スイス・アーミー・マンのレビュー・感想・評価
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くだらないのに大まじめ。狂っているのに普遍的
突出した独創性。異能の超大型新人監督の出現に遭遇した気分だ。
浜に打ち上げられた溺死体から出る屁(より正確には腐敗ガスだろう)が推進力になって水上バイクみたいになる。何ともくだらないオープニングだが、死体をダニエル・ラドクリフが、遭難した青年をポール・ダノが大まじめに演じていて、妙に感動してしまう。
死体が十徳ナイフのように便利な機能を次々に発現させてサバイバルを助けたり、話し始めて写真の女性に恋心を抱いたりと、いい感じに狂っているストーリーが展開するのに、しっかりと心の琴線に触れてくる。大人のファンタジーでもあり、現実を突きつける厳しさもあり。
ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの監督コンビ「ダニエルズ」、どうかその突拍子もない発想でこれからも珍作を作り続けてほしい。
心にいつも、一体の万能死体を
本作は問いかける。人生とは、無人島で絶望しながら死を待つようなものなのか?と。この実験劇場に身を置く主人公が半ば諦めを持って死を決断したところ、思いがけず浜辺に打ち寄せられた身体を発見。この“死体”は死んでいるはずなのに、尻からガスは噴射するわ、口から岩清水を噴射するわと大活躍。やがて薄ら笑いを浮かべて、喋り始めたりもする。
両者の関係が面白い。片や生から死に向かおうとした者。片や死んでいる身体で精一杯に生を実感すべく方位磁針をキュルキュルと動かす者。二人は対極の存在なのだが、おそらく、いや絶対に、二人は互いに“もう一人の自分”として、繋がり合っているのだろう。彼らが心を重ねるに連れスクリーンに色彩が溢れ、イマジネーションが炸裂していく展開も楽しい。翻って最初の命題への答えだが、人は絶望しないためにも、心にいつも一体の死体を持つべきなのかもしれない。しかもとびきり生意気で万能なやつを。
完全にバカ映画のノリでスタートしながらも
スクリーンの中ではいつもひどい目に合っている印象のポール・ダノ。ダニエル・ラドクリフもいくらハリーのイメージを払拭したいからといって、よくこんな役受けたな。
冒頭ジェットスキーで一発かましてからあまりの万能さに拍手喝采である。
途中死体感が薄くなり、ストーリーも転調してアレレ?と思ったが…。序盤からは想像できない終わりにたどり着く。
ダニエルズには、アカデミー賞取ったからといって日和ることなく、今後もバカ路線を進んでいってほしいけど。
面白かった!
無人島に一人でいるような孤独な青年。頭の中には得体の知れない思いがグルグル渦巻いている。
こんな状態じゃ、いざ死のうったって幸せは走馬灯のように見えてこない。
そこへ突如、得体の知れない死体が現れた!そいつのオナラジェットに飛び乗って大冒険のはじまり、はじまり。
そいつは不気味で無表情。ボーッとしているだけのようで(だって死体だもん)、実は最強に頼もしい相棒だった。
死体はとうてい人間社会に馴染まない。人目を気にしなくていい山奥で、二人はサラとのバスでの出会い、デート、パーティを演じ、ハンクは“本当はこうしたかった夢”を追憶した。
二人が一緒に過ごした楽しい記憶がフラッシュバックで蘇ったとき、私は泣きそうになった。かつて見えなかった、誰かと心を通わせる幸せが走馬灯のように見えたのだから。
ジュラシックパークなみの大冒険の末にルークが言う。
「(サラに会うのが)怖かった。(自分が)怯えてて醜い役立たずな男だから。」
するとメニーが答える。
「誰でも少しは醜い。1人が“それでも平気”と言えば、みんな歌って踊りオナラをする。寂しくなくなるさ。」
このセリフ好き。
人は死んだら誰かの排泄物と混じって次の命の糧になるだけ。がんばれ!いつか死ぬ!
