劇場公開日 2019年11月15日

アイリッシュマンのレビュー・感想・評価

全165件中、101~120件目を表示

2.0映画とはかくも難しいもの

2019年12月2日
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栄枯盛衰

映画をきちんと理解するためには、様々な知識が必要だ。歴史や民族、宗教等の社会的知識。映像やストーリーの解釈、過去の映画、VFX等の映画的知識。本作はその有無で評価が大きく変わる、映画玄人向け映画と感じた。

私は残念ながら知識が無く、本作を全く楽しめなかった。ただ長いだけ。退屈。なんか目が離せない、良質な映画とはわかる。でもなぜだろう。

例えばアメリカの歴史。準主人公であるジミーホッファ。彼の生涯と謎に包まれた最期を知っているか。ケネディとの確執を知っているか。
例えば映像技術。全く違和感の無い、若い主人公達。これがどれ程凄いことか。同役者が演じることにより、何に成功したのか。
例えば映像の意味。なぜドアを開けておくのか。なぜ緑の棺桶を選ぶのか。なぜ聖書なのか。なぜ魚なのか。なぜ50年代の音楽なのか。誰に、なぜ話しているのか。この映像は誰のもの?

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awahira

3.5歴史的背景を知らないと

2019年12月2日
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日本人は歴史的背景を詳しく知らないので難しいですよね。
労働組合の資金とマフィアの関係とかが知識として備わっている事が前提として無いと中々分からないですよね。

でも 見応えの有る作品でした。
前夜から水分控えて臨みました。

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sambalsoton

3.0久しぶりのデニーロ

2019年12月2日
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鑑賞方法:映画館

実話をベースにしている感じがビンビンに伝わってくる。だけど、もうちょっとデニーロ若ければね。暴力描写がちょっと迫力にかける。

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khapphom

4.0大胆な見え方だけど繊細で丁寧

2019年12月2日
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you

2.5マフィアの視点からの戦後のアメリカ

2019年12月1日
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とにかく長くて観終わった時の疲労感がけっこうありました
すごい豪華キャスト揃いのだんだんと歳を重ねていく名演
やっぱりロバート・デ・ニーロは好きな俳優さんだと改めて思いました
ロバート・デ・ニーロ演じるフランク、ただのトラック運転手からマフィアの殺し屋になっていく人生、お金と権力を掴んでいくけど、娘たちとは疎遠になり、それで良かったのだろうか
普通に家族とこじんまりとした幸せな人生を送っていった方が幸せなように思えます
それが孤独な老年になっての「ドアは少し開けといてくれ」の言葉に表れているように思いました

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小町

3.5長いわー

2019年12月1日
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鑑賞方法:映画館

難しい

レイトショーで
寝れずに最後まで観れました。

観たぞー!
て 気分。

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コンブ

3.5レジェンドだらけな満腹感

2019年11月30日
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鑑賞方法:VOD

個人評価:3.8
闇社会で生きた男の半生をとても重厚に描く。
見終わった後は、まるで長い時間をかけて鉛でできた葉巻を吸い終わったような、ずっしりとした後味を残す。さすがレジェンド俳優達の生き様と、スコセッシの業である。
ゴッドファーザーのアルパチーノとデニーロの、スピンオフ的な共演も、ファン心をくすぐる夢のキャスティング。

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カメ

4.5歴史は塗り替えても己の過去は塗り替えられぬ

2019年11月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

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浮遊きびなご

4.0長いけど、飽きません。

2019年11月29日
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鑑賞方法:映画館

予備知識なしに観ましたが飽きませんねえ。。
物語に引き込まれます。
演者が素晴らしいのもともかく、ストーリーも次はどうなるか?というワクワク感が
あり、あっという間に時間が過ぎました。
ほんとにNetflix、入ろうかなあ、、って思いました。
お勧めします!

