劇場公開日 2018年8月31日

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判決、ふたつの希望のレビュー・感想・評価

全109件中、21~40件目を表示

5.0痛み

2019年10月23日
PCから投稿

泣ける

知的

幸せ

怒りっぽい二人。
 でも最近巷を騒がせている、大人の形をした”キレ易い”自己中幼児ではない。
一本気で、頑固。
自分の仕事に誠実で、自信を持っている。
 ー例え、相手がむかつく野郎でも、自分の専門分野での不具合を見つければ、直さずにはいられないほど、自分の仕事を愛している。
そして、その仕事への向き合い方は、周りからも認められている。
その仕事仲間・部下に対して、不器用ながらも、配慮しながら、仕事を回していく度量も持っている。
 そんな、どちらも大人のふるまいができるはずの、似た者同士の諍い。

ちょっとした諍い?
 電線が違法に張り巡らされ、中には切れて垂れさがっているものもある地域。
 そこに、水をかぶった工員が間違って切れた電線に触ってしまったらどうなるのだろう。熟練工ならそんなことにならないようにするだろうが、未熟工なら?
 単なる、「水をかけられて怒った」のレベルではないような気がするのは、私の考えすぎ?

だから、最初のヤーセルの怒りはごもっともだと思う。
だが、事態は雪だるま式にこじれていく。

何故? どう収拾するの?
そんな興味で話をぐいぐいと引っ張っていく脚本・演出・演技が見事。

弁護士って、顧客のために、顧客の意思に沿って動くのじゃないの?
映画は、法廷劇の形をとっているが、顧客を置き去りにして、顧客の意思に反した論争に発展していく。
それをさらにマスコミが煽り…と現代の縮図が描かれる。

そして、映画はある結末を迎える。

きっかけとなるのは、相手が知らなかったもう一方の相手の過去が法廷で明らかになること。
 レバノンの歴史を知らない私にとっては、「ああそうだったのか」とカタルシスを得る展開で見事。
 でも、レバノンの人々にとっては、キーワードは最初から出ていたから、また別の見方をするんだろうなあ。
 歴史を共有できているかどうかで、目の前の事実に対する意味づけって変わるんだ。
 知ろうとしなければ、理解しようとしなければ、偏見を持ち続けてしまう。

怒りの陰には、痛み・恐れが隠れている。
そのことに気づかなければ、怒りと破壊の応酬を繰り返すだけ。
悲しい連鎖。
自分自身の、大切な人の存在を否定されれば、怒りが出てくるのは当然。
その痛みをお互い抱えながらも、お互い傷つけあっている。

紛争している国・地域は、これに経済・政治・国際関係等幾つものファクターが絡んでいるから、一筋縄ではいかないけれど。

当事者たちは法廷の外でお互いの解決を見出す。
でも、この法廷がなければ泥仕合はまだ続いていただろう。

いろいろなことを考えさせられる。

何度でも繰り返し観るべき映画。

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とみいじょん

4.5裁判物としても、実に見応えありました。

2019年10月16日
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冒頭の「レバノン政府の考えではなく、あくまで制作者の考えです」とありました。
え?!。なんだかきな臭い話なのかも、と見始めました。

『工事中に排水管から水が落ちてくるから、と勝手に業者が排水管を付け直した』。
たったこの一行の事柄から、話がだんだん悪い方に進んでいきます。
そんなことで?。と最初は思ったけど。

謝るか、謝らざるべきか。

「今の時代は皆怒りっぽく、些細な誤解が大きくなる」
「あの街は、地区によって考え方が違う」

加害者の会社がいくら謝罪しても、なぜ許さず裁判にもっていったのか。

後半の裁判。お互いの弁護士の激しいやりとりなど。
その核心に迫っていく過程に、実にのめり込んでいきます。

もしかしたら、こうやって小さな火種が段々大きな闘いの火に、燃え盛るのかも。
そう感じずにいられませんでした。

とても考えさせられた1作。納得。

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ゆき@おうちの中の人

4.0言葉の裏の怒り悲しみを知る

2019年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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ともちん

5.0裁判映画の大傑作!

2019年9月24日
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映画のメッカ・ハリウッドが大好きな"裁判映画"、その大傑作が映画弱小国家(世界的に見たら)のレバノンから誕生!

当地の歴史や社会情勢に詳しいワケでは有りませんが、本作は極上のエンタテインメント性を持っているので、小難しく考え込む事無く清々しいラストまでグイグイと一気に観る事が出来た!