ポール・ダノも大好きだし、ダニエル・ラドクリフも凄かった。幽霊でもゾンビでもない、生き生きとしたピュアな死体という世にも難しい役を魅力的なキャラにして見せてくれました。
メニーが勃った
ワケがわからない。
妄想、幻覚、夢…
全部ではないにしろ、そういうものが多分に含まれていると思っていたら、全て本当だった。
死体との間に生まれる奇妙な友情。
その割に、やっぱり扱いは“物”っぽかったり。
シュール過ぎてシリアスともコメディとも判断がつかない。
綱渡りのバランスを、絶妙に保ち続ける。
ハンクが元気過ぎたり、工作能力が高過ぎたり、色々と都合がよ過ぎたり。
死体の他にも、ツッコみ出したらキリがない。
下ネタも多いし、確実に人を選ぶ作品だろうが、どうしてか嫌いになれない。
最後、「あれ、あまりにも近くね?」というところで“仕組み”を察することができる。
ここが駆け足のために気付きづらいのが難点ではあるが、それ故に解釈が別れるのも面白い。
写真の女性は母親オチかと思ってた。
最後、メニーはまた別の誰かを救いに発ったのだろうか。
いいや、新しい友達に会いに行ったのかもしれない。
十徳男の奇跡。
無人島に漂着したハンクが絶望のあまり自殺をしようとしたその時同じく一体の死体が漂着する。
この「しゃべる死体」メニーは不思議なことに様々なサバイバルツールを持っていた、まるで十徳ナイフのように。ハンクはこのメニーの力を借りて故郷を目指すことになる。
ハンクは死の間際でも楽しい人生の思い出が走馬灯のように駆け巡ることはなかった。思いを寄せる女性サラに話しかける勇気もない彼はいままで人並みに人生を謳歌することもできなかった。
そのサラに同じように恋に落ちたメニー。彼はまるでハンクの思いを代弁するかのようにサラへの思い、そしてそれを打ち明けられない自分のふがいなさを口にする。それを励ますかのようにハンクはメニーのためにサラになりきり、森の中で二人はひと時の青春を謳歌する。それはハンクが走馬灯で見ることの出来なかったものだった。
父親に口癖のように能無しとののしられ続けた青年ハンクは自己肯定感が低く、実社会では自分の気持ちを素直に表現することができない。自分の生きたいように人生を生きられないそんな自分に嫌気がさして逃げるように旅に出たのだった。
そんな人間がまたもとの世界に帰ったところでどうなる、また同じようなくすぶった人生を送るだけだ。
故郷が近づくにつれ実社会に戻ることに逡巡するそんなハンクをメニーは強引にサラのもとへ連れていく。
思い続けたサラに初めて対面したことでハンクは夢から覚めたように現実を受け入れたのかもしれない。家庭があるサラは自分が一方的に恋焦がれる対象ではないことをわかっていたにもかかわらずその現実を受け入れようとはしなかった。サラに恋焦がれるメニーと同じく。
ただサラへの思いを抱き続けることで自分の殻に閉じこもり現実から逃げていただけではないのかと。
所かまわず放屁をするメニーの姿はある意味ハンクの願望だったのかもしれない。包み隠さず人前で自分をさらけ出したいという。
自分の分身であるメニーの姿を通して自分を知ったハンクは成長する。現実から逃げず、自分の殻を破るのだと。
勇気をもってありのままの自分をさらけ出そう、まずは人前で放屁をすることから実践するハンク。その成長したハンクの姿をまるで祝福するかのようにメニーはおならジェットでその場を立ち去るのだった。
一見奇抜なファンタジー作品だが、ナイーブな青年の心の葛藤を擬人化された死体を使って見事に描いた青春奮闘記。
自殺しかけていた主人公が漂着した死体をマルチに使ってサバイブし、徐...
