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◆プーと大人になった僕
平均評価[3.7]

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作品情報


“大人”になるってどういうこと…?
印象:
鑑賞方法:DVD/BD
Androidアプリから投稿
評価:[3.5]

Blu-rayで鑑賞。

幼い頃、「くまのプーさん」のビデオを持っていたので、よく両親と一緒に観ていたことを覚えています。
プーさんの何とも言えないユルさ、ピグレットの臆病加減のかわいさ、ティガーの底抜けの明るさなど、独特な個性を持つキャラクターたちの起こす騒動に癒されていました。
そんな彼らの親友、クリストファー・ロビンの優しさも好きでした。

その想い出があっての鑑賞でした。あの頃からときは経ち、私もいつの間にか大人の仲間入りをしていました。だからこそ、余計に胸に沁みました…。
「くまのプーさん」の実写版ですが、内容は完璧大人向け。社会の荒波に揉まれる人に捧げられた作品だなぁ、と感じました。

仕事に追われ、休みも無く、愛する家族との間に微妙な距離ができてしまった、“大人になった”クリストファー・ロビン。そんな彼の前に、子供の頃の親友プーが現れるところから、物語が始まりました。
100エーカーの森を離れた後は、寄宿舎学校で窮屈な日々を過ごし、父の死、愛する女性との出逢い、戦争での過酷な体験など、様々な出来事を経た彼は、愛する家族を“幸せ”にすることを目標に、バリバリ働き、仕事での重要な問題に頭を悩ましますが、大切な何かを次第に見失ってしまっていました…。
そんなところに現れたプーに対して、その自由な行動や言動に思わずイライラして、怒りの感情をぶつけてしまうクリストファー・ロビン。それを観たとき、あぁ…これが“大人”か、と。いつの間にか余裕を失っていないかな、と何だか悲しくなりました…。

プーの言葉には哲学的な要素があり、ハッとさせられることもありました。まさに、人生哲学。いろいろ教えられました。
「“大切なものが入っている”それは、風船より大事なの?」、「“何もしない”をしているよ」…これか、と思いました。何て深いんだろう…思いも寄りませんでした。
立ち止まって、一息吐いてみる。すると、今まで見えていなかったものが見えて来る。それに、忘れていた想いも…。幸福への近道がそこにあるのかもしれないなぁ、と。

プーや仲間たちは実写になっても、いやはや癒される…。ぬいぐるみのモフモフ感が心底堪りませんでした!
しかし、ユルさ、かわいさが変わっていないだけに、余計に辛かったです。私が彼らへ注ぐ視線に、少しだけ世知辛いものが混じっていたことが…。言動にイラッと来る自分を見出だしてしまったことが…。
そんな中で、クリストファー・ロビンが彼らのことを見つめる目が、少年の頃に戻っていく様がイキイキとしているようで、その変化に引き込まれました。
この目線、この心持ちを忘れてはいけないなと思いました。彼らへ温かい目を向けることができなければ、このままでは、いつの間にか人間が荒んでしまうかもな、なんて…。

邦題が何だか切ないなぁ、と思っていました。わざわざ、“大人になった”を付けているところがです。
「“大人”になるってどういうことかな…?」という疑問を突き付けられたようで、深く考えさせられました。
忙しなく変化していく世の中で、様々なことに直面し苦悩し日々に追われてしまって、その内に“何か”をポトリと落としてしまうのが“大人”だとしたら、それはあまりにも切ないなぁ、と。
責任が伴う中にあっても、ひとつの大切な“想い”を見失わなければ、自然とどうすれば良いかが見えてくるのかもしれないなと感じました。
それに何より、“何もしない”の精神を忘れないことが大事だな、と。肝に命じます。

2019/05/28 syu32さん

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