ハッピーエンド

劇場公開日:

ハッピーエンド

解説

「白いリボン」「愛、アムール」の2作連続でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した名匠ミヒャエル・ハネケが、難民が多く暮らすフランス北部の町カレーを舞台に、不倫や裏切りなどそれぞれに秘密を抱えた3世代の家族の姿を描いた人間ドラマ。建設会社を経営し、豪華な邸宅に3世代で暮らすロラン一家。家長のジョルジュは高齢のためすでに引退し、娘のアンヌが家業を継いでいた。アンヌの弟で医者のトマには、別れた前妻との子で13歳になる娘エヴがおり、両親の離婚のために離れて暮らしていたエヴは、ある事件をきっかけにトマと一緒に暮らすためカレーの屋敷に呼び寄せられる。それぞれが秘密を抱え、互いに無関心な家族の中で、85歳のジョルジュは13歳のエヴにある秘密を打ち明けるが……。「愛、アムール」で親子を演じたジャン=ルイ・トランティニャンとイザベル・ユペールが、今作でも家長のジョルジュと娘のアンヌをそれぞれ演じ、親子役で再共演。「少女ファニーと運命の旅」で主人公の妹を演じたファンティーヌ・アルドゥアンが、重要な役割を担う13歳のエヴに抜てきされた。

2017年製作/107分/G/フランス・ドイツ・オーストリア合作
原題:Happy End
配給:ロングライド
劇場公開日:2018年3月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第70回 カンヌ国際映画祭(2017年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ミヒャエル・ハネケ
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映画レビュー

5.0コミュニケーションの不可能性

2018年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

ひとつの家族の物語であるが、それぞれがバラバラで気持ちがつうじあっていないので、まるで群像劇を観ているような気分になる。家族は人が生きるうえで最小単位の共同体であるはずだが、本作ではそれすら満足に維持できていない。

本作の舞台は移民・難民問題に揺れるカレーという街だが、移民問題は遠景として登場するのみ。それよりも小さな単位の共同体の家族にもっぱらフォーカスしている。そしてその家族が壊れている。複雑な問題をたくさん抱える欧州だが、コミュニケーションの不可能性は、家族にまで及んでいる、あるいはコミュニケーション可能だという幻想がここまで剥がれ落ちているのだとすれば、移民や多文化の共生など考えうるのか、もはや現代人はそれ以前の問題に直面しているのではと思わせる。

イザベル・ユペールとジャン=ルイ・トランティニャンは相変わらず素晴らしいが、本作は子役のファンティーヌ・アルドゥアンの存在感がひときわ光った。新しいスター俳優の誕生かもしれない。

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杉本穂高

3.5会話エロチャ会話、終始居心地の悪さ。

2024年2月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

結構早い段階でこの家庭終わってんなって気づく。あとはその家庭がずーーーっと映し出される。なんだかんだで死が身近な存在の中学1年生エヴちゃんは、メンヘラぶってハムスター殺めた様子をSNSにあげちゃったり、臨海学校で自分が薬を盛った友達が卒倒して後悔はしちゃう可愛げがある。ただ意図的に整った顔の接写や長回しを結構な時間観客は観ることになるから、ちゃんとこの子役を売り出そうとしてるなって感じが少しくどい。
冒頭のシーンとかでエヴが死をiPhoneのカメラ越しで見るのは何故か。
祖父ジョルジュとの告白合戦でしっかり理由は分かるよ。
あとロラン家の家庭が終わってる原因は大体叔母のアンヌのせい。人の心が分からないのに母親面、家族の大黒柱面はしたがる周りにいて欲しくないタイプの人間。
そら息子も変人ぶりだす。
アンヌの息子は圧倒的閉鎖空間の富裕白人達の社交場で「わざと」家に仕えているモロッコ系の使用人に注目集めさせたり、その辺で拾ってきた移民のアフリカ系にその場の視線を集めるという地獄みたいな行為をします。あとエヴの父親トマとチェロ奏者のババアの生々しい中年放尿地獄エロチャットもみれます(娘にバレるというおまけ付き)。つまりハネケ的地獄をしっかり味わえます。

なんだかんだで結構面白い映画だった

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園ジオン軍

3.5死への尊重

2022年9月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人評価:3.7
85歳の老人と、13歳の少女の個人的な想いに寄り添った物語。
生き方は他者の価値観ではなく自分で決める。生きた年数は違っても、少女と老人の想いが交差する。それが見る側に違った角度の価値観を教えてくれる。推奨はしていないと思うが、それぞれの死への尊重が感じられ、名匠ミヒャエル・ハネケの深いテーマを感じる。

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カメ

3.5皮肉たっぷりの題

2022年6月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

知的

上品で優雅な雰囲気を覆すミヒャエル・ハネケの突拍子もない変態性、登場人物が続々と混乱しそうになりながらもユックリと落ち着いた時間が流れる物語から理解できる演出描写、場面が切り替わる唐突さで起こる出来事が小まめに散らばり全く読めない展開が最後まで、テンポが良い訳では無いながらの勢いは止まらない。

どうであれ父親の弱みを握った娘はある意味で優越感に浸れそうな、何も知らない今の奥さんに対して憐れんでも良さそうで、赤ちゃんを抱く場面は勝手に想像してしまい怖くなり、父親が赤ちゃんと関わることも奥さんとの場面すら少なくてそこを中心にすら描かないのは観ていて気掛かりになる。

イザベル・ユペールがすれ違い様に振り返り一瞬だけ見つめる場面に旋律が走り、話の展開がもっと面白くなる期待と共に映画は勝手に終わってしまう意表を突く斬新さ!?

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万年 東一
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