スパイダーマン スパイダーバースのレビュー・感想・評価
全380件中、1~20件目を表示
なぜ我々は、スパイダーマンがこんなに好きなんだろう
アマゾン・プライムビデオで、レンタル100円だったので課金して視聴した。外出自粛の今、この映画を鑑賞できたことは本当に幸運だったかもしれない。とてつもなく爽快な作品だった。
もうなんだか、雄叫びをあげたいくらいの映画的喜びがのべつ幕なしに襲いかかってくる。テンポは鬼のように良く、疾走感が半端ではない。全身を興奮が貫き、気分を覆っていた暗いモヤみたいなものが一瞬で吹き飛ぶ。
1秒も“面白くないシーン”がなかった。映画館に行けずに、くさくさしているときに見られて、人生がいくらか取り戻せたような気がした。
素敵な要素はそれこそ無数にあるが、なかでも印象に残ったのは、アニメーションの質だった。
ショットは全てがバチバチに決まりまくっていて、どのシーンを切り取ってもデスクトップの壁紙にできる。ドラマやアクションが皆無の“主人公が歩いているだけ”の場面を見ていて、「なんてすごいんだ」とため息が漏れてくる映画なんて、本作が初めてだった。
それと、鑑賞中にずっと考えていたことがある。それは、「なぜ我々は、スパイダーマンがこんなに好きなんだろう」ということだ。本作に登場する“何人ものスパイダーマン”の群像劇、そして「何度でも立ち上がってきた」など綺羅星のようなセリフに浸り、その理由がわかった気がした。
革命的映像
CGと手書きのハイブリッドで描かれたこの革新的アニメーションは、後年エポックメイキングな作品として語られるかもしれない。アメリカのアニメーションはフルCG作品ばかりで、ほとんどはフォトリアリスティックな作風だが、アメコミをそのまま動かしたかのようなビジュアルは、アメリカのアニメーション業界に風穴を開けるかもしれない。CGか手書き、どちらが良いかではなく両方の良いところを見事にブレンドしてみせた。
さらにすごいのは、全くスタイルの異なるデザインのキャラクターたちが併存しても違和感がないところ。モノクロにカートゥーンタッチ、日本のアニメルックのキャラもいる。これらのキャラクターを描き分けるのは大変な作業でだが、多彩なデザインのキャラクターが共存するということ自体に、多様性についての重要なメッセージがある。物語ではなく絵でテーマを語る姿勢に感銘を受けた。
ストーリーもめっぽう面白く、スパイダーマン史上最高に面白い作品だ。
もう一歩先のセンス、が欲しい
字幕で1回目を観て、吹き替えで2回目を観た。最初の字幕の時もフツーに面白かったんだけど、吹き替えの方がノレたね。
もちろん、内容がわかってるっていう部分は加味しないといけないが。
アニメ的なテクニックの部分は詳しくないから、カッコ良かった、とだけ言っておく。
吹き替えの方が映画自体にノレた理由は、多分スピード感の問題だと思うね。
全体的にアップテンポだし、スパイダーマンという作品世界が持っている「ノリの軽さ」を味わうには、英語を聞きながら、字幕を追いながら、さらに映像を楽しむという三段階の鑑賞では間が追いつかない。
気楽な鑑賞姿勢がコメディを楽しむ下準備として最適だし、映像が感覚に直結する快感がアクションの醍醐味なんだな、としみじみ感じた。
ストーリー的にちょっと面白いな、と思ったのはマイルスがヒーローになる物語と、ピーター・B・パーカーが再び立ち上がる物語が平行して描かれたいるところ。
どう贔屓目に考えても腹の出た中年スパイダーマンの方が自分には近い存在だし、若い頃希望に満ちていると思っていた将来は、現実としては決して甘くない試練の連続。
ヒーローであっても逃れられないものという世知辛さが、アーティスティックなアニメの世界で絶妙な隠し味だ。
マーベルの中でも「スパイダーマン」はかなり好きなヒーローだけど、今作ちょっと物足りないのは上手くまとまりすぎてやや小粒感があるせいだと思う。
冒頭でのモノローグ風ナレーションがエンディングにも挿入される「出発点と帰結点が同じ」という構造が、この世界観の広がりを自ら閉じてしまったような印象なのだ。
キャンディの包みみたいな形を想像してもらえるとわかりやすいかな?両サイドがキュッっと絞られてるような、あんな感じだ。
クールなアニメ作品だった事に文句のつけようはないけど、奇抜で興味深い世界をを自ら閉じてしまう物語の作りに、ワクワク感を削がれてしまったのは私だけだろうか。
アニメ版
さんざん実写版が出た後でのアニメ。なんか不思議。
でもいろんなタイプのスパイダーマンがいて、その中にはピーター・パーカーもいて、時空が歪んでみんなが集まったって設定もなかなか面白い。中学生のスパイダーマンになりたてのマイルスの成長する様子が微笑ましい。この内容では実写は無理だろうし、アニメもとても綺麗だった。
ひとりじゃないっていい。各マルチバースのスパイダーマンたちは孤独を...
