フジコ・ヘミングの時間のレビュー・感想・評価
全25件中、1~20件目を表示
フジコ おばあちゃま
僕は、特別養護老人ホームに勤めていました。
その経験からお年寄りの晩年と、円熟期の生き方、その存在の在り方にはとても興味があります。
その頃、僕は音楽をやりながら特養ホームに勤務していましたので、人生の最終盤で奏でられた老音楽家たちの「遺作」など、僕は楽譜を取り寄せてはずいぶんと鍵盤に向かって練習をしたものです。それは仕事の中身と相まってのことでした。
メロディは当然のこと、その楽曲の構造と、隅々から聴こえてくる作曲家たちの“老いた姿”と “しわがれた声”が、僕はなんとも好まれて、興味が尽きません。
パイプオルガンを弾きながらホームで介護をし、一日一日お年寄りのお世話をして、そうして彼ら彼女らをお見送りしながら、帰宅してまた楽器と楽譜に向かう。
命を確かめる演奏を見つけたい ― そういう生活を続けていました。
・・・・・・・・・・・・・
鬼滅の刃
煉獄杏寿郎の言葉
「老いることも 死ぬことも 人間という儚い生き物の美しさだ 老いるからこそ 死ぬからこそ 堪らなく 愛おしく尊いのだ」
・・・・・・・・・・・・・
輝ける3老人の3つの曲をご紹介しましょう ―――――――――
◆ バッハの最後の曲と、
◆ ブラームスの最晩年の曲と、そして
◆ フジコ・ヘミング!!!
(当サイトの規則により残念ながらURLが貼れませんので、以下語句検索でYouTubeにヒットさせてご試聴下さい)
◆まずはイングリット・フジコ・ヘミングから、
ご存じ、フジコの演奏はリストの「ラ・カンパネラ」が大変有名なのですが、僕が最も愛する演奏はこれですね。彼女にこれ以上の演奏はありません。
リスト作曲「consolation コンソレーション」です。
親友ショパンの死の報に接し、悼む心でショパンのために書いた「コンソレーション(=慰め)」。リストの五線譜にショパンの魂が溶け込みます。
清らかさと悲痛の極致。
リストとショパンとフジコが、まるで三人で、魂で連弾しているかのようです。
⇒YouTube動画 語句コピー検索↓
[ フジ子•ヘミング リスト コンソレーション ]
注:薔薇の写真の動画がオススメです。
・・・・・・・・・・・・・
本作品「フジコ・ヘミングの時間」は、
フジコ・ヘミングの残り時間と、彼女が生きてきた時間と、
それらに出会わせてもらえた僕の今日という時間にとって、素敵なドキュメンタリーだった。
フジコおばあちゃま!そのお姿は、もうほとんど猫になってきているじゃない!?(笑)
そのまま四季の「キャッツ」に出られます。
たくさんの人を見送ってきただろう。
フジコ・ヘミング、どうか長生きして。
・・・・・・・・・・・・・
追記:
エンドロールが特別重たい。
家族の元を去った 行方不明の父親の作品 (=日本郵船のためにデザインしたポスター) の実物と対面をし、
「こういうものを作れた父はそんなに悪い人ではなかったようだ」とつぶやく娘フジコ。
どれだけの苦労をしてきたか、
父親への想い=帰って来なかった父親への、積った想いが、
娘の口からこぼれた瞬間でもあったなぁ。
・・・・・・・・・・・・・
以下、
《人生を閉じる日の音楽》にご興味のある方は動画検索なさってください
【バッハ】
1750年7月28日没。
白内障の手術が失敗。目が見えなくなっていたバッハが65歳の時、
臨終の床において、枕辺に呼んだ弟子に口述筆記で書き取らせたのがBWV668=
オルガン曲「汝の御座の前に われは今進み出で」Vor dinen Thron tret' ich hiermit
⇒YouTube動画 語句コピー検索↓
[ J.S.Bach - Choral Prelude, BWV668 (A.Shweitzer) ]
シュヴァイツァー博士の演奏でどうぞ。
5'45 モノラル録音
メール(大海)だ!とベートーヴェンはバッハを語ったけれど、バッハは死んで、静かなせせらぎ(Bach=小川)に戻りました。
