劇場公開日 2018年7月7日

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「設定は楽しいし才能を感じる。ただ、もうひとつだけ壁を打破してくれれば。」ルームロンダリング ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0設定は楽しいし才能を感じる。ただ、もうひとつだけ壁を打破してくれれば。

2018年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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マネーロンダリングなら聞いたことがあるが、こちらはルームロンダリング。その言葉に触れた瞬間に、本作の光景が脳裏にすっと広がっていくのがすごいところだ。この世に住んでいる以上、住居、それも事故物件について考えたことのない人なんていないと思うので。

ならばこの映画は一体どんな色彩やテイストで「物件ドラマ」を描いていくのか。『シックス・センス』プラス『アメリ』といってしまえばそれまでだが、しかしその組み合わせも決して悪くはない。色彩もポップで愛らしいし、同居人たちもなんだか愉快だ。オダギリの飄々とした役柄も最後まで飽きさせない。

残念なのはそのようにして巧みに立ち上げた設定を、劇中でもう一味、効果的に展開させられなかったこと。中盤以降は空気の対流が止まってしまって、見ている側もどうしても「待ち」の姿勢になってしまう。この確かな才能ある監督が、次回作はもう一つ壁を打破して、孵化することを願う。

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牛津厚信