続けるヘンリーの計画を知った彼女は、オリバーのもとを逃げ出そうとするが……。共演に「裏切りのサーカス」のキアラン・ハインズ、「スパイキッズ」「カリフォルニア・ダウン」のカーラ・グギーノ。ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2019」上映作品。

2018年製作/109分/アメリカ
原題:Elizabeth Harvest
配給:アットエンタテインメント
劇場公開日:2019年1月11日

スタッフ・キャスト

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(C)2018 RELIANCE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS 12 LIMITED

映画レビュー

5.0見ごたえのあるSF

2024年3月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

SFというカテゴリにこの作品は入るのだろうかと思うほど、発表されていない科学実験は数多くあるように思う。
クローン技術は明治以前の技術ではないかと思うほど、最近のSNSなどで様々な客観的証拠があげられ、そのピースをはめていくとクローン技術ははるか昔の技術かもしれないと考えてしまう。これは今のところ陰謀論に過ぎないが…
さて、この作品の最後にエリザベスが家を出ていくシーンと、彼女に植え込まれたパターン化された思考回路とそれを無視するように歩く彼女が、自分自身の行動に満足を覚えほほ笑むカットがある。
これは自分の、つまり教育された思い込みとルールから自分自身を変えていく行為であり、誰もができるそのことをあえて取り組んでいる人は、実際にはごくごく少数だと思う。
しかしこれこそが自分の自由意志で行動することであるというのを教えられたように思う。
この作品のテーマがこの「欠如」にあるように思う。登場人物すべてが心的な欠如が動機となっている。
エリザベスに1日一人で過ごさせる試験がある。言いつけを守れるかどうかだ。身体的問題がクリアされ、本物のエリザベスに期待するのは、ヘンリーの言うことを絶対守る女性である必要があった。彼にとっての絶対要件だ。
そしてこのエリザベスが一人で過ごす時間が非常に興味深い。
巨大な屋敷とプール、宝石やドレスや酒類… どれも豪華で普段欲しいと思うものばかりだが、映像ではそれがむなしいものに感じてしまう。
そのむなしさは、ヘンリーがつぶやいた「あの時の歓喜をもう一度味わいたい」という言葉と対比する。
ヘンリーは、失ってしまった歓喜のために、クローンを作り続けていた。
彼が求めたこの喜びこそ人間が求める唯一のもので、そのために様々な出来事や物品によって喜びという感覚を得たいのが、人間の本当の本質だろう。
エリザベスに欠けているのは、喜びを知らない、またはインプットされていないということだ。
そしてそれを本物のエリザベスを作るというたった一つのことでなければ実現しないものと決め込んで実験し続けるヘンリーは、エリザベスの本質である喜びを演出してやれないという、本物のエリザベスを作る上でなくてはならない最大の欠如があったと、私は思った。
それが彼が徐々に異常化した根源だろう。完璧でなければダメなのだ。
ストーリーもこれらの点がうまく描かれ、人間の本質に迫っている。当然プロットもいい。
盲目のオリバーが求めていたのが、自分は誰だということだった。彼はクレアが毎日日記を書いていることを知っていたが、それを読むことはできない。
エリザベスに言い当てられて動揺した。「…幼いエリザベスの体中にキスしていた…」これは、オリバー自身の欲求であり、ヘンリーの遺伝子で作られた自分自身に葛藤し続けていたのだ。
クレアが元科学者で、ヘンリーの実験の協力をしていたという、彼女の日記を使って表現しているのもいいアイデアだ。
ある日クレアは、休み明け屋敷に戻るとそこにいたのがエリザベスだったことに激しく動揺する。それは、彼女によってヘンリーが殺されたことを意味していた。そして心不全まで起こすのだ。彼女が救急車で病院へ行った後、恐ろしい出来事がいくつも発生する。
やがて、誰もいなくなった屋敷に戻ってきたクレア。
ヘンリーからエリザベスによって、そして今度はクレアにバトンが渡された。
クレアは何不自由のないあの屋敷でいったい何をして時間をつぶすのだろう?
最後にSF特有の終わり方をしている点もよかった。

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R41

2.0ちょっと頭が痛くなる

2021年10月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

近未来のSFstory ?
クローンを扱ったもの
最初はおもしろく観られたけど
途中からは気分が悪くなって
頭が痛くなってきた
あまり考えたくないなぁ~

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しろくろぱんだ

3.0近未来的な設定なのにファッションは70年代

2019年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 70年代のフランス映画から飛び出してきたかのようなアビー・リー演ずるエリザベス。醜いものから逃げ出すために一目惚れの男と結婚などと、あざといドライブシーンでクローン人間を演ずるSFスリラー。

 「この部屋(ハーベスト・ルーム)だけは開けるなよ」ときつく言いつけられていたのに開けてしまうエリザベス。そこで見つけたのは自分とそっくりの女が培養液の中で育てられている姿だった。思わず逃げ出してしまいそうになるが、夫のヘンリーにあっけなく殺されてしまう。ただし、彼女はクローン人間6体のうち4番目のエリザベスだったのだ。こうして再度5番目のエリザベスもまた同じことを繰り返すことになる、といった展開。

 しかし5番目のエリザベスは少し賢かったのか、事態は思わぬ方向に進む。元々8歳までの記憶しかないクローンたち。音楽を聴かせたり、本を読んであげたり、追体験を繰り返すというライフワーク。優秀な研究員クレアもそれに協力するが、彼女もまたヘンリーを好きになっていて肉体関係を結んでいた。この辺りの心理描写はよくわからない・・・

 ヘンリーと妻のエリザベスにはオリバーという一人息子がいて、クレアとともにヘンリーの研究を手助けしていたが、ヘンリーとのある確執において盲目にされてしまっていた暗い過去もあった。ファッション的にはスタートレックのコスチュームなのだが、これが異彩を放っていた!というより、古臭さの原因はここにあったのではないか。名前も“オリバー”。チンパンジーのオリバー君からつけた名前なのだろうし、70年代感覚満載だ。屋敷内の壁紙も単調でアナクロなのも同様に、死んだ妻の若かりし時代を懐かしんでいたのだろう。

 そんな雰囲気をさらに不気味なものにしていたのはデパルマ調だったりリンチ調だったりするカメラワークや色彩感覚。エリザベスが美しいのはわかるが、作られた“モノ”であるが故にヘンリーのサイコ面も開花させていた。愛でることの究極の形が殺害であるという狂気の世界。しかし、5番目のエリザベスにあっけなく返り討ちに遭うことになるのだ。そして、そこからはグダグダな展開へ。

 面白い作品にすることもできただろうに、刑事も殺してしまったりするオリバーの心情が読み取れないこと。そして6番目のエリザベスの行動パターンもどこで覚えたものなのか・・・もしかすると教育を受けてないから野蛮さだけを見せていたのか。とにかく終盤にきて読めない展開となるので混乱してしまうのです。その辺りがちょっと残念だった。

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kossy

0.5企画倒れのうそ映画

2019年9月20日
PCから投稿

トリックは現実にはありえないことは明白。
科学医学を知らない人が書いたSFスリラー。
犯罪捜査的にもあり得ませんね。
あまりに荒唐無稽でも、夢もないし。
三流脚本の見本ですね。

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