ノクターナル・アニマルズのレビュー・感想・評価
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すべての表現には真実が宿る。その真理が刃のごとく胸を貫く、凶暴かつ深遠な怪作
前作の静謐さからガラリと変わり、凶暴性と混沌の中に表現者としての研ぎ澄まされた真理を忍ばせる。誤解を恐れずに言えば、前半部分には胸をかきむしりたくなるほど困惑させられたし、不意に突き落とされる闇の深さには絶望の二文字すら浮かんだ。が、そこからトム・フォードの目論見が徐々に浮かび上がってきてからは、またしても鋭利な刃物で貫かれたみたく思い切り目を見開かせられた。
「創られしもの」が内包する、ある種の真実。世の中にはファンタジーやSFの構造を借りてそれらを器用に行き来するものもあるが、この作り手は細部にまで神経を行き届かせながら巧みに繊細な襞を織り込んでいく。ふと映る人、車、言葉などの要素が反響しあっていることに複数回の鑑賞でようやく気付いたりも。すべての表現には真実が潜む。本作がトム・フォードの内面投影だとするなら、映画が幕を閉じる時、そこには三重の表現世界が層をなしたことになるのだろう。
あの二人にまったく違った結末はありえたか?
元夫の意図がどこにあったのか、観る人の人生観によって多種多様な解釈があるに違いない。自分は入り組んだ暗い復讐劇だと思っているが、もしかして元夫がスーザンに最後のチャンスを与えていた可能性はないだろうか。
エドワードにとってあの小説は、自分がスーザンにどれほど傷つけられたかという告白であり、同時に彼女への執着を捨てられない裏返しでもある。決して許せないが愛することもやめられない女は、かつて2人で抱いた夢とは真逆の、物質主義に取り込まれたアートの世界に生きている。
小説に打ちのめされ、魅了され、再び元夫に気持ちを向けたスーザンが再会の場所に選んだのは、ハリウッドのスノッブなお高め和食レストラン“ヤマシロ”。着ているのは勝負服みたいに煽情的なセクシードレス。あの姿をエドワードはどこからか隠れて見ていたのではないか。もしスーザンが、身の丈の自分でエドワードに向き合うような場所と服装を選んでいたら、もかしてエドワードはスーザンの前に現れはしなかっただろうか。
コスチュームを介した現実と虚構の逆転劇。
自分を見限った元妻に渾身の自作小説を送りつけ、架空の物語を通して封印してきた現実の思いをぶつける男。それを読み進むうち、次第に架空の世界に魅了されていくヒロイン。稀に見る間接的復讐劇の登場である。そこに、世間の古い価値観と格闘してきた監督、トム・フォードの怨念が凝縮されていそうだが、主人公のキュレーターが身を置く現実世界が虚飾に塗れていて、小説の方がよりリアルという空間の逆転を、俳優たちが着用するコスチュームによって表現したところも、デザイナーでもあるフォードらしい。中でも、小説に登場するマイケル・シャノン扮する警部補が着る、いかにもテキサンらしいワイルドなカウボーイ・スタイルには、フォードにとって今は遠くなった故郷、テキサスへの熱い思いが感じられて、ちょっと切なくなる。
映像の美、構造の妙。
エイミー・アダムス扮する画廊オーナーのスーザンのもとに、売れない小説家だった元夫(ジェイク・ギレンホール)から校正原稿が届く。映画の構造としては、スーザンの公私の現在と過去の回想、スーザンが読み進む小説世界での出来事が交互に描かれる。小説内の主人公をギレンホールが2役で演じ、小説内の妻をアダムスに似たアイラ・フィッシャーが演じることで、スーザンが小説内の夫婦に元夫と自身を重ねていることが示唆され、スーザンが否応なく引き込まれる感覚がリアルに伝わってくる。