是非、過激発言好きな大統領の政策で分断されつつ有る"今のアメリカ"でリメイクして欲しい。

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ヒロ

5.0宗教や人種に関係なく、どこでも起こりうる諍いがきっかけ

2019年9月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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yukarin

4.0タイトルなし

2019年9月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ふたりの男のささいな諍いが
国を揺るがす法廷争いへ
『ただ謝罪だけが欲しかった』
人間の尊厳をかけたたかう
.
.
1976年1月18日
レバノンのキリスト教徒の民兵組織が
カランティナ地区を制圧
1500人ものパレスチナ人とイスラム教徒殺害

1976年1月20日
カランティナ地区での殺害の報復として
パレスチナ民兵が
ダムールの500人もの人々を殺害
.
15年にも及ぶ内線
歴史は変えられないし忘れられない
歴史を踏まえ進む2人に
ふたつの希望が見えてくる
.
.
レバノンの抱える問題が浮彫りに
国・宗教・人種
イスラム教とキリスト教・パレスチナ難民
この問題は難しく理解しにくい💦💦💦

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lily

5.0いつでもどこでもある話

2019年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

レバノンでキリスト教徒のレバノン人と、移民でイスラム教徒のパレスチナ人が喧嘩し、レバノン人が裁判所に訴える。
ささいなことが発端だが、弁護士やメディアが加わり、政治的な様相を強めていく。
人類が平和的に共存していくことの難しさが痛いほどわかり、とてもやるせない気分になる。

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いやよセブン

4.0良い作品

2019年8月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

レバノン、パレスチナの国際関係は詳しくないけど、話の内容は理解できます( ¨̮ )

これをきっかけにもっと国のこと知りたくなりました。

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shoko

4.5宗教、観念の違いから起きた齟齬を悩みながらも、徐々に修復していく二人の男の姿を丁寧に描く、秀作。

2019年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

相容れないキリスト教徒であるレバノン人男性とパレスチナ難民の男性との些細な口論が、両者引くに引かれぬ状況になり・・。しかし、最後は静かに和解していくストーリーが秀逸。レバノン映画、初めて観た。それだけでも貴重な体験。

<2018年9月3日に劇場で鑑賞>

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NOBU

5.0パレスチナ難民の一例

2019年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

難しい

ジアド監督が日本のプロモーションをしたんですね。
ベイルートに住んでいるトニー(レバノンのクリスチャン)とパレスチナ人で難民で仕事も自由に選べない立場のヤセルとの口論がクリスチャンとパレスティナ(イスラム教)に発展し、それから裁判問題に発展し、それが、トニーの弁護士(レバノンのクリスチャン)がシオニズムだとまで批判され、最後に、大統領が二人と話すことになる。、
法廷の判決が出るまでに二人心のの問題は解決しているという話。トニーの求めているものはヤセルの謝罪だけだから。

個人的な感想ですが、どの国でもどの場所でも起きる可能性のある、ヘイトスピーチだ。ヘイトスピーチが国をあげての問題になった。ヘイトスピーチ(例:イスラエルの大統領が、パレスチナ人を滅ぼすことを望む)トニーがこういう言葉をヤセルに言ったから(?)ヤセルがトニーを殴った。しかしトニーの心にはダムール虐殺(モスリムがこの土地を略奪)で難民になって、レバノンにきたという過去がある。

自分に過去におけるいやな経験があり、それを克服できないでいると、それに似たようなことが起こると過去の経験に照らし合わせて考えてしまう。例えば、あるベトナム人に金を取られたとしよう。そうすると、他のベトナム人にあっても金を取られると思ってしまう。そして、ベトナム人は泥棒と考えてしまう。人と人とのつながりは大切な筈なのに、ネット社会で生きている我々はそのつながりが気薄になってきて、これから、こういう問題がもっと増えてくるだろうと感じた。

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Socialjustice

2.5あまり集中して見れなかった

2019年4月21日
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パレスチナやレバノン、途中から裁判となりストーリーについていけなかった。

