七つの会議のレビュー・感想・評価
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野村萬斎と香川照之という異種格闘技戦を楽しむ
テレビの連続ドラマで池井戸潤作品を楽しんでいる方々にどう映っただろうか。
これはまさしく、れっきとした映画作品といえる。
テレビでしか出来ないことは、映画にわざわざ持ち込む必要はない。
そんな気概を作り手たちから感じることが出来た。
普段は狂言の世界に生きる野村萬斎と、歌舞伎役者でも香川照之の静かな(静かでもないか、汗)対決を存分に満喫した。池井戸作品でおなじみのキャストがずらりと揃うなか、朝倉あきの存在感は新たな収穫といえるのではないだろうか。
現代の滑稽劇
野村萬斎はすごい。彼の芝居が1800円で観られるのは安すぎる。しかも片岡愛之助や香川照之の芝居まで堪能できる。役者の芝居を堪能するだけでお買い得感が半端ない。
数字の偽装というタイムリーな題材で、多くの人間が右往左往する姿は滑稽だ。狂言や歌舞伎や落語がずっと描いてきたような人間の滑稽さが溢れている。これは現代劇だが、どうして伝統芸能出身の役者をたくさん起用しているのかというと、そういうことなんだろう。人間のやることはいつの時代もあさましく、悲しく、滑稽なのだ。
たかがネジ1本の強度データの話だが、ネジ1本に人の命がかかっている。しかし保身はそのことを人に忘れさせてしまう。自分だったらどうしただろうと始終考えながら観ていたが、もし人生に失うものが多ければ、自分には八角のように行動できないかもしれないと思った。八角にはすでに多くを失っている人間だからこそ、ああいう行動ができるのかもしれない。
会社の犯罪
昨年(2023年)の企業の不正問題・不祥事を調べると、
①ビッグモーターの保険金不正請求問題。
②ジャニーズ事務所の性加害問題。
と出てきました。
2件の不祥事はコンプライアンスの欠如も甚だしく、驚きに耐えません。
対して「七つの会議」では、まだ事故は起きておらず
黙っていればそのまま不正が見抜かれないかもしれない事案なのです。
《ストーリー》
東京建電(TKD)はコストを下げるために、安い新規企業に
《ネジの強度》が足りないのを承知で発注をして利益を大きく
上げようとしたのです。
そのネジが航空機や旅客機の椅子のシートを止めるのに使われていた。
事故は起きてはいないが、事故が起これば人命に関わる。
それを表に出すと、大変なリコールと
航空機や旅客機の運行停止が起こり、東京建電は、
2000億円以上の損失と社長の引責辞任及び業務上背任罪に問われる。
だから社長(橋爪功)は隠蔽しようと躍起となる。
東京建電の不正問題は20年前にもあったのです。
それを忘れずに今も悔いているのが、営業課係長の八角(野村萬斎)
である。
ネジの不正に気付いた八角は、事件を明るみだしリコールさせようと
行動をすることを決意。
(それにしても、及川光博演じる課長が驚いて座った途端に椅子が壊れて
ネジが飛び散る・・・これを見過ごすってあり得ない!!)
結果的に手伝うことになるのが営業課長に抜擢された及川光博と
女性社員役の朝倉あき。
ネジの強度偽装からグウタラまんねん係長役の野村萬斎の過去・現在が
掘り下げられる様は原作者・池井戸潤の独壇場である。
結果的に親会社ゼノックスの社長北王路欣也は安泰という日本社会
の社会の縮図的である。
同様なことは御前会議(ゼノックス本社で行われる北王路欣也出席の)に
女性役員の姿は皆無なのである。
父親が私が子供の頃、会社の同僚のことは、
「あいつは会社の婿さんだからなぁ・・・」
と呟いていたのを思い出しました。
ラストのモノローグで「会社とは」侍にとっての「藩」である。
命を懸けるに値するもの。
今や、「会社に命」を懸ける人はいないけれど、20年も30年も働くと、
洗脳されて、そこ以外に居場所がないと思い込む。
「社畜」と言う哀しい言葉さえある。
怒号の中を歩き抜ける八角
これは面白かったねえ。サラリーマンのってだけではなく大人のあるあるネタを少年マンガのノリで魅せるエンターテイメントだったね。
怒鳴りまくる大人たちの中を野村萬斎演じるぐうたら社員八角がのらりくらりと走り抜ける、ではなく歩き抜ける。
コメディのような乱れた風貌はシリアスにし過ぎないバランスを作品に生み出した。しゃべりが少々大袈裟なのも良かったよね。