ファッションデザイナーとして名を成したトム・フォード監督らしく、スーザンの現在の映像はファッション、インテリア、アート作品でハイセンスにまとめられているが、冒頭の全裸の太った女性など、前衛アートを皮肉ったような「醜」を挿入してアクセントを添える。洗練された現実世界と、不穏な気配に満ちたワイルドな小説世界の対比も効果的だ。
のっけから不穏な空気プンプン
こんなにインパクトあるオープニングは他にあっただろうか!変な汗だらだらで始まって5分でバテてしまった…
やたらシャープな映像に、目を背けたくなるほどの残酷なシーンの連続。そして、ところどころで映し出されるとてつもなく壮大で美しい大自然。めくるめくジェットコースターストーリーに、とにかくメンタル的にやられてしまう。
ラストシーンの解釈も本作の話題のひとつのようだが、個人的には疲れ果ててしまって追求する元気なし…(汗)
映像やストーリー等々とても凝っていたと思うのだが、個人的にはどうしても残酷過ぎる印象が強く、星3つ止まりというところか。
終わり方が駄目
映画の中の更に小説の話だけど、めちゃくちゃ理不尽やなあと思って見てたけど、
見せ方とかは面白かったが、えっ、終わり?っていう終わり方。。
こういう終わり方の映画ってたまにあるね。
エイミー・アダムスはやっぱ好きだな。
感想
最初びっくり。
ふくよかな女性の裸でダンスはなんだったんだ。
主人公がアートディーラーということで、仕事ぶりのただの描写か?ハァハァ聞こえたけど…。
先鋭的な芸術はよくわからなかった。
元旦那が送ってきた本は、三人の男に絡まれるところすごく怖かった。
その後の展開も最悪で、本の話だけで十分一つの映画で、彼女が読んでいる現実とどういう関係があるのか疑問に思いながら見る。
ジェイク・ギレンホールの演技力すごい。
彼女に怖いと思わせるくらい実力をつけたことを知らせたい?
そして自分の苦しみも体験してほしいのか。
昔の彼からは想像もつかないような内容の本。
最初に君のおかげで、みたいなメッセージがあったから、彼女との別れが影響してて、ラストのレストランで待ちぼうけの彼女は自分が彼を傷つけて変えたことに罪悪感を感じてる気がした。
衝撃的で悲惨な本を書けるようになった僕は変わったとメッセージが込められてる。
彼女は優しかった彼を変えた自分のしたことを悔やんでるように見えた。
日中の彼女に影響を与えるくらい、恐怖心を感じさせるくらい、彼の本はすごくなってた。目につくものの意味が変わる。
過去の回想で、主人公は不自由のない暮らしを求めてた。
序盤の主人公は退屈そうで、不自由のない暮らしを手に入れだけど、愛がなくなってた。
元々主人公は、愛に重きを置いていたのに、母親の考えが積もっていって、富のある安心感の方が大事になっていった。
お父さんの方のジェイクは最初気弱で娘と妻を守れない、銃で打てなかったけど最後は撃つ。
煽り運転してきた男たちが絡んできて色々いう言葉。現実の方のジェイクが主人公に言われたくなかった言葉かも。
本の中の娘と妻が殺されて、そうなるだろうと思って見てたけど最悪。
現実パートで堕胎の回想があってそれを見た後だと、主人公はならずものの側だと言われてる気がした。
父親がモーテルで自分を責めたり犯人を探してる時苦しんでる姿は、離婚した後苦しんだのかなと後から想像した。離婚後19年らしいし。
19年引きずってる。
インパクトの強い最初のシーンがある意味がわからない。考えてみる。
浮世離れした金持ちの楽しむ芸術?
滑稽さ?
彼女の仕事の意味のなさか?
彼女も手応えを感じてないみたいで、やりたいことではなくて、金になる仕事だからやったみたいなことか。
太ることはジャンクを表してるらしいけど。
欲望のままに食べてふくよかなモデルは金持ちたちを表してる?
