劇場公開日 2018年11月3日

  • 予告編を見る

ぼけますから、よろしくお願いします。のレビュー・感想・評価

全42件中、41~42件目を表示

5.0記録すること、伝えること、その意義

2018年10月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

難しい

一家族の私的な記録。しかしこの物語には現代における普遍的な問題が数多く含まれていた。
一般家庭のプライベートなドキュメンタリーではあったけれど、記録という名を借りた果てしないドラマのように感じた。個人的な記録に、見事なまでにあらゆる事柄が詰め込まれている。
プライベートを深くえぐるようにドキュメントし、記録する側される側それぞれが恥ずかしげもなく己をカメラの前に出し尽くしていることで、何かひとつのドラマを体感するかのようだった。
ハンディカムで撮った強み、もはや画質など意味をなさない映像作品、老いと介護と認知症、己を出し切ること等々…あらゆることを考えさせられる作品だった。
確かにメインとなるテーマは重いけれど、人間的なユーモアもたくさん詰まっていて、難しさを感じつつもかなり楽しんで見た作品だった。

コメントする 1件)
共感した! 11件)
SH

5.0ぜひおすすめ

2018年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

幸せ

 認知症となった母を撮影し続けたドキュメンタリー映画 『 ぼけますから、よろしくお願いします。 』 を8月28日の試写会で観た。
 102分のドキュメンタリー映画。言葉では表現できないほどの、高齢化社会に暮らす私たちが考えなければならない、大きなテーマをもらった感じがする。
 認知症が進行していく中でのお母さんの葛藤。
 90歳を越して耳の遠くなった、家事などしたことのないお父さんが、妻の状態を受け入れて、お世話する。
 そんな両親の元に帰ってこようかと言う東京に住む娘に「おれが母さんの面倒はできるから」と言って、日々、買い物をして、コーヒーを淹れて、食事を作って、お世話する。
 そんな典型的な老老介護の実態。
 それを、娘がカメラでとらえ続けた2人の暮らしの映像に、何とも言えないズシンとくる感動を覚える。
 長年共に暮らしてきた夫婦の愛や絆、思いやり・・・、そして、老いとは何か、等々。いろいろな事を考えさせられるドキュメンタリー映画だった。
 肉親を冷静にカメラで記録し続けた信友監督の、精神的強さに驚く作品となっていて、以前に話題になった、監督自身の乳がん闘病のドキュメンタリー番組『 おっぱいと東京タワー 』を手がけた監督だからこそ出来た映画だなあと思った。
 認知症が身近な社会問題となっている今、公開は11月だが、ぜひ、多くの人に観てもらいたい映画だ。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
Naoji~san