劇場公開日 2018年10月20日

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「父親になりたかった主人公の思いよ届け」ごっこ ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5父親になりたかった主人公の思いよ届け

2018年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作未読。引き籠りの城宮が、虐待児だと思い込んで見も知らぬ女の子・ヨヨ子を実家に連れ帰ってしまったことから始まる、親子ごっこのような二人の共同生活を描くハートフルドラマ。ほんの数ヶ所、話の流れからすればちょっと強引(唐突)に過ぎる無理筋設定があったのがちょっと惜しいと感じましたが、全体としてはなかなか心打たれる良いお話でした。ラストの場面では周囲の観ている人からも結構鼻を啜る音が... 社会から落伍してしまった城宮ですが、ヨヨ子のおかげでちょっぴり一人前らしくなれました。子供は親の背中を見て育つと言いますが、親もまた子育てで成長するもの、そんなことを改めて感じました。大阪の下町が舞台ですし、千原ジュニアの人選は納得、ただここまで演じてくれるとは思いませんでした。最後の場面の彼の眼力はもう怪演の域でした。それとやはり子役の女の子・平尾菜々花ちゃんの存在を抜いてこの作品を語ることは出来ません。大阪出身のようですから関西弁はお手の物としても、可愛らしさと太々しさが同居する彼女のキャラクターは魅力。今後も是非活躍して貰いたいものだと思いました。舞台が弁天通りと言う割には大阪では見慣れない川が映っていたりして不思議だったのですが、同じ名前の通りがある前橋市内で撮影が行われていたようですね。コテコテの関西映画作品ですが、結構製作はハイブリッドだったのも興味を惹きました。

ホワイトベア