劇場公開日 2018年10月13日

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「業界敗者の妄想?ヘンテコワールド」アンダー・ザ・シルバーレイク sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0業界敗者の妄想?ヘンテコワールド

2019年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

観る人が観ればわかる・・・のか?
エピソードや映像、暗号やオマージュだらけなんだろうけど、きっと気づききれてないなーと若干もどかしい思いをしながら観た。
謎解きは面白いんだけど起こる事件や展開は地味なので退屈に感じたところもあった。
監督の前作でも感じたけど、映像や色使いが可愛くてポップで観てて楽しい。

受けた印象としては、LA、ハリウッドに代表される今のショービズ界の光と影、という感じなのかなぁ。
ポップカルチャーが作品の力だけじゃないところで回ってる、っていう側面は間違いなくあるだろう。でもそれじゃつまんねーしそれだけじゃないよね、って信じたい人々の方が多い(私含め)中で、本作はそうやって回ってると言い張る側(金もあるしなんか次元違ってうさんくさいw)と、それを否定する側(こっちはこっちでうさんくさいw)の闘いだったような印象。
ハリウッドのチャラさと胡散臭さといったらなかった。笑

今は売れてる監督が撮った作品ではあるんだけど彼のそれまでの苦労や経験を感じさせる生々しい主人公像。
主人公、アンドリュー・ガーフィールドなのに爽やかさゼロ。冴えないオタク感と負け犬感。

果たして起こった不思議な出来事たちは彼の妄想だったのだろうか?観客すらも煙に巻こうとする流れなんだけど、ラストは奮闘空しくLAドリームに搾取され沈んでゆく若者がまた一人・・・
ホームレスを見下すシーンに感じた違和感が、ああやってつながるとは。
めちゃめちゃ楽しかった!って感じではないんだけど、仕込まれたネタを探すためにもう一度観たくなりました。

sannemusa