「シリーズ最高傑作」ジュラシック・ワールド 炎の王国 レプリカントさんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズ最高傑作
シリーズ一作目は映画史に残る作品だと思います。とにかく映像のパワーが凄すぎてまさに体感する映画という感じでしょうか、今流行りの4DXなどで観なくとも普通のスクリーンで五感を刺激されるほどの傑作でした。
その後のシリーズは普通の娯楽作品としてまあまあ楽しめるといった感じでした。そしてこの本作ですが正直、期待を良い意味で裏切られました。娯楽性、メッセージ性が共に一作目を除くシリーズ中最も高いレベルで仕上げられた作品でした。
前半は火山噴火で危機に瀕した恐竜の島からの脱出劇。息もつかせぬ危機また危機の連続による怒濤の展開で一級の娯楽作に仕上がってました。個人的にはクリスプラットが麻酔銃で麻痺しながらも溶岩から命からがら逃れるシーンはかなりドキドキしました。そして後半は主に屋敷での恐竜オークションとなるのですが、ここのところがまさに人間の醜い欲望がよく描けていたと思います。本作のテーマは人類の欲望から蘇させられた恐竜の悲劇とその恐竜によって驚異にさらされるのは人類自信なのだという点にあり、これは恐竜はあくまでも比喩であり核廃棄物や今話題のプラスチックによる海洋汚染問題にも通ずるテーマだと思います。
人類は欲望のままに科学技術を駆使して多くのものを生み出してきた結果、地球温暖化や海洋汚染など自らの首を締める結果となっています。そういった問題を恐竜映画というかたちをとって我々に投げ掛けてくる点でも、メッセージ性の高い作品に仕上がってました。