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ごぶさん

4.0スコセッシマフィア映画集大成

2019年11月29日
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監督の集大成映画と言えそうな3時間半。マフィアの話というよりアメリカ裏歴史をも描いた大作。長いがそこはスコセッシ監督、見事な語り口で飽きさせない。

デニーロの語りによる導入から、連射の如く繰り出されるバイオレントなエピソード・絶妙な音楽の使い方・贅沢な俳優布陣、もうクラクラするほどたまらんです。最新技術により幅広い年代を演じているものスゴイ(違和感なかった)

スコセッシ組に参加したアルパチーノは濃いキャラを演じて負けてなかったですね。デニーロとがっぷり組んで演じるシーンも多数で見応えあり。始終困り顔のデニーロはもはや名人芸の域に。

後半1時間が今までのスコセッシマフィア映画にはない展開。宗教観もチラリと見せて。老いてゆく姿をしっかり描くのは今の監督の心境が現れているのかもしれぬ、などと思ったり。
とにかく贅沢な作りで、これが配信会社で作られるのも時代という感じがしました。

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散歩男

4.5贅沢極まりない映画

2019年11月29日
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鑑賞方法:VOD

こんなレジェンドな俳優陣が出演してて面白くないわけがない。
長い年代を演じている為、その時々の歳の演技、やっぱり流石としか言いようがないですね。

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ピピ

4.0体感二時間くらいな三時間半

2019年11月29日
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鑑賞方法:映画館

Netflexプレゼンツなスコセッシの今作は、贅沢にスターを大集合させ、濃厚なストーリーだが、夢中になるので気がつくと終わっている。よくあの俳優たちを揃えたな、と思うが、実質2本ぐらい映画を見ているに近いので、2倍くらい豪華でもいいのかも。

かなりの情報量だが混乱もなく、テンポも早く、数えなかったがかなりの量の赤ペンキが飛ぶ。容赦がない。編集の妙なのか、スタイリッシュさと合理性を兼ね備えたストーリーテリングだった。

興味深かったのは、ヒットマンだったフランクをロバート・デ・ニーロが演じ、当時を告白するのだが、説得力があり、なぜか見ていると自分が納得してしまったことだった。脚本がすごいのか演出がすごいのか演技がすごいのかその全てなのか。

スコセッシといえば最近ブラックバスター系映画に対する批判で話題になっていたが、資金繰りが難しいとか映画館のスクリーン確保が難しいとか、想像は易いので批判の理由はわからなくない。でも例えば個人的にはこの映画をIMAXで見たいとは思わない。かといってアート系単館っぽくもない。ミドルサイズのスクリーンがいいんだろうなぁと思うが、3時間半だと他の映画なら二回上映できるのでやはり難しいと思う。そうするとNETFLEXという比較的自由のきく提供元はそんなに間違ってもいない気がする。

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mikyo

3.5やはり無理がある

2019年11月28日
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鑑賞方法:VOD

実在したマフィアと運転手組合とのもたれ合いと、権力闘争を描く。
マフィアのボス(ジョー・ペシ)に見いだされた主人公(ロバート・デ・ニーロ)は、トラック運転手組合長(アル・パチーノ)と親しくなる。
1960~1970年代を政治の世界を並行して描き、闇社会が権力構造に噛んでいるような暗喩もある。
若き日を演じるにはみんな無理があり、スコセッシ独特の乾いたギラギラ感は薄い。

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いやよセブン

4.0ハードボイルド×人間臭さの絶妙な融合

2019年11月28日
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鑑賞方法:VOD

これから観ようと思っている方で以下に当てはまる方は鑑賞前に「ジミー・ホッファ」をwikipediaでざっとでいいので読むことをオススメします。

・好きなスコセッシ過去作があるから何となく今回も観たい
・デニーロ、パチーノ、ペシが好きだから何となく観たい
・けど今作の背景となるアメリカの歴史はあまり知らない

これ、私です。
計2回観たが、1回目は中盤あたりまでついていくのが大変だった。何故なら登場人物が多くて場面の切り替わりも頻繁なので「あれブルーノって誰だっけ?」「トニーはどいつだっけ?」てな感じでしばしば混乱をきたしたから。
改めてホッファやケネディ政権時代のアメリカ、キューバ危機やフィデルカストロなどざっくりwikiったら2回目は理解度が全然違った。そしてその背景となる時代を知れば知るほど作品の奥行きを感じられることでしょう。

とはいえ、1回目がつまらなかったかと言うとそうではない。何故なら三人のメインキャラが非常に濃くてしかも三者三様に魅力があるからだ。多少の知識不足は問題にせず彼等がその世界観へと引き込んでくれるだろう。

