恋は雨上がりのようにのレビュー・感想・評価
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ちゃんとした映画と、その限界。
原作未読なので映画単体としての話をすると、ちゃんと分別のある大人が、ちゃんと分別ある対応をするちゃんとした話だった。店長とほぼ同世代の者としては、ドラマを盛り上げるために余計な色を付けがちなフィクションの世界で、こういう大人が主人公として機能していることはとても喜ばしい。
ただ、映画を観ることは「突拍子もないものに出会いたいという欲求を満たすこと」という思いもあり、折り目正しさ=面白さではないことも痛感した。本作が面白くないのではない。ただ「折り目正しさ」と「映画」って実はあまり相性がよくなく、品の良さが作品の上限を定めてしまうようにも感じるのだ。
もうひとつ、こういう企画物の限界を感じたのは、例えば大学の友人と居酒屋に行くシーンの「おお!学生時代の同人誌かあ、懐かしいな」(うろ覚え)みたいなセリフ。本来は「おお!懐かしい」だけで充分なのに、過度の説明セリフや説明描写は観客をバカにしているように感じてしまう。いい作品なだけにもったいない。
恋愛ものだと思ったら爽やか青春もの。
小説家志望だったバツイチ子持ちのファミレス店長と、
仮我で陸上をあきらめた高校生の恋愛ものかと思ってたら、
愛情と友情の間をいきながら、それぞれがあきらめた目標を取り戻すという話。
運動をしていて、最前線でやっている人が仮我で再起不能というになると、立ち上がるのにとても大変なのではないかな。その悲しみをすべて受け止める店長の偉大さが恋愛につながったのかな。
恋愛映画というよりは、青春映画
怪我で陸上の夢を絶たれた高校2年生の橘あきらは、偶然入ったファミレスの店長・近藤正己の優しさに触れたことをきっかけに、その店でアルバイトをはじめる。
45歳の近藤はあきらより28歳も年上で子持ちのバツイチだったが、あきらは密かに近藤への恋心を募らせていく。
ついに思いを抑えきれなくなったあきらは告白するが、近藤は彼女の真っ直ぐな気持ちを受け止めることができず……(解説より)
なかなかおもしろかった。
若い女の子に好かれた中年男性が、大人な対応をしたらこうなるのかと。
表題の通り、恋愛要素よりは青春要素を感じた。
橘(小松菜奈)の立場としては、若さゆえのまっすぐさ、情熱、勢いなどを強く感じ
近藤(大泉洋)の立場では、様々な経験をしてきた故の大人の対応、冷静さ、落ち着きを感じ
どちらの立場も自身の過去、現在に照らし合わせることができる部分があるなーとしみじみ。
特に近藤の発言にはハッとする言葉もあった。
大泉洋は人生に半分諦めを感じている雰囲気を出すのがうまく、小松菜奈のまっすぐだがどこかクールでミステリアスな雰囲気はこの子にしかできない演技だなと感じた。
清涼感120パーセント
主人公のあきらが走るシーンが好きです。
小松菜奈のすらりとした四肢がとにかく映えていて、陸上部の設定がここまでハマる女優は小松菜奈だけだと思いました。風を切る感じが見ててすごく気持ちいい。
大泉洋は、、バツイチ子持ち40代男性の役が似合いすぎ。店長と女子高生、あの接し方めっちゃリアル。
ほぼ大泉洋。というか大泉洋です。
その出会いこそ求めていたもの
「ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。」とは、芥川龍之介の作品だ。有名すぎる「羅生門」の冒頭である。
思えば二人の出会いは雨の日で、あきらは雨がやむのを待っていた。
楽しかった、全力だった、夢中になれることだった陸上。それがぽっかり無くなったあきらは、外の雨と同じくらい、心もどしゃ降りの雨だ。
「羅生門」の下人は朱雀大路に1人きり、他には人影も見当たらない。
しかし、あきらには傘を差し出してくれる人がいた。
「雨がやむのを待つだけじゃ、つまらないでしょ?」
その男は温かいコーヒーと、温かい気遣いを差し出して、静かに去っていった。
「羅生門」は映画の中にもちらりと登場する。あきらが恋する店長の、夢の墓場のような部屋のなかに、良く読んでいるものなのか、趣のある古書のような「羅生門」が、すぐ手の届くところに置いてあった。
あきらに告白されて、1人部屋で紫煙をくゆらせる店長の、暗唱するのも「羅生門」である。
「云わばどうにもならないことを、どうにかしようとして、とりとめのない考えをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を、聞くともなしに聞いていたのである。」
雨音にふと思い出す一節、ただそれだけだったのかもしれないが、「羅生門」の下人がこの時とりとめもなく考えていたことは、「悪人になるか餓死するか」の二択だったことを思えば、店長の気持ちは少し自嘲的な気持ちだったのではないだろうか。
「橘さんと良い感じに付き合う」ということは、大人として許されざる行為であり、「橘さんの事を受け入れない」ということは、何にも無い、索漠とした人生に舞い戻るということなのだ、と。
彼の心もまた、雨模様である。
店長から見れば、あきらは若く、輝いていて、やりたいことを何でもできる、眩しい存在。
そんな彼女が自分に好意を持っているなんて、とてもじゃないが信じられない出来事だ。どんよりと垂れ込めた雨雲だらけの人生に見えた、太陽の微笑み。そんな感覚だろうか。
心の雨をほんの少し、遮ってくれた存在。そのほんの少しを、恋と思うか思わないか。二人の違いはそれだけ、のように思う。
店長に出逢わなければ、あきらは自分がなぜ走っていたのか思い出せなかっただろうし、あきらに出逢わなければ、店長は心の財産を思い出せなかっただろう。
ラストで何だか胸がじんと痺れて、柔らかな暖かさを感じるのは、二人の心に雨上がりの爽やかさを感じるからだ。
走る小松菜奈がスラッとして美しく、とても良い。競技用のユニフォームも良いけど、海辺で走るワンピース姿も、海に負けないくらいキラキラ輝いていてオッサンじゃなくても眩しすぎる。
黙っているときのツンとした迫力と、笑っているときのギャップも最高だ。ああ、恋してるんだな、としみじみ思う。
とても狭い世界の、小さな再生の物語を、少しコミカルに、情感たっぷりに描いていて、とても楽しめたね。
あったかくなりました!