それを見守るのは作品のナビゲーター担当の原島と浜本。
二人は私たちと共に八角の回りで起こる不可解な出来事を探っていくことになるが、同時にキャラクターたちのナレーションのような独白が次々と刺激的に紡がれていきハイスピードサスペンスのようだった。
作品冒頭の会議のシーンで怒鳴りまくる北川部長が居眠りをする八角に何も言わないというのは、まあ同期だからってのもあるだろうが、作品にこれから何が起こるのかわからない暗闇の状態ではなく、少し先に何が起こるのかを暗示しているので、北川はなぜ何も言わないのか?の一点だけでも序盤を面白く観る推進力には充分だったね。
しかもドラマが動き出すのはそのあとのパワハラ騒動からで、直接的には北川部長関係ないという、原島じゃないけど一体どうなってるんだ状態でワクワクしたよね。
不正とは正しくないこと。正しいというのが価値観や概念によって曖昧だから多数の人が正しいと判断すること。それに反する事が不正ならば、作品内で起こる不倫や会議中の居眠りだって不正だし、人のあとをつけて私生活を探るのだって不正だ。コロナ禍にマスクをせずに買い物の列に並んだりとかね。独り暮らしでないのなら服を脱ぎ散らかしたりだって不正だろ。
大小様々な不正があり、誰もが何かしら不正を働いている中で、事が大きくなり限界突破するのは力を持った一部の人間が「正しい」の基準をねじ曲げて押し付けてくることにある。
力が人を狂わせる作品は多いけど、これもそんな作品の一つかなと思った。
すごく面白かったんだけど難点をあげるなら、映画としての風格が足りなかったね。
演出とかお金のかけ方とか、とてもテレビドラマっぽい。
地上波放送があればもう一度観たいが、スクリーンでリバイバル上映してても観たいと思わないもの。
いっひっひっひっひっひっ
鋭い視点で会社の問題点を取り上げ、さらに不正を追求する内容。
カメラワークも被写体も良いので内容に集中しやすくて大変満足した。
主題歌『メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ』(作詞作曲:ボブ・ディラン)がラストにかすかに流れていた。
野村萬斎さんの不気味な笑いが印象的。
今作に限らないが、Netflixだと邦画にも字幕を出せるのでセリフが視覚化されて、より内容が理解しやすい。
会社の不正
ブラック企業の会議から始まり、各部署のいざこざから、企業の不審な動きを調べる内に真実に繋がっていく
企業の不正についてをテーマにした話
歌舞伎俳優とか多く出てて
内容もまとまってはいた
めっちゃおもろい
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ある会社の花形・営業一課の課長は愛之助だった。
が、不真面目過ぎる部下の萬斎に厳しく詰め寄ったことで左遷される。
何かおかしいと嗅ぎ回ってた別部署の2人も左遷される。
後釜の課長になった及川は、もうすぐ退職するOLと密かに調査に乗り出す。
結局分かったのは、愛之助が自社製品の部品として外注したネジの強度が弱いこと。
それは飛行機や電車にも使われており、リコールすれば大問題になる。
最初に気付いたのが萬斎で、3人が左遷された真の理由もその隠蔽のためだった。
萬斎は、2か月の内部調査の後、速やかにリコールすることを社長と約束してた。
でも社長は約束を破る。萬斎は親会社にこの事実を告げる。
そして親会社の絶対的存在である社長のもとで通称「御前会議」が行われる。
そこに参加した萬斎が、主犯が愛之助でなく社長だったことを暴露。
さらにそれが偉そうなカスの加賀(親会社の常務)の影響だったことも暴露。
しかし親会社の社長の決断は、この事実を公表しないことだった。
ついに萬斎は行政に内部告発、会社はほぼ解体される。
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いやー、面白い。時間が経つのを忘れる面白さやった。
萬斎はいい味出してたなあ。
でも評判の悪い萬斎が、実は正義感が強くて他人思いだったのはいいけど、
最後の方は正論を振りかざし過ぎな気がして来たわ。
見知らぬ人々とは言え人の命は確かに重要。
でもそのために最終的に内部告発までするってのはちょっと違わん?
クソ真面目な人間がするなら分かる、でもそんなキャラじゃないんよな。
OL役の朝倉あきって初めて知った女優やけど、白石麻衣に似てない?