フランクは情に厚く仕事もできてペンキ塗りも淡々とこなす冷徹さも持っていると思えば家族のこととなると不器用なダメ親父なのが我々に親近感を湧かせる。
ラッセルは見た目は温和な可愛いおじいちゃんだがその実、裏社会を仕切るマフィアの大物と言うギャップが萌える。
ホッファは豪放磊落、大胆不敵、勇猛果敢で頑固一徹、少年誌の主人公にぴったりな派手なキャラクターは物語全体をも活気づけて止まない。

私が特に好きなのは、フランクが冷酷無比に仕事をこなしていく合間合間に、娘・ペギーとのエピソードを挟んで来るところだ。これが私のような歴史に疎い人間でも容易に引き込んでしまう要因だろう。このハードボイルドさと人間臭さの塩梅が絶妙。

見終えたあとはとても切ない気持ちになり、歳を重ねるごとにまた違った感想を抱かせてくれそうな良い作品だった。

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erimaki

4.5裏社会から見た実録の米国戦後史

2019年11月28日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

動画配信サービス・Netflixでの配信のみと諦めていましたが、配信前に日本国内の一部劇場での公開が決定し、ここ京都府のイオンシネマ京都桂川でもお昼と夜間の1日2回上映して下さっていて、とても助かりました。
イオンシネマ京都桂川様、今回もどうも有り難うございました。

監督はマーベル映画の批判発言で老いて尚お盛んなマーティン・スコセッシ。
スコセッシ組のロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテルといった名優たちが集結し、さらにはアル・パチーノが初参加。

個人的にはマフィアものの映画は苦手な分野であまり鑑賞した事も無いのですが、今作では、殺人のシーン自体はそれ程多くないので案外観易かったですね。むしろクルマの爆破シーンが多かったですね。
戦後の米国の裏社会に生きた無法者たちを描いた作品であり、実在の<アイリッシュマン>とも呼ばれる、いちトラック運転手であったフランク・シーランが、やがて殺し屋と身をやつしていく過程を、ロバート・デ・ニーロが演じ、彼の回想形式で物語は進行していきます。

ただ、正直、最初の方は数多くの登場人物の名前や相互関係が全く分かっていなかったので、イマイチな作品かなといった印象を持ちましたが、徐々に配役同士の相関関係がクリアになっていき、さらには、歴史上の有名な人物であるJFKの大統領選挙の際の集票マシンと化したり、ロバート・ケネディ司法長官に執拗に問い詰められている辺りから、裏社会から見た米国戦後史と交錯して、俄然面白くなり、その後も、キューバ危機やJFK暗殺事件、ウォータゲート事件、年金運用資金の横流しによるラスベガス開発などに関与し、虚実入り交じりながら様々な事件に登場人物が裏社会で絡んだ事が語られていくので、裏社会から見た米国戦後史に少しでも興味がある人にとっては凄く面白い作品になっていたかと思います。

その中でも、ヤマ場は、1975年の全米トラック運転手組合の委員長ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)の失踪事件。
このホッファの右腕であり、さらに、裏社会のボス、ラッセル・バッファリーノ(ジョー・ペシ)からも目をかけられている<アイリッシュマン>ことフランク・シーランの、その綱渡り状態、板挟み状態が見どころでもありました。
そのマフィア稼業ゆえに家族からも白い目で見られ、孤独な老後を送る男の悲哀も描かれ、胸に迫るものがありました。
ただ出演者がみな高齢のせいか、会話のシーンがかなりを占めて、アクション自体は少なめ。
スコセッシ監督の得意とされるマフィア映画でしたが、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ共に若かりし頃から晩年までをメイクやCG技術で演じ切り、特にデ・ニーロの顔を若返らすなど技術の進歩のほどには驚かされました。

丁寧に人生を俯瞰するためなのか、それとも上映時間に制約のない配信作品だからか、なかなかの長尺作品ですが、構成にややメリハリが欠けると思われるところもあり、本編3時間29分に予告編を加えて、正味約4時間近くのイッキ見上映は、映画の内容的には面白かったのですが、正直長くて、かなりしんどかったですね。