ひとりじゃないっていい。各マルチバースのスパイダーマンたちは孤独を感じていたということか。敵ボスはキングピン。キングピンが妻と息子を他のマルチバースから呼び入れるため、世界の崩壊の危険性を無視して行動する。でも実は他のマルチバースから来た人は時間が経つと細胞が崩壊する。キングピンはそれ知らないんだろうね。2度までも妻と子をなくすところだった。スパイダーマンたちも戻らなければ死んでしまう。マイルスの成長とピーターBの心を取り戻すための2日間だった。
繰り返されるリブートを逆手にとってオリジナリティを確立した
2018年時点でこれがアニメの最前線だったのだろう。
なぜ過去形かというと本作の続編「アクロス・ザ・スパイダーバース」が完成したからだ。
ただ、続編は未見なので、今回は「スパイダーバース」の話をする。
テーマは「誰でもスパイダーマン=ヒーローになれる」という明確なもの。このメッセージは興味深い。ヒーローとは人気者のことだろうか。それとも、誰にも知られずに世界を救う人でもいいのだろうか。本作の中では定義はされない。ただ、昨今の世の中を見ていると、ヒーローは善意の人であり、人気者でもあるのだと思う。
主人公のマイルス・モラレスは大好きな叔父と一緒に路地の奥の壁にスプレーで絵を描いたりしていた。そんな彼が人気者になるのだから、「KAWS」のようなストリート・アーティストの姿が重なる。音楽もヒップホップだし、全体的にストリート・カルチャーを意識した作りになっている。アメリカでは十代の少年たちはみんなストリート・カルチャーを通過するのだろうか。
個人的には、先述の「KAWS」や「バンクシー」「インベーダー」など、ストリート出身のアーティストが増えていることから推測するに、本作はモダンアートを意識しているのではないかと思う。
最近の映画はマルチバースだらけだ。スパイダーマンも並行世界でいろいろな物語がある。もう飽和状態だったのだと思う。実写版のスパイダーマンも何度もリブートされているし、ほとんどやることがない。ただし、だからこそ、スパイダーマンをゼロから考え直したのではないだろうか。
もともとはアメコミで、そのあたりに住んでいる少年がスーパーパワーを手にいれる。それをもう一度かっこよく表現してみたらどうなるだろう、というのが本作なのだと思う。
制作陣は根本的な、大切なことを見つけるための考察を深める中で、人は誰でもヒーローになれる、というメッセージを見つけたのではないか。そして、ヒーローになるのは、他のスパイダーマンの真似をするのではなく、自分だけのスパイダーマンになることだし、町の人気者になるのもいいが、やはり家族が一番大切だ、というごくごく当たり前のところに立ち返った。
最前線のアニメーション表現をするとき、ストーリーはシンプルでよいのかもしれない。もしくは、シンプルなストーリーのほうが多くの人に響くのだろうか。
とにかく、本作はアニメーションの現在というものを見せてくれる素晴らしい作品だった。
4.3 クオリティが素晴らしい
クオリティが圧巻のレベル。
フォトリアルをベースとしつつも、キャラクターはマットな質感、おそらくシェーダーとポストエフェクトでゴリゴリに手を加えており新しいジャンルの表現を編み出していると思われる。所々で、サマーウォーズ感があったりと、日本のコンテンツをオマージュしているようにも思われる。かなり映像への満足度が高い。
またアートなカメラワークや、絵画的なシーン表現があり、これは映画やと感じた。
それ以外にもストーリーも魅力的だ。出来損ないの主人公が覚醒してクライマックスに向かうシーンは王道感満載、ワクワクで胸がいっぱいになった。
他のマルチバースなスパイディたちも魅力的で、今後も見たいと思うものだった。
画の面白さが爆発している
「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」の予習&サム・ライミ版やアンドリュー・ガーフィールド版の方がもちろん好きな上で鑑賞ました。
