劇場公開日 2018年4月27日

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「兄弟愛」君の名前で僕を呼んで きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0兄弟愛

2019年7月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

淡々と、一夏の出会いと別れを描く。

淡々とし過ぎている(?)長い導入は、全てお父さんの語りかけに向けての助走だった。
あの寄り添いは白眉。

17才にしては幼いエリオ。駅まで迎えに来てくれるお母さん像も大好きなシーン。

イタリア映画にはかねてより“一夏の経験物”がいろいろあったが、エリオには男友だちがいない状況で そんな一人っ子エリオが兄貴分に惹かれてしまうというシチュエーションは新鮮だ。

ヘレニズム~ローマ時代の研究者としての父親は、男性同士の愛・フィリアがあの時代には自明の文化であることを知っていたし、その研鑽が身内に起こったまさかの事態をも受容する力となれた。
質実乖離しなかった父よ、あっぱれ。
⇒「ある少年の告白」との対極。

ただしトランクスを下げさせるシーンだけは不要だ。映画の持つ精神性はあそこで とことんぶち壊しになった。

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アイボリーの脚本は大好き。
「眺めの良い部屋」オススメです。
イタリアものはつい手が伸びます。

きりん