最初は似てる別人と思ってたけど、だんだん本人に見えて来た。
池井戸潤ワールド
日曜劇場の池井戸潤作品に出演していた俳優を豪華に取り揃え、思わずニヤリとする映画。野村萬斎、香川照之、片岡愛之助、及川光博、春風亭翔太、世良公則、小泉孝太郎、北大路欣也と聞けば見たくなるでしょう。
そのままTVで放映しても視聴率が取れるでしょうね。
ダメなお荷物係長に野村萬斎。いつも昼寝ばっかりしているように見えて、実は、20年前のある事件が発覚して、逃げるようになったと。
ダメ社員を飛ばそうと画策する社員たちが、皆、急な人事異動で飛ばされていく様子が痛快。内情がわかってからは、証拠固めと黒幕探しで二転三転。まさに日曜劇場の世界が2時間程で楽しめちゃう。
リアルな視点でみれば突っ込みだらけでしょうが、そこは日曜劇場のドラマと思えばご愛敬。もはや歌舞伎の世界のような大見得を楽しむべし。
見る人全員が思い当たる節があるような映画
緻密なストーリーで徐々に明らかになっていく黒幕の存在。
探偵モノを見ている気分になりました。
役者もピカ一な者ばかり。香川照之、片岡愛之助、野村萬斎 演技が上手いだけでなく所作がキレイで見ていて気分良かった。
オリラジの演技も上手かった。
ビジネスをするうえで、命に関わる偽装をしている会社は多くないと思うが、顧客に対し誇張をしたり不要なものを売りつけている会社はほぼ全ての会社にあてはまると思う。
そんな人がみると胸が痛くなると思う。
そんなことはどうでもいいという人間が成績を残し、上に立つ。
そりゃ、不正はなくならないわけだ。
どの会議を足すと7つになるのか?
そんなことは、どーでも良いが
面白かったです。
コンプライアンス意識の高い今だと有り得ないかと思いますが、2000年頃迄なら、そこいら中の会社でやってたような気がします。
良い時代になった気がします。
狂言師と歌舞伎役者たちの演技対決。野村萬斎の前半のぐうたらぶりと 後半の正義漢のギャップに違和感はある。
動画配信で映画「七つの会議」を見た。
劇場公開日:2019年2月1日
2019年製作/119分/G/日本
配給:東宝
野村萬斎
香川照之
及川光博
片岡愛之助
音尾琢真
藤森慎吾
朝倉あき
岡田浩暉
木下ほうか
吉田羊
土屋太鳳
小泉孝太郎
溝端淳平
春風亭昇太
立川談春
勝村政信
世良公則
鹿賀丈史
橋爪功
北大路欣也
池井戸潤原作のものは
「下町ロケット」
「半沢直樹」
「陸王」
「ルーズヴェルト・ゲーム」
「空飛ぶタイヤ」
「アキラとあきら」
などいろいろ見たが、
この映画はちょっと異色かもしれない。
野村萬斎は都内にある中堅メーカーの一見ぐうたら社員。
飄々としていて得体が知れない。
社員たちは激烈なノルマに日々追われていた。
営業一課の片岡愛之助は野村萬斎からパワハラで訴えられて
左遷されてしまう。
しかし何かがおかしい。
元課長は左遷されただけでなく軟禁状態にあるらしい。
何かが起こっている。
それは何なのか?
狂言師と歌舞伎役者たちの演技対決。
朝倉あきという女優ははじめて見た気がする。
が、「かぐや姫の物語」の主演女優らしい。
これはかなり好きな作品だ。
いい女優さんだと思った。
鹿賀丈史、橋爪功、北大路欣也
会社の重役3人が3人ともワルだった。
香川照之は池井戸潤作品の中では全部同じ人に見えてしまう。
野村萬斎の前半のぐうたらぶりと
後半の正義漢のギャップに違和感はある。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
原作とは別物と思った方がいいかな。
ずいぶん前にこの映画を見てたのですが、
本屋で文庫本を見かけて、原作はどうなんだろうと
気になって読んでみました。
で、小説はとてもおもしろかったのですが、
「あれ、こんな話だったっけ」となったので、
再び映画をビデオで見て、その感想です。
う〜ん、この映画も好きなんですけど、
原作を描ききれていないという印象ですね。
7つのストーリー(会議)が重なって
1つの話になるという構成なので、
映像にすると時間的に無理があるんでしょうね。
ドラマ化の方が、うまくいったんじゃないかな。
でも、別物と考えてこの映画を見ると、
なかなかいい作品だと感じました。
池井戸ドラマでお馴染みの俳優がズラリ。
顔で演技する人たちのぶつかり合いが見ものです。
日本社会のブラックなところが暴かれてる
お堅そうな内容かと思いきや、面白かったです。最後の八角の言葉が印象的でした。自分の健康を削いでまで上司の言いなりになったり、人の命よりも企業存続を優先したり、不正の隠蔽が起こりやすい日本社会の体質を目の当たりにしました。令和において、こういうブラックな企業は古いかもですが、確かに不正は今後も無くならないかもと思った。
会議って
八角万年係長役の野村萬斎と、北川営業部長の香川照之、そして原島課長の及川光博の鬼気迫る演技で、どんどん作品に引き込まれていきました。
それ以外のキャラクターもそれぞれの立場が映像化されてて、日本企業特有の企業体質やサラリーマン像が見事に描かれていたように感じました。
7つとはどの会議?
2022年10月15日
映画 #七つの会議 (2018年)鑑賞
#池井戸潤 原作、#野村萬斎 主演の企業小説
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#半沢直樹 班と #下町ロケット 班に分けよ
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