あまりハマらなかったビジュアルで、ま~~たマルチバースか…と正直MAX
楽しめるスタイルではなかったけれど、何がすごいのか、何が評価されているのかは十分理解できました。
「めっちゃ親子喧嘩するじゃんww!」というのが大まかな印象。
親子関係、自分との葛藤みたいな”青春要素”が強くて、意外とヒーローっぽさはないな~とも感じました。
ピーター・パーカーが存在する次元で、もう一人のスパイダーマンになってしまった少年の葛藤を描いていて、サムライミ版よりもむず痒いシーンが多いなという印象。
今シリーズは4,5本ある?らしいので、一応追っていきたいな~と思うくらいには面白かったです。
スクリーンで観たかった
順序が前後しましたが一作目となるこちらを鑑賞しました。
ストーリラインは「だからか、なるほどね」と、色々ハマっていく感じが楽しかったです。
やはりビジュアル面は素晴らしく、まさに動くアメコミでした。
この一作目の方が、もっと分かりやすくコミック化してましたね。
ただアクションのダイナミックさや、作画のクオリティは「アクロス」の方が上回ってました。これを感じてしまうのはしょうがないですね。
でも物語的には、こちらの方がキャッチーで入りやすかったです。
できたらこちらもスクリーンで観たかったですね。
とても楽しかったです。
マイルス君がマジメだし、とても好感が持てる
映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を観た後、一作目の「スパイダーマン:スパイダーバース」を観ていなかった事に気づく。
主人公マイルスが一人前のスパイダーマンになるまでの成長物語。
実写版は、自分のワガママでマルチバースを開いてしまったりアホさが目立つ上、アベンジャーズがいっぱい出てきて話がとっ散らかっているけれど…
本シリーズはマイルス君がマジメだし、とても好感が持てる。
マルチバースが開いたのは、マイルス君のせいでは無かったよ。
スパイダーマン初心者にもおすすめ
ディズニープラスで久々に鑑賞。
アニメで観るスパイダーマンはすごく斬新で、動くアメコミのような絵柄が新鮮でした。ビルなどをスイングしたり、悪の組織と戦うアクションシーンはUSJのアトラクションに乗っているような爽快感がありました。
マルチバースからやってきたスパイダーマンはみんな個性的で、それぞれの見せ場がしっかり用意されていたのもよかったです。特に、ペニーパーカーは日本アニメを意識したようなキャラで、萌えやジャンプ作品の要素をミックスしたデザインが好みでした。
ストーリーはマイルスがヒーローになるまでの過程が丁寧に描かれており、あの有名な名言「大いなる力には、大いなる責任を伴う」のテーマと向き合っている印象が強かったです。キングピンも悪のボスでありながら、辛い過去を経験している所からヒーローに対する憎しみに共感してしまいました。
あらゆるアニメーション表現をミックスさせ、製作陣が大きな挑戦に挑んだことが伝わってきた素晴らしい映画になっていました。スパイダーマンをあまり知らない人に向けた説明が多いため、そのような人にもおすすめです。
キングピン
まあスパイダーマンはサムライミなどたくさん作品がありますが 今回アニメということで映像もスタイリッシュでアクションの演出はスピードが速いです ですから映像を見ているだけで結構楽しめます 今回悪役のキングピンていうキャラが見た目強烈なんですけど このキャラのスピンオフ作品とか作ったら面白いと思いますね まあそれなりに良くできている作品ですかね
よかった
2回目の視聴!1回目はどれで見たか忘れた、、
•主人公が少しずつ成長していくのがよかった!
•白黒のスパイダーマンが好きかな。
•叔父さんを失うのはやっぱり哀しい定めがあるのか、、
このスパイダーマンシリーズ最高です!
続編公開中ということで
Disney+で鑑賞
いやあ
映画館で見たかったなあ!
とてもスタイリッシュで
映画のテンポも良く
シナリオも最高でした
すんごく面白かったです!!!