エンドロールが流れ始めた時ため息が出た
本当に良い最後でした。
悲しみの種類としては、誰もが一番経験しがちな失恋ではあっても、これほど一人の人間の傷心を深く広く表現出来る映画には感服しました。
現在の彼が小説の中でしか姿を見せなかったラストは、本当に素晴らしかったです。
作中、彼がどれほどの作家になったのかは分かりませんが、これは、ひとえに「復讐の物語」で片付けて欲しくない作品です。
この読後感を忘れたくないため、ほとんど自分用にレビューを書きました。
エンディングは人それぞれか
作中の現実とフィクションを行き来しながら、観るものの想像力をかき立てる脚本だった。
一歩間違えば酷評になりかねないが、芸術と空想のスパイスがなんとも不思議な脚本を紡ぐ辺り、そのバランスは見事だった。
小説の中のお話
半分以上がジェイク・ギレンホールが書いた小説の中のお話。
終わった時は理解できてなかった。
いつものカッコ良いジェイクじゃなくて情けないジェイク。
最後胸糞悪い終わり方した。
オープニングのインパクトすご
元旦那からの小説の世界と現実と過去がリンクしながら螺旋のように進行していく。
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この物語は僕にとって、人を投げ捨てにしてはいけない、という事を表している。現代、僕らはなんでもかんでも簡単に捨ててしまう文化の世界に住んでいる。すべては消耗品で、人間すらも捨ててしまう。
スーザンは自分が求めていたものすべて、外側から見れば自分の理想の人生を手に入れているが、内側は死んでいるんだ。そしてこの小説がきっかけでそのことにはっきり気が付く。彼女自身もほとんど気づきかけていたことなんだけれどね。
これが中心のテーマなんだ。僕にとってとても重要なね。誰かを大切に思うなら、誰かを愛しているなら、投げ出してはいけない、手放してはいけない。
(「ノクターナルアニマルズ トムフォード監督が解き明かす解釈。」より引用)
なんか胸糞悪いなぁ
小説って感じでしたが
なんだか全体的に胸糞わるいなぁ。
おとしろいという感情が一度も浮かばずに終わった作品でした。
なんかなぁ、気分がずっと沈む感じ。
合わなかったなぁ。
冒頭のふくよかな女性の全裸シーンもシ
きっと意味のあるシーンなのでしょう、
なにかメッセージがあるのはわかりますが
長すぎて、それどころじゃないです。
最後、彼をレストランで待っているが
あれは現れない、それは彼の復讐だったんですかね。
結局うまくいかないとすぐ他へいく女性でしたね。
小説で彼女の想いを断ち切る
元カレの小説が
贈られて来るところから
…始まる
小説の登場人物は筆者の元カレと
贈られた彼女と娘の三人が出てくる……が
小説が現実に起きたかの様な展開で
読むという感じではなくて
ほぼ小説の世界を映像で見せられているので
元カレのとてつもない悲しみや苦しみが
計り知れないほど伝わってくる
小説の世界にグイグイ惹き込まれていく
彼女も読んでいる途中で涙を流す場面も…
最後は元カレが自殺をはかって
死んでしまう…設定だが
元カレの彼女を好きだった十九年間の想いと
苦しんできた想いを小説を書くことによって
終わりにしたかった…だと思った
…小説を書き終えた時点で
彼女の想いを断ち切ることが出来た
何時まで経っても元カレが来ないレストランで
ドレスアップして
元カレを待っている彼女の姿が印象的です
お互い愛しているのに傷つけあうふたりは
一緒になることは無理なのかも知れません
結局、皆弱いのでは?
夢を追うロマンチックな元夫との子を中絶し、離婚し、お金には困らない不自由ない暮らしをしていたが、それにも物足りなさを感じる主人公。
才能を否定されて、捨てられるも、19年越しに才能を認めさせるリベンジを果たすも"その行為そのものが弱い"元夫。
小説の主人公の弱さも、警察官が病気と権力には勝てず、法を犯すことでしか気を晴らせないことも。
犯罪を犯す田舎のチンピラどもも。
中指立てて、罵るも、レイプされて殺される娘も。
全て、人の弱さを表してる気がする。
「夜の獣とは人の弱さのこと」かな?
