劇場公開日 2018年4月27日

  • 予告編を見る

「タイトルなし」君の名前で僕を呼んで globeさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5タイトルなし

2019年5月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

音が綺麗。風景が綺麗。登場するもの全てが美しいです。
男性同士の愛の物語でしたが、男女間の恋愛とほとんど変わらないのかなと。少し姿が見えなくなっただけで不安になったり、夜中に会おうと言ってるのに昼間から時間ばかり気にしたり、お互い傷つかないようにと片方が一方的に距離を置いてみたりと初々しい二人のやりとりが微笑ましく思えました。燃え盛る恋を暖色で演出し、哀しみを寒色で演出しているのも良かった。

ただ、全てが美しすぎて逆に疑問も。
あれだけの登場人物の中に同性愛に対して否定や拒否反応を示す人が誰一人出てこない世界観は(悲しいことだけど)リアリティに欠けるかなと。
終盤にオリヴァーの親にこの事がバレたら殺されるみたいな表現があったと思うけど、そういう登場人物を身近に置いておくべきだったと思う。オリヴァーの両親はその会話でしか出てこないから、エリオが裏切った彼女なりが担っても良かったと思う。 実際、ヤリ捨てられたも同然なんだから怒りの描写、もしくは悲しみの描写(こちらは多少あったが)があっても良さそうなのに、「私怒ってない~一生友達」の件はあの年齢にしては悟りを開きすぎじゃないかと(笑)
そういった観点から、最後はとても切ないけど、痛みに関してはもう一声欲しかったという印象が残りました。

最後のエリオの父の言葉は本当に心に染みました。ここが一番の見せ場だったかな。

globe