自殺しかけていた主人公が漂着した死体をマルチに使ってサバイブし、徐々に生きる感覚取り戻すまでの話。
死体のメニーは主人公ハンクの願望の投影。
徐々に顕になる、欲望の大胆な解放。自分が憧れの女性と繋がりたい気持ちをメニーを使って実現しようとしている。ように見える。
徹頭徹尾、下ネタで始まり下ネタで終わる。品はないかもだけど、、、、ユーモアは、ある。
ジュラシックパークの曲知らないくせにローラダーンは分かるんだ…というニヤリとしてまう自己矛盾。
全く奇想天外な展開
無人島に流れ着いていたポールダノ扮するハンクトンプソンのところにダニエルラドクリフ扮する水死体メニーが上がった。水死体に 乗って無人島を脱出したが、また無人島だった。全て幻想と言う事なのか全く奇想天外な展開で、民放深夜にやりそうな映画だな。ダニエルラドクリフもご苦労さんな役どころだったね。
30分耐えろ。中高生には伝わらない映画
30分してダニエルラドクリフだとわかった。
真面目なのか不真面目なのか掴みどころがなく
モヤモヤしながら見つづけてほしい。
そのあとの伏線回収のような
カルタシスを味わってほしい。
絶望の淵から考える人生訓、
人生の喜びとはをコミカルに描いている。
下ネタで例えてはいるけれど
やはり人間、元はそこなんだなと。
生きる原動力はそこなんだと。
生きる希望は人それぞれだけど
なんだっていい。
思いにより生きる希望にもなり
思いにより信じられなくなり
思いにより死を選択する。
人間の本質を描く。
ラストの終わり方もこの映画だから
許されるエンドで好きです。
変な笑いが出ました。
ラドクリフが絶妙にハマっている。
とんでもない珍作品w
無人島に漂着したハンクは自殺しようか悩んでいる最中、波打ち際で死体を見つける。
腐敗ガスがお尻の穴から漏れに漏れ、あわや海面をすべり出そうとしている?!
慌てて首つり用のロープを死体に括りつけ、そのおならの噴射で海を渡る。
はい。これ意味わかりますかー???↑
どういう設定だよ!
こんなこと考えつくかねww
とんでもない珍作品です。はいw
■序盤からオナラで笑うw
死体からオナラが出続けるという摩訶不思議な現象に
死体という怖さから笑いが生まれるシュールな光景が生まれる。
■とにかく下品
死体の口から水が出る・・・それを飲む主人公wwww
美味しいらしい。でも見てる側は気持ち悪いです(;´・ω・)
他にもウンチ、嘔吐、勃起などなど・・・まぁ下ネタ多いですよ。。
汚いにもほどがある。
■タイトルの意味は万能人間
万能ナイフであるスイス・アーミー・ナイフをもじった造語。
十徳ナイフとも呼ばれるスイス軍御用達の多機能ナイフみたいに、
いろんな用途で役に立ってくれる死体のことを意味している。
■ハリーポッター役のダニエル・ラドクリフさん。
彼はハリーポッターでのイメージが長年払拭出来ずに悩んでいたようで
風変わりな作品や、個性的な役柄を演じることでハリーポッターから抜け出したいと仰っていました。まさしくこの作品も、オナラをする死体という・・かなり変わった役柄で度肝抜かされました。
■死体との友情
これは死体なんだろうか?いやそもそもそんな次元で考えたらダメなんだ。
これはスイス・アーミー・マンという存在なのだからw
彼との友情を深まっていくにつれて、気持ち悪い死体が
だんだん可愛く見えてくるんだから不思議よね。
■オナラで笑い、オナラで泣く
ラストはなんだか音楽に促されてか、謎の感動があり泣けました。
結局メニーは何者だったのか...ガス溜まりすぎやろ。
■メッセージ性は??