特養ホームでの僕の上司=野村実ドクターは、あのシュヴァイツァー博士と一緒にアフリカの病院で働いた人でした。
【ブラームス】
1897年4月3日没。
盟友シューマンの死後に、その妻クララをひたすら愛し、クララに認められるべく圧倒的大曲を発表し続けたヨハネス・ブラームス。
寡婦と子らの生活を物心両面でずっと支えたが、しかしプロポーズに破れて生涯独身を通す。
晩年、クララの葬儀に間に合わず、失意のブラームスはそこから残された最後の1年に=死の前年に、がんの闘病中、彼が最後に書いたオルガンの小曲。
その悟りと、素朴さ。そこにあるのは最早かつての大樹の様ではなく、自叙伝の最後のページに押しはさまれて、思い出の“押し花”になった彼。
作品118、「11のオルガンコラール前奏曲」から第11=
終曲「おお、この世よ、われ去らねばならず」
⇒YouTube動画 語句コピー検索↓
[ 11 Chrale Preludes, Op.122: No11, O Wert, ich muss dich lassen /ROBERT BAITES ]
3'51
『ルービンシュタインもバケツ一杯間違える』
『人生とは時間をかけて私を愛する旅』
始まり始まり。
ショパンのピアノ協奏曲1番を弦楽四重奏で奏でる。
笑わないけど愉快な人。ウルフさんが語る。
『本当はピアノは男が弾くもの。そんな事言うとフジコさんに、ひっぱたかれるけど。』
最後の方でリスト編曲の『ラ・カンパネッラ』が演奏される。一音一音を鮮明に奏でている。ゆったりした『ラ・カンパネッラ』はフジコさんの味だ。この域になると、もはや別の曲に聞こえる。
偉大で本物のPlayerだと感じる。
『もし、死んで天国へ行くと、楽しい事ばかりで、悲しいことがないのもどうかと思う。センチメンタルなのもいいじゃない。』ドビッシーの『月の灯り』が。
『父は母と違って、まっすぐな人。私は母に似たの』父親の書いた絵は本当にまっすぐだ。
フジコさん死にたいって一言も言わなかった。そのくらい、フジコさんって真っ直ぐな人なのだ。
日本人は新しいものがどうやら好きなようだ。建物がどんどん新しくなる。
今日は休みだったので、秋葉原へ行って見た。約3年ぶりだと思うが、また様子が変わっていた。相変わらず『ご主人様』はいたが、『ソフマッ○』のビルが無くなっていた。パガニーニのCDに初めてあった『石丸電○』はもう無い。(名前が変わっただけだと思うが)
僕個人としては『ラ・カンパネラ』はパガニーニのバイオリン協奏曲の方が良いと思う。イツァーク・パールマンの演奏。そう言えば、偉大な芸術家ってどこかに障害持った方が多いですね。偏見かなぁ。
フジコヘミングがとても魅力的だった
可愛いお部屋と動物に囲まれて、時々出てくる絵日記もとても可愛い。
少女のような所があり、シビアな考え方もする。そのミスマッチが良いと思った。
興味を持って調べてみたら、ミスタッチも多く、技巧については評価が低いとのこと。
けれど彼女の感情を揺さぶる弾き方に観終わった後も余韻が残った。日本の童謡のような叙情感があって、どこか懐かしいと思った。
映像については、あまり盛り上がりもなく淡々と進むので、途中は中だるみしてしまう。
家持すぎやん?
世界で活躍するピアニスト、フジコ・ヘミングさんに密着したドキュメンタリー。
.
このフジコ・ヘミングさん、お父さんがスウェーデン人だったり、ベルリンに留学してたり、今はパリに住んでたり、とにかく色んなところにルーツを持ってる。
.
それで各国に別荘があるんだけど、ツアーのついでにその家の様子を見に行くフジコ・ヘミングさん。おそらく京都の家なんか全く行ってないだろうに。
.
そんなリッチな生活を送ってるけど、実は耳が聞こえなくなっちゃったりとめちゃくちゃ苦労人。しかも人気が出たのが60になってからって言う遅咲きなんすね。
.
この人見てると人生何があるかわかんないね。
.