評価が高い続編を
映画館で観ることができて
とても光栄です!
これより映画館に行ってきます!
ピーター・パーカー2.5
公開当時に劇場で吹替版を観て、先日続編を観たのでおかわり。ディズニー+の民じゃないのでAmazonで観られてラッキー。
当時、研究所への侵入パートが印象に残っていたけど、今みてもアクション的にもコメディ的にもあそこが1番盛り上がっていたと思う。
当時は観終わったあと、すごい情報量で疲れた記憶があるけど、2を観た後だと映像ストーリーもものすごいシンプル、何ならあっさりに思えてくる。
「たった1人の」スパイダーマンがいたはずの世界で新たなヒーローとその仲間が活躍する話…うぅぅ。クモの数字がまさかあんな回収のされ方するとは。
ピーターやグウェンの葛藤もまだそこまで深刻ではなく、両親との関係も穏やか。
一方でいろいろ経験したBパーカーは抜けてるようで決めるとこは決める冴羽獠的な2.5枚目のかっこよさがある。マイルスを除けばほぼBパーカーとあとスパイダーハムのかつやくに持っていかれた。
それから父も叔父さんもかっこいい。マハーシャラ・アリみたいでクールと思ったら本人だった。グウェンもこの時はまだ単にいけてるかわい子ちゃんだった…。でも劇場でもらったカードが彼女でうれしかったのは覚えてる。
なにしろこの時はまだ、色んなタイトルのスパイダーマンがそれぞれのスタイルのまま活躍する、とにかくそれが斬新で衝撃的だった。
アニメならではの理想的なポーズやアクション、色彩で描かれたスパイダーマンがかっこいい。カートゥーンなのか日本のアニメかわからないが、とにかくディズニーとは異なるキレのあるモーション。テンポがよくユーモアに溢れた楽しいやりとり。おもちゃ箱をひっくり返したような情報と生理的快感の渦。それで満足だった。
それが続編でまさか何倍もの情報量とテーマの深まりを見せてくるとは思いもしなかった。
ところで加速器のシーン、例のあの人が気になって探したけど見つけられなかった。さすがに登場してなかったのかな?
“動くアメコミ”にしてCGアニメの革新的作品
【モンスターホテル】(以下【ホテル】)のソニー・ピクチャーズ アニメーションが制作。
結論から言うと個人的CGアニメの最高峰【トイ・ストーリー3】以来頭打ちになっていたCGアニメ表現に一石を投じ、しかもスパイダーマン作品随一の面白さという全くもって見事な名作だった。
【ホテル】からそうだがこの制作会社は“動き”の情熱がとにかくすごい。カートゥーン特有のメリハリとオーバーリアクションをCG上で完全再現しており、描かれるキャラ達の所作と表情の喜怒哀楽はまさに手書きのカートゥーンそのもので“もっと見たい”と思わせる作り込みだった。本作ではその“動き”の熱意がより洗練・昇華され、ビジュアル面でもアメコミ的なエフェクトや演出にも力入れた結果、“絵”と“動き”はCGアニメ歴代トップへと図抜けていた。そんな極まった映像技術で作られたシーンの個人的一押しは主人公が覚悟を決め摩天楼を駆け抜ける所。BGMもスタイリッシュで非常にカッコいいこの覚醒シーンは疑いなくCGアニメ界の最高峰、たぶん古今東西のアニメを含めても上位に食い込む。それ以外ではBパーカー(師匠ポジ)と主人公の最後のやり取り、これまでの海外アニメとは違う日本アニメ的な演出なのもあって実に印象に残るヒーロー誕生シーンだった。
計6人のスパイダーマン全員がしっかり活躍し存在感を出していたが、ペニーが最も異彩を放っていたので少し語りたい。調べたら原作からずいぶん日本人好みのデザインになっていて動きと表情も日本アニメに寄せている---『セーラームーン』を参考にしていると言ってるから当然と言えば当然だが、『AKIRA』や宮崎駿作品なども取り入れたらしいので随所で日本人に馴染み深い作風だったのも納得、それだけジャパニメーションの影響力が凄いのだろうが海外はホント『AKIRA』が好きだ。
以上、マジパーフェクトなので後は見てどうぞ、その際は吹き替えを大いに推奨する。
全380件中、1~20件目を表示