ブリグズビー・ベア

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劇場公開日:

ブリグズビー・ベア

解説

赤ん坊の頃に誘拐され、偽の両親のもとで彼らが制作した教育番組「ブリグズビー・ベア」だけを見て育った25歳の青年が、初めて外界に出たことから巻き起こる騒動を描いたコメディドラマ。外の世界から隔絶された小さなシェルターで、両親と3人だけで暮らす25歳のジェームス。子どもの頃から毎週届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見て育った彼は、現在はその世界の研究に没頭する日々を送っていた。そんなある日、シェルターに警察がやって来て、両親は逮捕されてしまう。これまでジェームスが両親だと思っていた男女は、実は誘拐犯だったのだ。ジェームスは生まれて初めて外の世界に連れ出され、“本当の家族”と一緒に暮らすことになるが……。スタッフ・キャストにはテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のチームが集結。ジェームスの育ての父親テッドを「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミル、カウンセラーのエミリーを「ロミオ&ジュリエット」のクレア・デーンズがそれぞれ演じる。

2017年製作/97分/PG12/アメリカ
原題:Brigsby Bear
配給:カルチャヴィル
劇場公開日:2018年6月23日

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映画レビュー

4.5人が物語を必要とする理由

2018年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人が生きていくために、物語が必要なんだと思う。本作はそんな物語の力を信じている。外界から隔絶された環境で、ニセの番組を観て育った主人公にとってその番組は世界の全て。その番組の作られたいきさつはどうあれ、主人公はその番組から人生の大切なことを教わった。
人はこの世界を物語を通して学ぶ。ギルガメシュ叙事詩の頃から人は物語を通して世界と人生について学んできた。この映画は、そんな人と物語の関係についての深い洞察がある。

フィクションは事実ではない。しかし人はフィクションから世界の真実を学ぶ。偽物の両親が作った偽物の番組であっても、そこには何かの真実が宿っている。

良くも悪くもスターウォーズという映画史でも一際有名なフィクションに人生を変えられたマーク・ハミルがこの映画にキャスティングされているのは大正解だと思う。役から発する彼のセリフは彼自身の人生も投影されているような説得力がある。

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杉本穂高

4.0こんな映画だとはつゆほども思わなかった、意外と深くて刺さる掘り出し物の一本

2018年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

実に奇妙な一作だ。可愛らしいクマさんをめぐる冒険活劇かと思いきや、冒頭からすでにコメディともシリアスともつかぬ線上を綱渡りするかのような、なんとも言えない妙味が炸裂。序盤は『トゥルーマン・ショー』などでおなじみの「メタ・フィクション」というテーマを濃密に描き込み、中盤からは『桐島、部活やめるってよ』のような「自分の手で映画を撮ろう!」的な高揚感あふれるダイナミズムを発動させる。かくも一粒で二度おいしいではないが、一本の中にいくつもの趣向やテーマ、メッセージ性が内包され互いに影響を及ぼし合うのを堪能することができる。

作り手によると「『自分にとっての全て』と思い込んでいたものが突如終焉を迎えた時、人は一体どうするのか?」に焦点をあてた作品でもあるとのこと。人間の生活、人生、暮らしのみならず、宗教、国家、文化に置き換えたとしても多元的で複層的な解釈ができる、極めて現代的な作品と言えそうだ。

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牛津厚信

5.0二律背反の窮屈さからグレーゾーンへの脱出!

2018年6月28日
PCから投稿

悲しい

楽しい

幸せ

幼児誘拐と拉致監禁、本来ならものすごくどんよりするテーマだが、尾の映画はふんわりと優しいコメディ仕上げ。しかし決してキレイごとではない。

善か悪か、本物か偽物か、現実かファンタジーか。二者択一するにはこの世界は複雑で曖昧に過ぎるし、ムリに切り分けるとこぼれ落ちてしまう大切なことがいっぱいある。この映画は、そんな二律背反の堅苦しさから、キャラクターを、映画を、人生を解き放ってくれる。

清濁併せ吞む、というほど大仰でなく、ただ目の前のできること、やりたいことを積み上げていけば、幸せは見つかるのではないか。
もちろん現実はこの映画よりどす黒く、汚いかも知れないが、この映画程度のささやかな善意や希望は望んでもいいのではないか。

ネタバレが怖くて曖昧なことしか書いていませんが、本物の「いい映画」に出会えて本当に嬉しい。

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村山章

4.0『コカイン・ベア』もいいけど、全然別物

2024年3月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

テレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』のスタッフが集まって作った作品で、監督のデヴィッド・ローレンス・マッカリーは今話題の『哀れなるものたち』(2023)のエマ・ストーンの旦那さん。

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