ある画家の数奇な運命

劇場公開日:

ある画家の数奇な運命

解説

長編監督デビュー作「善き人のためのソナタ」でアカデミー外国語映画賞を受賞したフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督が、現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターをモデルに、ドイツの激動の時代を生きた芸術家の半生を描いた人間ドラマ。ナチ党政権下のドイツ。叔母の影響で幼い頃から芸術に親しむ日々を送っていたクルトは、終戦後に東ドイツの美術学校に進学し、エリーと恋に落ちる。エリーの父親は、精神のバランスを崩して強制入院し、安楽死政策によって命を奪われた叔母を死に追いやったナチ党の元高官だった。しかし、誰もそのことに気づかぬまま、2人は結婚する。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、エリーと⻄ドイツへ逃亡し、創作に没頭するが……。主人公クルト役を「コーヒーをめぐる冒険」のトム・シリングが演じた。2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第91回アカデミー賞では外国語映画賞と撮影賞にノミネートされた。

2018年製作/189分/R15+/ドイツ
原題:Werk ohne Autor
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2020年10月2日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第91回 アカデミー賞(2019年)

ノミネート

撮影賞 ケイレブ・デシャネル
外国語映画賞  

第76回 ゴールデングローブ賞(2019年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  
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(C)2018 PERGAMON FILM GMBH & CO. KG / WIEDEMANN & BERG FILM GMBH & CO. KG

映画レビュー

4.0「事実は小説より奇なり」を地で行くリヒターの人生

2020年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

美術の世界に疎く、現代美術の巨匠と評されるゲルハルト・リヒターのこともほとんど知らなかったが、リヒターの叔母がナチスの障害者安楽死政策で命を奪われたこと、妻の父親がナチ高官で安楽死政策の加害者だったことは事実だという。なるほど“数奇な運命”だが、ドナースマルク監督はリヒター本人に取材し映画化権を取りつける際、「映画の中で何が真実で何が創作かを明かさない」との条件をつけられたとか。3時間超の長尺に、ナチスの戦争犯罪とその犠牲者、東西ドイツ分断期の世相、新たな表現を追求する芸術家の生きざまなど多くが詰め込まれたが、“何が真実か”を観客に委ねる本作は、大局的に見るとドナースマルクの映画制作を介したリヒターの芸術表現の一環なのではという妄想さえ抱かせる。

クルト役のトム・シリングと、叔母役のザスキア・ローゼンダールは良かったが、妻エリーを演じた女優がやや魅力不足なのが惜しい。

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高森 郁哉

4.5彼の真実を描く

2024年3月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

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しろくろぱんだ

4.0作者のいない作品

2023年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

さすがに長すぎるけど、とても美しい作品。
戦争というかナチスの非道が、見てるこっちにも刺さってくるようだった。
だけど全体は、表現することの素晴らしさをテーマとして感じた。
社会主義リアリズムから「作者のいない作品」へ。
ある画家の目線を通して見る、実録もののようだった。

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mar

4.0アートは告発する

2023年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 8件)
共感した! 8件)
琥珀糖
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