「現代に生きる我々の身近にある作品」スマホを落としただけなのに（2018）　ﾃﾂさんの映画レビュー（感想・評価）

見終わった後、自分のスマホを確認したくなる現代の社会派サスペンスと言った処か

彼氏がスマホを落としたことで周囲で次々と見に覚えのないことが起こり、翻弄される女性、その裏で起きている連続殺人を描く…

ここからネタバレガンガンなので注意

序盤は手早くスマホを落としてくれて、そこからスキまみれの田中圭がダメ感を見せてくれる(しかし最後は頑張るよ)

そこから本格的に物語が加速していくまでは時間がかかるが、盛り上げ方としては上々

現代ツールのスマホ、LINE、Facebook、アカウント、パスワードなど…

現代のコミュニケーションやアイデンティティーを証明する(してしまっているとも言える)ツールたちが悪用される様を描き、ある意味注意喚起ムービーにもなっている(ツッコミ処はあるけどさ)

北川景子演じる｢イナバアサミ｣の秘密は小説という文章で読むと分かりづらいのだろうが、映像にするとミステリー要素は完全に無くなっていた
それとも原作も
｢入れ替わり｣は早めに示唆されていたのだろうか？
物語を盛り上げるファクターとしてはビミョーな扱いだったかな

真犯人はまあ明かされるまでは分からなかったが、落とし処としてはここまでが限度だろう

露骨なミスリードはまあスルーして、他にも該当しそうな容疑者も如実にいるわけでもないし、かと言ってポッと出のキャラクター使うわけにも…

とりあえず犯人役の成田凌のはじけた狂いっぷりが良かったです！

千葉雄大演じる刑事は犯人とのコインの表と裏の関係であり、解決には彼が不可欠だった(というより彼がいなければ多分犠牲者はもっと増えた)

冒頭でいれていたGPSアプリがあんな形でいきると思わなかったが、彼氏よそこまで正確に分かるのか？笑
思わず犯人グループかと疑ったわ笑

あとはスマホを落として色々起きている時点で妖しげなメールやら画像やらは疑いましょう
登場人物皆さん全員沸点低いですよ笑

あとこれはもとも子もない話だがこの作品は文章で読んでこそかな
映像化というフィルターを通して伏線やミスリード、犯人探しの要素が大きく薄口もしくは無と化してしまった気がする。

スマホという身近なツールが招いてしまう恐怖と、SNS という自分の存在を証明してしまうツールの恐ろしさをわりと分かりやすく描いたサスペンス作品