物語の設定が、正直、無理があるなという思い込みがあり、気にはなっていたけど牽制していた作品でした。でも、見た後は心洗われて、ほんとに良かったです。
自分の年齢的にどうしても店長のことを考えてしまいます。店長は確かに恋していたようにも思います。それは男として女の人に抱く感情。抑えようのないそわそわした思いかな。でも、それ以上に、人間愛に満ち溢れていて。愛って人をおっきく包んで、その人を新たなステージに連れていくもんだなぁと思いました。
しばらくはこの映画に恋してしまったような感じでした笑。
良かった。
この作品は、とにかく主人公が恋に落ちるきっかけとなる場面がめちゃくちゃ素敵です。秀逸。確かに相手はオッサンだけど、あのタイミングであんな風に出会ったら、そりゃストンと落ちるかもねと思ってしまう。ここが弱いと誰も話について行けませんからね…。
ほんとただのファミレスで、ただ、静かで温かく、優しく、切ない。肌寒い雨の日に差し出された一杯のコーヒーの熱さが、じんわり体に染みていくのが分かるようです。タイトルがもつ軽やかさと、実際の恋の訪れがちゃんと重なります。作者のセンスが光ってます。
まぁ、主人公が母子家庭で、お父さんみたいな親しみの感情に近いのかなとも思うのですが、あれは確かに恋、だったと思いたい。
全体的に清涼感がすごくてまあ〜爽やかでした。ポカリのCMかと思った。
原作の方が、店長はもっと冴えなくて残念な感じで、生活感あります。もっと生々しいし、揺れる。でも原作は原作で、そういうところも良いんだな〜〜。あんな真面目な、人の良いオジサンが果たして現実にいるのだろうか、ということはあまり考えないでおこう笑
素晴らしい。二人とも良い演技!
小松菜奈と大泉洋が、良い演技します。
終わった後、ほっこりというか良い気持ちにさせてくれるような映画でした。
恋愛テーマとしては「叶わぬ恋」なのに、ラストシーンを迎え、スタッフロールが流れ始めた瞬間に
『いいねぇ〜』みたいな、良い気持ちになれる。
なんか不思議というか、初めてかもしれません。
原作は読んでませんが、個人的には二人ともはまり役ですね。特に大泉洋がめっちゃ良かった!
主役二人の良さを生かしている
大泉洋ならではの、くすっと笑えるシーンが、中年男性のちょっとダメ感を表していて面白い。ちょっとダメでも、人には徹底的に優しい店長に恋心を抱く小松も、少し風変りでミステリアスな女子高生を好演。28歳も離れている女子高生に言い寄られても、普通の中年男性は困ってしまうだろう。当たり前の対応を大泉が相手を傷つけないように対応。途中から、最後の収束の仕方が見えてくるが、恋愛物の王道か。店長は小説を書きあげて、小松はライバルと対決して終わりかなって思っていたら、「やっぱり好き。メールしましょう」は意外でした。一人身の中年男性にも希望を持たせるような映画でした。しかし、なぜ陸上から離れたのか位の描写は描いてほしかったような。
原作漫画を読んでから実写版を視聴しました。 原作とイメージがそのま...
原作漫画を読んでから実写版を視聴しました。
原作とイメージがそのままで驚きました。
舞台が現代で、ファンタジー要素がないので撮影もスムーズだったと思います。
何気ない日常映画は、いつかノスタルジーな作品になります。
邦画として冷静に評価すると、カメラアングルがドラマっぽくて新鮮さがないと思いました。風景やファッション等も見慣れた物ばかりで退屈な映像でした。もう少しアーティスティックなシーンに変更してBGMに力を入れたら、もっと素敵な作品になったと思います。
小松菜奈と大泉洋、磯村勇斗は観てて飽きませんでした。
笑えるシーンが多い!
