カランコエの花

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カランコエの花

解説

LGBTが抱える問題を、当事者ではなく周囲の人々の目線から描き、2017年・第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のコンペティションでグランプリを受賞した短編作品。とある高校の2年生のクラスで、ある日唐突に「LGBTについて」の授業が行われたことをきっかけに、クラス内にLGBT当事者がいるのではないかという噂が広まっていく様子を描いた。日常に波紋が広がり、思春期ならではの心の葛藤を抱えた生徒たちは、それぞれに行動を起こすが……。レインボー・リール東京のほか、京都国際映画祭2017や第4回新人監督映画祭などでも受賞を果たした。監督は尊厳死を題材に描いた「尊く厳かな死」の俊英・中川駿。

2016年製作/39分/日本
配給:ニューシネマワークショップ
劇場公開日:2018年7月14日

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(C)2018 中川組

映画レビュー

4.0今の時代が抱えるテーマを巧みに盛り込み、大きな気づきを与えてくれる

2018年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

たった40分足らずの中編作品ながら、構成、演技、テーマ性、全てにおいて卓越した感性が貫かれた見事な作品だ。ブラスバンドの音色に合わせて緩やかに醸成されていく空気。そして親友どうしが織り成す有機的な演技の積み重ね。聞くところによると、現場で出演者たちの意見を聞きながら組み立てていったシーンも多かったとか。また、伝えるべき内容をセリフに盛り込んで、あとは即興に近い形で言葉が紡がれた場面もあったという。だからだろうか、本作からは型にはまらない自由な空気と、透明感、それにリアリティに満ちた生身のコミュニケーションをつぶさに感じ取ることができる。

そんな中で飛び出す“一つの告白”に対し、無意識に返される何気ない言葉の鋭さ。また、口にした“言葉の過ち”を自覚していく過程にも確かな巧さが光る。この悲しみは他人事ではない。いまの時代を生きるみんなの共有テーマであることを誰もが痛感せずにいられないはずだ。

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牛津厚信

4.0善意もまた時に人を傷つける

2018年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

性的マイノリティに対する社会全体の理解は一昔前から比べるとだいぶ進んだのだろうと思う。メディアなどの扱いもそれなりに変化してきただろう。しかし、実生活において、人の心はすぐには変わらない。

本作はそんなリアルな生活の場での性的マイノリティへの理解の程度を見事に浮き彫りにしている。

ほとんどの人に悪気はない。最初にLGBTへの理解を促す特別授業を実施した保険の先生の行動は善意から来ている。しかし、結果的には、その善意の行動が一人の生徒を追い詰めてしまう。その生徒が思いを寄せるクラスメイトも彼女を庇おうとした発言もさらに追い打ちとなってしまう。

わずか40分の上映時間に、差別問題の根深さを見事に浮き彫りしている。悪意やわからないものへのフォビアから来るものを乗り越えても、社会にはまだ壁がある。善意もまた人と人を分断してしまうことをこの映画は見事に描いている。

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杉本穂高

4.0こんなに売れっ子を輩出したインディーズ映画は珍しい

2024年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今田美桜さん笠松将さんとその後の売れっ子俳優を2人も輩出した珍しいインディーズ映画です。インディーズ映画は大体いつも同じ面々の俳優さんを観ることが多いので。
1時間未満の中編ですがLGBTものとしてではなく、単純に青春映画として楽しめました。
ただエンドロールで流れてくる役者さんの即興芝居だけはいただけなかったです。

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なんでも屋の演出部

4.0先日、アウティングという言葉を初めて知った。LGBTという言葉も、...

2024年2月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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ずん
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