港町

劇場公開日:

港町

解説

「選挙」「精神」「演劇」などを手がけた想田和弘監督が、港町で暮らす人々にフォーカスを当てたドキュメンタリー。前作「牡蠣工場」の撮影で岡山県牛窓を訪れた想田監督は、撮影の合間に港を歩き回り、その最中に町の人々と出会う。失われつつある土地の文化や共同体のかたち、小さな海辺の町に暮らす人びとの姿と言葉が、モノクロームで映し出される。ナレーションやBGMなどを排した想田監督独自のドキュメンタリー手法「観察映画」の第7弾として製作された。

2018年製作/122分/日本・アメリカ合作
配給:東風、gnome
劇場公開日:2018年4月7日

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映画レビュー

4.0経済成長の代償として、今の日本がどこかに置いてきてしまったきたもの

2021年1月16日
iPhoneアプリから投稿

都市型経済が追いもとめる、効率化、合理化とは無縁の世界。
ゆえに都会とは時間の進みかたが全く違う。
モノクロの映像がシンクロして、時間が止まっているかのよう。

想田監督が港町の人びとを観察するだけではなく、観客もカメラを通じてそれぞれのフィルターを通して観察する。
押し付けがましい場面説明やナレーションはないので、何をどう感じるかは観る側の自由に委ねられている。

監督のカメラからみる被写体の姿は、とても自然な表情で印象的だ。
まるで彼らの普段の生活を横から眺めるかのよう。ワイちゃん、クミさん。ほんとうに魅了的な人たち。

牛窓のような港町はどこの地方でもあったのだろうが、間違いなく日本の共同体は崩壊しつつある。子どもたちは昔からの生業では食べていけないため、都会へ出ていく。
残されるのは高齢者ばかり。
地方はどんどん「砂漠」化していく。
そんな寂しさを感じざるを得ない。

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atsushi

4.0あえてのモノクロ仕上げ

2020年5月19日
Androidアプリから投稿

町が過疎化により退廃していく様をモノクロームで描くことで、写し出される風景や家屋にも魂が入ったようです。過度なナレーションや演出もなく人間が本当に自然で映っている様に共感。

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ちゆう

5.0つまらないかもと見出した自分は未熟

2020年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

幸せ

だいたい作風は想像できたし、その範疇であったのだが、内容への興味は想像を遥かに凌ぐものだった。というのも、白黒で静かに始まった質素な映像を自分勝手に侮ってしまったわけで、その最初の負のレッテルが見ているうちにどんどん剥がされていき、未熟な自分を恥じつつも、終いはただただこの作品への称賛しかなかった。
なんで侮ってしまったかというと、この素晴らしいロケーションをなんで白黒で、なんて思ってしまったのが最たる要因で、その意図を徐々に理解できるような仕組みになっており、それが理解というか肌で感じ取るようになったときにはもはやこのドキュメンタリーの虜となっていた。
観察ドキュメンタリーと銘打って数々の名作を生み出されているけれど、作り手と対象者の関係性が重要な作品がほとんどで、観察しているうちに、その関係性が見えてきてそれが作品への興味を高めていく。
この関係性を見ることで、その地というものを深く理解できたような錯覚に陥る。錯覚というよりは真実をついていると言った方が適切かもしれないけれど、あくまで一つの視点での偏った見方ということで、一応錯覚と─。
白黒映像からでも美しさは伝わってくることが場所だったけれど、それだけにとどまらないその地の魅力を十二分に堪能できる素晴らしい映画だった。

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SH

2.5観察映画

2019年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ある漁村で生きる年老いたワイちゃんとクミさんを観察し、今の日本の断面を描く。
淡々と映し出されていくので、眠気が襲うが二人の話すことが人生を語るようで重い。

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いやよセブン
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