劇場公開日 2018年9月28日

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「設定は斬新。」クワイエット・プレイス おのひとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5設定は斬新。

2019年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

設定が斬新すぎて、鑑賞中、主人公たちの行動について疑問に思うこともあったけれど、そこは映画だし、非現実的な世界だし、現実世界でだって人間アホなことをするものだし、気にせず見れる程度。
それにこの物語のフォーカスポイントは、そもそも、
現実世界で普通にするようなミスが、命とりになるというところ。
自分だったらこうするのに、っという意見もあるけど、
実際こんな世界に生きていたら、平常心じゃいられないし、ミスだって無意味な行動だって、起こすだろう。
あと、
非現実的な極限の世界だからこそ、現代社会では希薄になりがちな、愛情表現や、家族のつながりの美しさ、はかなさが浮き彫りになるところ。

単純に恐怖をあおるようなホラー映画や、ゾンビエイリアンパニック映画好きにはそもそも向かない。

出産について。
これは、人間の絶滅を阻止する目的もあるし、家族が増えることでの団結力や精神安定が期待できるし、いつ親が死んでも兄弟だけで協力して生きていけるようにする、未来への希望と考えられる。
老夫婦の例もあるだろう。人間孤独では生きていけない。

滝の近くに住め、という意見について。
衛生的にもよくないし、水場にクリーチャーが水を飲みに来る可能性だってある。川沿いに住処を移動させるとしたら、移動のリスクがあるし、簡易テントを立てるにしても音を立てるリスクがあるだろう。
それよりは、既存の家に住むほうが、地下もあるし、安全といえる。壁があることで、人間は安心するものだし、多少の防音にもなる。そして非現実的な世界においても、普段通りの生活を忘れないことで、精神安定につながる。

クリーチャーの外殻について。
銃で殺せるじゃんと、言っている人がいるけど、それは頭部の外殻がはずれて聴覚器?の粘膜部分(皮膚の柔らかい部分)に命中したから。そして補聴器でクリーチャーが弱ったから。
弱点のわからない状態で、あのスピード、金属質の外殻で襲ってきたら、一般人じゃ銃もってても勝てないだろう。

裸足について。
靴下だと一気に加速して走って逃げるとき、砂の上だとすべるからなのかなと。だからって砂がなくて靴下だけでも、音がでるリスクがあるし。

いろいろ考察できて、面白い映画。

子供があまり泣かないのは、ちょっとご都合主義的な感じがあるかな。
確かに、あの怪物で世界ここまで世紀末になるかな、とも思った。メキシコに隕石落下としか説明されていないし。軍事力で対抗できない、銃器でも対抗できない金属質の外殻なのだろうか・・・とか。島国までクリーチャーが泳いでいったのか、すごい繁殖力なのか、メキシコ以外にも隕石が落下したのか、など。

おのひとみ