実際に、インターミッションなどのトイレ休憩も一切ないので、上映中に中座してトイレに立つ観客もかなり多かった事からすれば、途中休憩の時間を作って欲しかったのが正直なところでした。
私は、幸いにして、EDロール最後まで、どうにか膀胱も保ってくれましたが、予告編を削るか或いは途中休憩を挟むかどちらかで少しでも鑑賞時間を短くする努力を図って、対応して欲しかったですね。約4時間近くも中座も出来ないのはちょっと辛かったですね。

私的な評価としましては、
豪華名優そろい踏みに胸が高まる映画でしたし、マフィアの裏社会から見た米国戦後史という着眼点が面白く、ましてや実録のノンフィクションとの事で、歴史上の有名な人物や事件の背後関係も描かれている点で、米国戦後史に興味のある私にはドンピシャで面白い映画でした。
従いまして、満点評価であってもおかしくないくらいの傑作でしたが、但しながら、上映時間が長過ぎる点でかなりしんどい思いをしたのも確かでしたので、その点を星半分(0.5点)マイナスさせて頂き、五つ星評価的には、ほぼ満点の四つ星半の★★★★☆(4.5点)の評価とさせて頂きました。

※尚、Netflix配信作品の今作は限定上映でもあることから、パンフレットに類する物は製作・販売されていないのですが、映画雑誌・映画秘宝の最新号(女優のんさんが表紙の2020年1月号)に、『アイリッシュマン』究極攻略&Netflix実録殺人映画大全といった特集記事が載っていますので、ぜひ参考書籍として購入されれば、より今作の理解が深まるかとも思います。

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HALU

3.5何故だか・・・

2019年11月28日
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マーベル発言で老いて尚お盛んなスコセッシの新作、名優達の共演となればNetflixではなく劇場で観るのが筋ってもんでしょ。

200分を超える上映時間に多少身震いしつつもオープニングの長回しから、"あぁ映画観てる・・・"と没入感全開だ。

正直最初は登場人物の名前や相互関係がさっぱりなので、頭の中が混乱しつつも徐々にそれらがクリアになると映画の長さなど何処吹く風、ストーリーが面白く名優の演技も熱くるしいくらいだ。

そしてアメリカの歴史の裏側、政治とマフィア、低所得層の利権争いがもうウンザリ・・・いや、これでもかと思うほど見せつけられる。

あぁ、映画、映画ってこういろいろ考えらせられて楽しむもんだよなぁ。

しかしこういった映画は、映画を軽く楽しみたい人違には全く無縁なんだろうなぁとしみじみしてしまう。

そしてまだ分からないのだが観てる時はずっと面白かったのに、何故だかこの映画、あまり記憶に残らない。もう一回見たいかと思えば、そうでもない。なんだろね、この感覚。
何となくゴッドファーザーに似た音楽、あっさり目のカメラワーク。そうかこの映画にはゴッドファーザーやワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカにあったような重厚感や哀愁、目に焼き付く名場面が足りないのか(もしくは感じなかった)。
タランティーノのワンス~ハリウッドの方を見終わった感覚に近いと言うか。
で星は3.5

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ミッチ

5.0ONCE UPON A TIME IN…

2019年11月28日
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宗像教授

4.0生き抜く

2019年11月27日
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ノンフィクション原作の映画化

マフィアのヒットマンになった方の半生

字幕

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じろ

4.0ようやく見分けがついたデ・ニーロとパチーノ

2019年11月26日
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 『ゴッドファーザーⅡ』、『ヒート』、『ボーダー』に続いて4作目の共演となる二人。映画のネタともなった区別がつかない件もこの作品では違いがよーくわかる。黒子だけではなかった。キレたときの声質、落ち着き度が全く違っていたのだ。アル・パチーノは79歳になってるにもかかわらず、キレるときはキレる!全米トラック協会での演説なども凄い迫力だった。

 個人的にマフィアものの映画は苦手な分野だったのですが、殺人のシーンはそれほど多くない今作はとても見やすかったりしました。むしろ会話劇が中心となり、無駄な会話なんてのがタランティーノっぽい気もするのですが、数々のギャング映画のオマージュも隠されているらしいです。まぁ、スコセッシ流と言ってしまえばそれだけなんですけどね。