【フジコ・ヘミングの数奇な半生を描いたドキュメンタリー 実に面白い】
60代になってから世界に見いだされたピアニスト、フジコ・ヘミングのドキュメンタリー。
こんなに自由に生きている日系女性がいることに驚嘆した。
本名:イングリット・フジコ・ゲオルギー・ヘミング
出生地:ドイツ・ベルリン
父:ロシア系スェーデン人で画家、建築家
母:裕福な家庭に育ったピアニスト
フジコ・ヘミングは60歳を超えても、ヨーロッパ、アメリカ、南米に赴きピアノを奏でる。訪れた国の数は2016年~2017年だけでも10か国を越える。劇中でも語られるが会場によっては満足なピアノが無いことも。
それでも彼女は”仕方がないわね”と言って、与えられた条件の中ピアノを奏でる。
多くの観衆(特に私は感じなかったが、女性の観客の感動度合いが高いとの事)を魅了する彼女のエネルギーはどこから来ているのか、の判断は観客に委ねられる。
<一人の女性の見事な生き様を写し取ったドキュメンタリー作品>
<2018年8月11日 劇場にて鑑賞>
難聴だということが全く感じられないほど素晴らしい!
「音楽堂まで行ってください」「はい、フジコ・ヘミングウェイのコンサートですね?」「そうそう」と客と会話をしたことを今でも覚えている。後になって恥ずかしくなりながらも、ヘミングウェイじゃありませんから!と突っ込んでもらいたかった自分がいる。
年齢は公表してないらしいが、約86歳くらいのフジコ。還暦を過ぎてから売れ出したピアニストだ。80を過ぎても年間60か所のコンサートをこなすくらい、歳はまったく感じられない。パリ、ベルリン、サンフランシスコ、東京、京都、と自宅を持っているが、猫や犬を飼っている事実。ベルリンの愛犬アンジンがとても可愛かった。また、ラフマニノフの住んでた家など、人が暮らした家に興味を持ってることも彼女らしいんだろうなぁ。
彼女自身難聴のためだろうか、自宅のピアノはちょっと調律されてないようにも感じられたが、彼女の奏でるピアノは優しさに満ち溢れている。弟で俳優の大月ウルフが茶化したように「ピアノは男が弾くもの」だという言葉もあったが、まるでそれに抗っているかのように女性の繊細さを表現している気もした。
ハーフだということで学校ではイジメにも遭い、戦争直後は国籍を失うという過酷な経験をしながらも飄々と語る過去がとても新鮮に聞こえる。14歳当時の絵日記を織り交ぜながら、フジコの人となりを感じられ、全ては天使から試されていると施しをしたり、動物愛護に満ちた優しさが伝わってきた。今度はどんなピアノに出会えるんだろう?他の楽器と違い、自分のピアノを運べないのもプラス思考で考える生き様が素敵でした。
愛情
物を大事にして長く使っていたり、昔からある古い町並みを愛したり、京都の古い長屋を購入したり、ホームレスにお金を渡したり、今の日本に失われてしまった他者、動物、物への愛情を深く感じました。ピアノだって人間だって古いから歳だからと簡単に捨てられたら悲しいでしょ。演奏者の生き方が美しいと、ピアノの音色も美しくなるのだと思いました。
フジコさんが一人で世界中を飛び回り、自宅が海外と日本の4ヶ所もある事を知って、マネしたい位に羨ましいと思いました。才能があるのはもちろんですが、行動的で自分に年齢制限を付けない生き方というのは人生が面白くなる一つの要素だと思います。今、自分の殻から飛び出したい方にオススメです。
彼女の生き様が分かる。
音楽が素晴らしい。非常に、美しかった。
母がピアニスト。祖父が動物病院の院長の家系であり、犬3匹、猫3匹を飼い、動物愛護活動もしているらしい。
1日に、4時間、ピアノの練習をするとのこと。誰も触らないと、ピアノも錆びるらしい。
音楽が好きな人には、オススメである。
よく密着して撮らせたと思う
本人に密着して記録した映画。よく密着して撮らせたと思う。服部百音の番組と通じる印象。
少なくとも四つ、パリ、ベルリン、サンタモニカ、京都に家があると知らなかった。
各地に猫を飼うのは大変なことだと思ってしまうが、人間の子を育てる面倒さと比較されて、納得。
弟 #大月ウルフ も初見。
年齢非公表だそうだが、母と時期が近いので探したら、#1932 生れらしい。
その番組を知らなかった。
/ 1999年2月11日にNHKのドキュメント番組『ETV特集』「#フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」が放映されて大きな反響を呼び、フジコブームが起こった。
思いのままに語り、ピアノに触れ猫に触れ煙草をくゆらせる。 まったり...
