劇場公開日 2017年6月24日

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「南京事件」いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ) kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0南京事件

2019年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 南京大虐殺という史実は時を経て、政治的、心情的にも変遷があり、殺害人数について特に問題とされてきている。特に日本においては、中国側の一方的な30万とも40万ともいう莫大な被害者人数が虚偽であるとして、“マボロシ派”、“虐殺派”、“中間派”とそれぞれ主張する人数に相違がある。資料は日本軍によってほぼ焼却されているため、正確な人数はわからないが、南京占領にあたり捕虜、民間人等、戦闘員以外の人間を殺していたのは事実なのだろう。全くなかったなどということはありえない・・・

 南京で中国国民党とのパイプ役の仕事をしていたと思われる吾郎(向井理)は、昭和15年に朋子(尾野真千子)に求婚。そして南京での新婚生活を迎えるが、終戦後、幼い二人の息子を連れて上海を経由して引揚者となる。朋子の実家である愛媛の山間の農村へと移り住むが、父親(イッセー尾形)に煙たがられて、茨城へと引っ越すことに・・・

 裸一貫で始めた生活。最初はフォード製のオンボロトラックで運送屋からスタートするものの、トラックの不調。タイル工場へ就職するも経理係が金を持ち逃げして倒産。友人高杉が寒天を送ってくれたことから、ところてん屋を始める。

 吾郎の父親が地元でチフス感染を止められなかったことを苦に自殺したことで、チフスの呪いとかも蔑まれたりした暗い過去。そこから彼は天に見放されたかのように全ての商売にツキがない。子どもたちも貧乏だったという記憶しかないくらいだ。

 昭和27年には高杉を頼って大阪に行き、石油会社に就職し、家族にも笑顔が戻ったのであるが、腰を患い、吾郎は帰らぬ人となってしまう。何もかも失ってしまった朋子は自分が働きたいと高杉に懇願し、末っ子真美だけを実家に預けて寮母として働くことになった。

 鼻をたらしている真美が印象的。

kossy