 スコセッシ監督はもともとシチリア系イタリア移民の家に生まれ、マフィアの支配する移民社会に育ったために、マフィア映画が多い。アル・パチーノもシチリア系移民の子、デ・ニーロもイタリア系の血を受け継いでいるという共通点。ちなみにラッセル役のジョー・ペシもイタリア系だ。

 ストーリーとしても実在した人物を扱っているし、ジョン・F・ケネディ暗殺や弟のロバート・ケネディについても事実かわからないけどクローズアップしていた。トラック協会の組合と政治家との関わりや、大きな組織票となっていることを描く社会派面もあるのです。ジミー・ホッファは有名人すぎるのに対して、フランクは目立たずに暗殺をもこなす陰の実行犯。ちょっとしたことでキレてしまう、ラテン系の血が騒ぐといった様子や、それに対する地味に状況を判断して権力の構図を見極める能力。もう、一般人が立ち入ることが出来ないほどのマフィアのコミュニティが恐ろしいまでに描かれていました。復讐劇という点では『ギャング・オブ・ニューヨーク』の方が面白かったですけど。

 音楽にも造詣が深いスコセッシ。自身でもジャズやロックのドキュメンタリーを撮っているのですが、この映画では50年代から60年代の音楽が満載。後半の転機となるところで流れていた「スリープ・ウォーク」が心情も表現していてとても良かった。

 ただ、3時間超えやっぱり長い。フランクが1人残ったところからはカットしても差し支えなかった気もする。娘のペギーとの関係を描きたかったのもわかるのですが・・・。『アビゲイター』でもそうだったのですが、途中からお尻が痛くてたまりませんでした。ちなみに途中退席したカップルが1組。

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kossy

4.5人間は欲まみれで泥臭く生きていく

2019年11月25日
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怖い

興奮

難しい

 三時間半の長丁場だが、映画を観て長尺の必然性を納得した。どのシーンも全部必要なシーンで、無駄なシーンなどひとつもない。しかし物語は波乱万丈だ。削りに削った結果の三時間半だと思う。
 大局的に言えば男たちの権力闘争であり、互いの肚の探り合いである。ロバート・デ・ニーロ演じる主人公フランク・シーランには、相手の言葉の端々に垣間見える本音を感じ取る鋭い感性がある。加えて「ペンキ屋」としての類稀な知識と行動力。これらを武器にフランクは、権力闘争をする男たちの間を乗り切っていく。それは一瞬でも気を抜いたら奈落に落ちてしまう厳粛な綱渡りでもある。
 女たちは男たちの権力闘争を理解し安っぽい倫理観など捨て去って、清濁併せ呑みつつ男たちの稼ぐ金で贅沢をし、子供を育てる。思えば人類の歴史は戦争の歴史である。人殺しの大義名分の裏には私利私欲がある。そんなことは百も承知で男たちを受け入れ、したたかに生きてきた女たちの存在が人類を存続させてきた。
 それがいいことなのかどうなのか、そんなことはどうでもいい。人間は欲まみれで泥臭く生きていくものだ。スコセッシがそう主張しているかのようである。そしてそれが本作品の世界観そのものだ。利己主義と保身と自己正当化が人間の本質なのだと冷徹に言い放っているかのようである。
 出演者は大御所が揃っていて凡庸な演技は皆無である。スクリーンには常に緊張感が漂い、一瞬も目を離すことが出来ない。中でもアル・パチーノが特によかった。演じたジミー・ホッファは、常に裏の意味を持たせる会話をする登場人物たちの中にあって、ひとりだけ天真爛漫、子供がそのまま大人になったような人物である。表裏がないから絶大な人気を得ている。フランクもこの人物が大好きだ。
 しかし自由奔放な精神は権力者にとって邪魔でしかない。フランクにはとても苦しい選択が待ち受けている。その時のデ・ニーロの淡々とした表情が凄い。苦しくて悲しくてやりきれない筈なのに、ただ黙々と運命を受け入れる。
 タイトルは「アイリッシュマン」であり「アイリッシュパーソン」ではない。男は破壊と創造を求めるのに対し、女は融和と存続を求める。本作品は男の物語でなければならなかったのだ。

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耶馬英彦