誰がための日々

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誰がための日々

解説

介護うつの果てに母を亡くした青年の苦悩と希望を描いた香港映画。婚約者のジェニーと家を買い、結婚をして、家族を作る、そんな将来設計を考えていたトンには寝たきりの母親がいた。弟はアメリカに永住し、父はお金を入れるだけで家には寄り付くことはなかった。自身の身体が思うようにならないいらだちから、トンに冷たくあたる母。それでも母を施設に入れたくはなかったトンは会社を辞め、自宅でひとり母の介護にあたっていた。しかし、ギリギリの状況の中、トンはある事件により母を亡くしてしまう。ショックのあまり重いうつ病を患ったトンは精神病院に入院。1年間の治療を経て退院したトンは、父と2人、狭いアパートでの生活をスタートさせる。「インファナル・アフェア」シリーズで知られるショーン・ユーとエリック・ツァンが共演。監督は本作が初の長編監督作となるウォン・ジョン。

2016年製作/102分/香港
原題:一念無明 Mad World
配給:スノーフレイク
劇場公開日:2019年2月2日

スタッフ・キャスト

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(C)Mad World Limited.

映画レビュー

4.0楽しくもないし明るくもないが、これが人生だ。

2021年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

主人公にとって現実は完全に地獄です。いわば、起こらないと思っているけど案外普通に起きてしまう人生の地獄巡りを描いた作品。あれだけ孤立無援な状況の中で自身の存在を否定されたら、それは何が起きてもおかしくない。たとえそれが正常な判断力を欠いた老母からの言葉だとしても。それぞれに事情はあるのだろうが、ただ主人公だけが「真面目」だったから起きた悲劇。医学的には双極性障害と診断されるが、あれだけ重い十字架を背負わされても異常を来さない人間は聖人という他ない。それだけでも悲劇なのだが、世間は傷口に塩を擦りつける真似を平気でする。
…そういう板子一枚下は地獄という現実を仮に味わったことがなくても実感できる作品。しかも悪いことは常に重なる! 特に若い人には人生の予習として、最悪の事態というものを知っているのはいいだろう。
しかも、後味は決した悪くはなく、結局人を生かすのは優しさだよねと教えてくれる。
ちなみに、主人公は日本だったら間違いなく井浦新さんがやるだろうな。あと、抑うつ状態下では食欲がなくなる、風呂に入れない、何もできずに横たわっている(寝ているとは限らない)あの感じは本当です。

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どうか夢だと言ってくれ!

3.0重い・・・

2020年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

終始一貫して重たい内容でした。また救いようがない内容で見てる者も心が暗くなる。
あまり楽しめなかったな・・・

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オクやん

3.5他人事じゃねーよ。

2019年11月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

さてさて。香港の話だから、で片付けられない介護や鬱の話。介護の為に退職せざるを得ない状況に陥るのも、鬱を一旦発すれば再就職が困難なのも、精神病者に対する偏見も、子供が親を見捨てるのも、日本だって同じな訳で。

他人事じゃねーよ。と、身につまされてしまいました。いやぁ、息子達には「俺が要介護になったら迷わず、一瞬たりとも逡巡する事なく、施設に放り込むか、瀬戸内海に沈めれ」って言っとかなきゃ。

そんな映画じゃないんだけどね。

双極性障害を完治させられない息子を捨てない父親の話は、先週観た鶴瓶さんの映画とダブってしまうのだよなぁ。「立ち上がって歩き出せ」っつーメッセージは、顕在化したハンデを抱えた人、その家族、周囲の者も世間も社会も、受け取らなければなりまへん、って言う映画だった。

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bloodtrail

2.0あの部屋は香港そのもの

2019年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

 父親の借りている部屋には2段ベッドの他、プラスチックの衣装ケースが高く積まれている。
 狭い空間に生活に必要なものの収納や、横になるためのベッドが垂直方向へ伸びている様子は香港の街そのものである。
 21世紀になってすでに20年になろうというのに、1980年代のMr.Boo!シリーズに出てくるような住環境が描かれている。宿命的に土地が不足している香港では、貧しい人々は未だ、このようにアパートの一部屋に家族で暮らしているのだろうか。
 この狭さを活用したカメラアングルその他の演出が、この母娘の閉塞感を際立たせている。
 介護中に死亡した母親を旧宗主国イギリス。久しぶりに一緒に暮らすことになる父親を中国。という暗喩ととらえることも出来たのかも知れない。
 しかし、あまりの切実さに涙の一滴すらも流れなかった。

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佐分 利信
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