思いのままに語り、ピアノに触れ猫に触れ煙草をくゆらせる。
まったりとしたありのままと、舞台の上の奏での対比に魅了された。内から溢れてくる音の抑揚に取り込まれちゃう様。
パリ、下北沢、京都、ベルリンなどなど、演奏会、自宅、選ばれし人の日常は目まぐるしく移動しているのに、彼女の回りだけは、思い出と共に淡々と時が流れている。
淡々としているので、彼女の面白さと魅力を存分に感じる事は出来ないけど、カンパネラだけは一見の価値あり!
ドキュメンタリー作品としては、フジコヘミングの演奏に加担された作品と感じる。
美しい
フジコヘミングさん、誰?というレベルで見に行きました。
全く知らない人でも、丁寧にゆっくりと教えていただけた感じです^ ^
音楽に詳しく無くても、聴いた事のある曲が流れるので楽しめました。
少し穏やかな時間を過ごされたい時に、おススメですね。
是非みてほしい。
フジコ・ヘミングは、名前を知っていたぐらいで、あとはCMなどでコンサートの案内を見たりするぐらいで、演奏などもきちんときいたことなかったけど、この映画を見て、この人の演奏ならどの曲もきいてみたい・この人の演奏だからきけると思いました。ほんとに心地よく響くピアノです。
ちょんちょん
ピアノ弾けるって素敵‼︎
演奏もっともっと聞きたかったです。
猫ちゃん可愛かったぁ
車の中だったかな?
子供が欲しいと相談した事があるけど
旦那がいないから無理だと断られたって...
で
人間の子供は大きくなると
反抗期になって可愛げが無くなるし
いずれ出て行く
猫は年取っても可愛いままで
最後まで寄り添ってくれるって
ナルホド
そだね〜って思っちゃっいました。
弟さん
パンチ効いてました。
スタッフかな?
球体のように丸い人がいました(笑)
エンドロール後
お父さんのデザインした
世界一周旅行の広告ポスターを
前にして
父親も悪い人じゃなかったと思うと
フジコヘミングの少し誇らしげな表情が
印象的でした。
魂のピアノ
他人に惑わされず、自分の価値観を大事にする人、夢をあきらめずに進み続ける強い人だと思った。
彼女の言葉は、とても魅力的だ。冒頭の、人生は時間をかけて自分を愛する旅、という言葉は、映画の終わりまで、じんわりと心を満たす。彼女は、古い物を大切にしている。
ピアノの弾き方についての彼女の考えも素敵だ。毎日練習を続けて、歌うように、気をこめて弾くことで、あんなに豊かな音色になるのだろうか。
彼女にとって、ラカンパネラは運命の曲のように思えた。この曲は全てが表れる曲、他の人と比べてほしい、と彼女は言う。天賦の才に加えて、彼女のこれまでの人生の苦しみや喜びが、全て表れているからだろうか。確かに、誰よりも荘厳で美しく、心を掴まれる音楽だと感じた。
わざわざ見に行くほどではない
内容は良いです。一流ピアニストを題材にしてるので。
しかし演出と編集が下手。ピアノの余韻に浸りたいと思っていたら、場面がすぐ切り替わりそんな暇もない。また、全体を通して冗長で、フジコさんが好きな私も途中で何度か飽きてしまいました。
フジコさんとパリという題材だけで持っている映画です。フジコさんが好きで、お時間あるなら見てもいいんじゃないかなーというレベル。わざわざ時間作って見るほどではありません。
猫とフジコさんとピアノ
修理に出した母親のピアノが、とても綺麗でした。100年前のブリュートナー製。歴史を感じました。
80歳を越えてもなお精力的に活動されているフジコさんに感服いたします。60歳からの遅咲きの方だけに、今この瞬間を大切に生きているのではないでしょうか。
クラシックの名曲が流れる中の贅沢な2時間、見て良かったです。
全25件中、1~20件目を表示