全体的に漫画を見ているようなそんな感じがしたのは、小松菜奈さんをはじめみんなスタイルが良過ぎて人間らしく見えなかったからだろうな。
小松菜奈さんの映画を見たのはこれで3本目?だけどこんなに頭が小さく足が長かったとは気付いていなくて、彼女はモデルだったのかなぁ??
とても清々しくなる様な楽しい映画でしたね。
小説家として成功している旧友がいい味出していました。
アキレス腱切った術後の痕はあんなに長くないし目立たない。
映画用に大袈裟にしてあるなと思いました。
平坦な映画。
悪い人もおらず、特に心を乱すこともない映画。
自分が監督だったらあれこれといじりたくなるよね。そこをぐっと抑えたんでしょうな。
ヒロインにあるのが陸上の才能じゃなくて文芸だったらどうなんとか、
もっとぐっと金になりそうな才能だったらどうなんとか思うよね。
そうなると、たぶん大泉洋さんぐっとよくなるとおもうんだけどね。
友達の作家さんの名前が男女不明なのと長髪で一瞬女かな?と思わせるのはわざとなのかな。
小松菜奈いい。
肩幅が広くて、足は長く、なのに細すぎず。
橋の上の柔軟のシーンなど、本当に陸上をやってそうだった。
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」から好きになったのだけれど、全然きれいという感じではないのに、とても魅力的。
もちろん大泉さんあっての魅力だろうが、よかった。恋愛ものというよりも青春もの(?)。
ほんとのところ、故障した陸上選手の気持ちは故障した陸上選手しかわからないのだろうが。
あと、「空手チョップ」のTシャツ欲しくなった。
小松菜奈が可愛過ぎて…
店長になりたくなりました。
「やりたい事」「夢」「優しさ」「執着」…人のいろんな想いが描かれていました。
清々しく見終えた秀作でした。
清野菜々の表情がとても良く、いい味出してました。
凄く良かったです。
原作も読んでみたくなりますね。
原作は未読なのですが、アニメ版を鑑賞してみたところ良い作品だったので、こちらの実写版も観てみました。
キャスティングがとても良く、心の暖まる良い作品に仕上がっていました。
話の流れやエピソードは、中盤まではアニメも似たような感じだったので、多分、原作通りなのだと思います。
ただ途中からアニメには登場しないキャラクターが出てきたり、賛否両論あるかもしれませんが、終わり方もアニメよりもより分かり易くなっていたような気がします。
大泉洋さん演じた店長の近藤も小松菜奈さん演じるあきらも佳い感じでしたね。。
大泉洋さんと小松菜奈さん、この2人だからこそ作品の雰囲気を壊さずに実写化出来たのではないかと思いますが、周りを固める役者さんたちも容姿も勿論ですが、そのキャラクターもアニメそのままで、これも作品を成功に導いた要因ではないかと思います。
良い作品でしたので、機会があれば原作も読んでみようと思います。
みんな“アオハル!”
主人公のあきらはもちろんですが、店長も“アオハル”してますね。
あきらは、怪我で断念した(つもり)の陸上への未練を断ち切るかの如く店長への“道ならぬ恋”に突き進もうとしているんですが、みずきの登場により、やっぱり陸上への抑えきれない思いが湧き出してくる。“アオハル”やね。
店長は店長で、学生の頃から取り組んでいた小説への思いを断ち切れずに、いまも書き続けている。あきらの姿を見て、さらに小説への思いを強くしたのかもしれませんね。
でも、やっぱり、あきらの店長への思いはホンモノなのでしょうか?映画の最後は「お友達から・・・」というやつなんですかね?
大好きな映画である。
おじさんの自虐ネタに笑いが止まらない。「おじさん」「汚い」「臭い」「キモい」おじさん、そんなん言われちゃうんだよな、俺ら可哀想ちゃうん??
僕も、紛れもないオジサンなんだが、若い女性には恋愛に年齢を気にしないような子がレアにいることは事実で、僕は、友達くらいは普通になれるのではないかと、日頃に20代と接しながら思っている。
アキラが、まあ、純粋に真っ直ぐで、可愛らしいこと。映画だから、しっかり45歳は歯止めがあるが、実際は、いろいろな情事に及んでしまうのだろうとは推測される。店長の、アキラへの関わり方、「わかるわかる」と思い見た。
アキラに触発され、店長も奮起する。
「俺なんか何もいいとこない、おじさんなんだ」「そんなことない」
真っ直ぐで情熱的なアキラ、大人としてのアキラの将来や可能性を真剣に考える店長。心打たれる。
周囲取り囲む仲間もちょくちょく優しいのである。
僕、自身、小説を書いているが、重なる部分もあり。共感しながら見た。
ラスト
「友達ならメール!」
諦めないアキラ。微笑ましい。
全408件中、1~20件目を表示