「重厚で見ごたえのある一級の完成度の作品。」天命の城 レプリカントさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚で見ごたえのある一級の完成度の作品。
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この監督は毎回撮る映画が異なる分野だが、その全ての作品の完成度の高さに驚かされる。「怪しい彼女」のような娯楽性高いものから「トガニ」のような社会性高いものまで、その守備範囲の広さには感心させられる。そして今作の時代劇であるが、とにかく見応えのある重厚な作品である。
文章力のない自分が語るには少々荷が重い作品なので内容的なことは割愛するが、娯楽性という面ではちょっときつい内容。映画偏差値の高い韓国の観客にさえ受け入れられにくかったのか、興業収入はいまいちだったらしい。しかし当時の兵糧攻めにあった極限状態においての指導者としての選択の難しさ。共に国を思う家臣の助言は双方共に説得力があるからこそ、苦渋の選択を迫られる。そういった指導者の葛藤も見せ場のひとつになっているし、伝令の役割を担った鍛冶屋の男が味方の裏切りに会い、氷瀑にしがみついた状態で上下相対する勢力の狭間に追いやられるシーンなどは映画史に残るシーンだと思う。
内容的には観るものを選ぶ作品なので気軽に映画を楽しみたいかたにはお薦め出来ないだろう。これは是非とも映画館で見たかった。
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