運命は踊る

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劇場公開日:

運命は踊る

解説

「レバノン」で第66回ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したイスラエルの名匠サミュエル・マオス監督が、実体験をもとに運命の不条理や人生のやるせなさを描いたミステリードラマ。テルアビブのアパートで暮らすミハエルとダフナ夫妻のもとに、軍の役人が息子ヨナタンの戦死を知らせにやってくる。ダフナはショックのあまり気を失い、ミハエルは平静を装いながらも役人の対応にいら立ちを覚える。やがて、戦死は誤報だったことが判明。ミハエルは怒りを爆発させ、息子を呼び戻すよう要求する。一方、ヨナタンは戦う相手のいない前哨基地の検問所で、どこか間延びした時間を過ごしていた。ある日、ヨナタンは若者たちの乗る車を取り調べするが……。第74回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞。

2017年製作/113分/イスラエル・ドイツ・フランス・スイス合作
原題:Foxtrot
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2018年9月29日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第74回 ベネチア国際映画祭(2017年)

受賞

銀獅子賞(審査員グランプリ) サミュエル・マオス
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(C)Pola Pandora - Spiro Films - A.S.A.P. Films - Knm - Arte France Cinema – 2017

映画レビュー

4.5運命の理不尽さ

2018年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

イメージで語るのが映像の醍醐味だが、本作はその醍醐味に溢れている。玄関に飾られた抽象絵画、繰り返しのデザインが印象的な床のタイル、検問所を悠々と通貨するラクダ、鳥の大群、車に大きく描かれた金髪の美女など、セリフや人物の行動とともにそれらのイメージが雄弁に作品のテーマを語る。

邦題『運命は踊る』とあるが、運命とは超然的な力だ。個人がよかれと思って行動したことが、予期せぬ結果に収束する。これが運命だ。息子を助けたい親の行動が、息子を追い詰める。世の中はそんな風にままならないことだらけで、人は運命に導かれ結局同じ悲劇を繰り返す。原題はフォックストロットというダンスの一種から取っているが、その繰り返す運命の比喩だという。

これはイスラエルの物語だが、観客に突きつけるものはイスラエルの問題ではない。人間の運命の理不尽さが的確に描かれている。

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杉本穂高

3.5こんなにも不可思議な構成で運命を描き出した怪作

2018年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

こんなタイプの映画は初めて観た。宣伝のチラシには本作が並外れた映画であることが記され、現にヴェネツィアでは審査員グランプリを獲得するほど激賞された作品だ。

正直言って、私にはこれが傑作なのかどうかは判断つきかねるところがある。むしろ、評価や満足などの「人の手によるラベリング」の域を超えて、不気味に体内へと侵食してくる映画のように思えてならなかった。

これまでにも「運命」というものを捉えた芸術作品は星の数ほどあったろう。しかしそれをこんなに特殊なカメラワークと構成、リズムとテンポ、語り口で描き出してしまうことに、胸の内側が静かに沸騰させられた。何よりも、眼前に生贄のごとく吊るされた運命を、これほど俯瞰して見つめた作品は他にないと思うのだ。近隣の国や地域と衝突を繰り返すイスラエル。だがこの映画は、宗教や政治、主義、主張、その全てを超えて、世界の共通言語として受け止められる。そう強く思った。

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牛津厚信

4.5おもしろくはないです。が、

2020年4月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

知的

難しい

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maru

4.0必ず同じ場所に帰るダンス

2020年2月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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filmpelonpa
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