ありのままの姿で生きること・・・でしょうかね。
シュールさとちょっとした感動を連れてきてくれる作品。
今までに観たことない映画なので、変わった作品観たい方にお勧めです。
惜しい気がする
上手く言えませんが、最近はペットとは別に「会話ができるロボット」とか売ってますよね?独り身の人には特に寂しさを紛らわす効果があると言われていますが、ダニエルはそんな役だったのかもしれません。無人島=誰もいない孤独な場所がそう思えました。イメージ的にファンタジー色が強い彼にはぴったりの役に思える。
ただ映画がつまらなかった。。。
ハリポタに興味が湧かなかった自分でもダニエル・ラドクリフという名前は知っている。「別の映画なら観てみようかな」とあらすじ読んで拝見することにしましたが、予想を大きく下回る映画で残念。
冒険・パニック・ハラハラドキドキ...そんな要素はありませんでした。強いて言えばハリポタ同様ファンタジー感は残してる気がした。
まず、死体といっても最初だけじゃん。話せるけど体は動かせない「半端な死体」意味不明な設定。
障害者を無人島へ連れて行った経験でもあるのでしょうか...おならブリブリ&水着写真を見て勃起...何ですか、この映画は?(苦笑) ハリポタとは違った不思議感を出そうとしたのでしょうか。。。ゲイかもしれない流れ。前向きに観れば、一人前になれ! やり残したことはないのか! そんなメッセージ性も見て取れる。そして女性は引くだろう...そんな予想に対しての挑戦もあったかもしれません。
名が知れてるうちに色んな役をトライしよう。イメチェンにもなるし面白そうだ。中には思いもよらぬ評価を得られるかもしれない...近年の傾向としてヒット作がある役者さんは、その後「これでもか」とばかりに仕事しますね。ワーカホリックと言えば聞こえはいいが、稼げるときに...そんな思惑が感じちゃうわけで、人によっては落胆・怒りを感じる可能性がある「リスクある映画」でしょう。
私は色々置き換えて観れましたが、もう一度観たい気にはなれないです。勇気や元気が出るノリじゃなかったのが惜しいなぁ。。。
死んでるから本音で付き合える
久しぶりに変なものを見てしまった。
万能死体と共にサバイバルする主人公の物語。
つまり本編は、ほとんどが独り舞台のようなもの。
なら死体との会話こそ主人公のモノローグかもしれず、
交わされる妙に真面目な哲学的問いかけは(出てくる言葉はお下劣であるが)
主人公の脳内問答なのか、と思ってみたりしている。
死体には、幼い子供が脳内に作るイマジナリーフレンドを連想するが
大人になってのそれはずいぶん追い詰められているようにしか思えず、
確かに冒頭、首をくくろうとしていたのだから、なんだかつながるのかもしれない。
結局、最後まで理解されず終わった主人公。
分かり合えたのは、死体だけ。
滑稽でナンセンスであればこそ、そこにしか救いのないラストが
どシリアスと孤独にまみれ、悲しみが深かった。
チープさのかけられもない映像の美しさはもとより、
シナリオもアクロバットで最後まで分解せず、納得して見られた本作。
嫌いではない。
きっと理解できていないだけで、しっかり作り込まれているはず。
だが、本当に、久しぶりに変なものをみてしまった感は抜けず、
心のざわつく作品だったと締めくくりたい。
ハリー・ポッターが死んだ。しかし、さすがは魔法使い、ただの死体では...
ハリー・ポッターが死んだ。しかし、さすがは魔法使い、ただの死体ではなかった。
・オナラジェットスキー。ハリーはケツ毛ボーボーです。
・口腔貯水からの噴射。銃にもなります。
・勃起レーダー。下ネタ連発のおしゃべりです(笑)
・硬直利用破壊。火起こし、ガスバーナー。
奇想天外。いったい何を見せられているんだ。新ジャンル変態映画。自信を持てない人間に勇気を与える側面も。ラストまでも衝撃的。
ダニエル・ラドクリフの死体演技、オスカーものだと思います。
TVO吹替版鑑賞
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