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七星 亜李

5.0邦題がいい。

2019年3月31日
PCから投稿

題名を調べたら、侮辱 と出てきた。
確かにこの作品の内容だ。

小さな争いが、宗教、歴史と複雑に絡み合い、国を巻き込む大きな問題へと発展する。先が見えない。

ふたつの希望 と題したのは、ラストでわかる。
そうであってほしいという願いもある。

また、弁護士同士の設定には驚きとともに、ここからの展開に目を見張るものがある。

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miharyi

4.0Insult

2019年3月23日
iPhoneアプリから投稿

最初は難民とヘイトから始まる。ヘイトな旦那に冷めた目を送る嫁。これは世界中で見られる風景。双方弁護士が現れ、構図が社会規模に拡大する。やはり日本ではなく、ここはレバノン。ここまでの歩みの複雑さが比較にならない。それぞれの登場人物 の属性が多様。これは勉強しなければならない。ひとつの価値観に収束はせず、均衡の上にしか成り立たない緊張感のある社会。
判決自体は法律に立ち返った妥当なもの。単純な解ではあるが、単純には思えない。どちらの立場に寄り添って見ることも許されない。ここに登場しないユダヤも同じくそう。

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Kj

4.0二本立て二本目。 頑固おやじ二人の些細な衝突が国を揺るがす大騒動に...

2019年3月16日
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鑑賞方法:映画館

二本立て二本目。
頑固おやじ二人の些細な衝突が国を揺るがす大騒動に。
中東事情が分からぬアホな私にはちょっと難しかった。細かいところが理解できない。勉強してからもう一度見たい。
でもそんなアホな私でも宗教が原因だってことははっきり分かる。もういい加減にしてくれませんかね。世界の対立って大概がこれ。宗教って死ぬのが怖い人間が創り出した救済だって、これだけ科学が進歩した今、どうして気付かないんですかね。せめて違う立場を認める寛容ささえ身につけてくれれば…。レバノン映画なのにレバノンでは当初上映禁止って。
頑固おやじ二人が個人的邂逅を見せる部分が泣ける。でも二つの希望って、あと一つは何だ?

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はむひろみ

4.0個人と個人のトラブルに非ず、二つの国の対立と未来への縮図

2019年3月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

幸せ

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近大

4.5判決 二つの希望

2019年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

パレスチナ問題を取り扱っているけれど、テーマは「相手の気持ちも考えよう、理解しよう」なのでしょう。日本社会での「いじめ」「パワハラ」「セクハラ」に通じるテーマだと思います。
よく分からないのが「裁判」の仕組み。
刑事裁判のようなのですが、「検察官」がでてこない。損害賠償の話も出てきたり。レバノンの裁判は刑事と民事が混在しているのでしょうかね。

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BABA

3.5原題は「侮辱」なんだって

2019年1月21日
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予備知識なく見始めたので、すぐにヤバイ!レバノンってなんだっけ💦 パレスチナ問題って確かえっと💦💦 と悶絶したけれど…なんとかついていけました。

伝えたいメッセージに対して、この国の事情のおかげで恒久的なテーマに仕上がったという、完璧な映画でした。

目だけで語れるスタローン似な主演男優さん、なるほどの男優賞!

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ジャム太

4.0忘れずに前に進む……て難しいよ

2019年1月20日
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と、こういうの見るといつも思う。
直接の加害者ならもちろん、こういう歴史的な確執の場合は、表面的には語れない…からこそ、表面的には争わずに済ましていこう、とてこなんだろうが。
こうやって、ふとした弾みで出てきてしまう。
出てきた「それ」を、またどうやって宥めていくのか、いけるのか、いくしかないのか、いくしかないよね、いけるよね、と段階を踏みつつ、前に進むしかない、んだろうな。
映画の中では、二人のラストにわずかな希望をみせて終わり、それしかないよね、と思わせる。

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fmimi

3.5登場人物が全員、興奮している映画。

2018年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

 登場人物全員が各々、自分の主張を譲らず、大声でまくしたてる映画でした。日本ではまず、考えられない映画です。なるほど、これが中東の実情なのか、と闇の深さを感じざるをえませんでした。謙譲や寛恕の精神は彼らとは無縁なのでしょうか。レバノンがこうなのですから、イスラエルとパレスチナの対立はもっと凄惨なのでしょう。宗教よりも人命を大切に扱うべきです。人を幸福にするための宗教がここでは人間を不幸にしています。いつの日にか、かの地にも平和が訪れることを祈らずにはいられませんでした。

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bashiba

5.0見せ方上手&説明上手!

2018年12月5日
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題材とか、お国の違いからくる理解できない感情とかあると思ったら、全然!憎しみに共感して、こちらもきりきり胸締め付けられながら、そしてお話はどんどん展開していき、盛り上がります。絵的に派手なことは起こってないけど、緊迫感のある演出とテンポで、最後まできっちり仕上がってました。

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アマチュア