2つの復讐
芸術家として富と名声を手に入れたものの、夫との関係に深い溝を抱えるスーザンのもとに元夫から小説が届き…。
前衛的すぎるオープニングに度肝を抜かれたが、全体としては人間を繊細に描いた復讐劇で終盤はただただ切ない。俳優の演技で心揺さぶられる作品です。
ジェイク・ギレンホールの透明性のある演技はもちろん素晴らしいし彼目的で本作を鑑賞したけど、アーロン・テイラー=ジョンソンのガチクズ演技がぶん殴りたくなるほどハマっていました。
サイコ煽り運転野郎どもからのサスペンス
身の毛もよだつ「煽り運転被害」のシーンが延々と続きます。そこで嫌気がさしてしまう方もいるかもしれません。そのシーンは元旦那の書いた小説の内容だったんですね。切り替わりがよくわからなかった。いや、それはただの小説なのか、、、
見てのお楽しみです。
昔は田舎道を夜中に走ったり、健全ではない生活をしているとわりと煽り運転の被害に遭う確率が多かったけど(職務質問遭遇率も似たようなもの)今は昼間に健全と普通に安全運転をしていてもサイコに絡まれることがあるからね。理不尽極まりないよ。
所在なげに昼間や夜中に外にいないことだね。屋内にいるか忙しそうにオフィス街にいるかしないとすぐ不審者扱いだ。
前科のある方は尚の事面倒くさいね。
6割くらい進んだところで心臓が弱い方には
腹の立つ脅かしがあるので気をつけて。
残酷な内容もキツい人にはキツいと思います。
最後のラストは元旦那の復讐だったとと言う事か?
それとも小説の内容は現実の、、、
あの待ち合わせのメールは誰が、、、
謎めく終わり方でした。
最後まで引き込まれるなかなかのサスペンス作品でした。
たまにこう言うたまたま見てみたら思いのほか面白かったというパターンでした。
数年前に婚活アプリで知り合った元GUCCI店員で画廊で働くめちゃエレガントな高嶺の花のいい女と麻布十番のイタリアンレストランで会った事を思い出した。
僕が本当は金持ちではない事をすぐに見抜かれてLINEを即ブロックされたっけ。
終わり方が好き
エドワードがスーザンに小説を贈った
それだけの話なのに小説の内容と
自らを重ねていろんな想いを巡らせるという
もっと言えば、元夫や現夫側のストーリーはなく
スーザンただ1人の心情の変化だけで話が進みます
20年ほど連れ添った夫に愛されもせず
沈んでいるところで元夫からの小説
彼はこんなにいい作家になったんだ、、
何年も経つのに私に贈ってくれたのね、、
エドワードごめんなさい、こんな私で、、
もう一度会って話をして謝って、許してもらえたら
ここからもう一度、私の人生やり直せそう
なんて安易な考えが伺えてしまう、あのドレス
私がエドワードだったら
まじか、、どういう気持ちで来たの、、
僕は水に流すつもりだったのに、、
君は僕に何をしたか覚えてる?
なんて思っちゃいますね、女々しいけど
主役のファッションで物語る、、
さすがトム・フォードというべきなのか、、
いい歳になって地位があって
女性としてのプライドもあって
そんな彼女が気合い入れて、鏡に映る自分を見て
ふと我に返り気合いを入れすぎた口紅を少し落として
色んな思いが巡りながら淡い期待を膨らませ
ディナータイムに1人ひたすら待つという屈辱
シンプルにメンタルにくると思います笑
でもここまでも、すべてスーザン側だけの話
エドワードの気持ち的には復讐する気もなかったように思えます
エドワード側のストーリーは語られていないもので、、
ただ、ただ、スーザンがひとり舞い上がっただけの話
バンドデビューしたら元カノから連絡が来て
久しぶり〜!元気だった?曲聞いたよ!
めっちゃいいね!久々に話ししたいな〜
今度ご飯でも行かない?
エドワード側からすれば、それと一緒のような笑
こっちはこっちでもう日々忙しいから
約束、、あ、忘れてた、、みたいな事かもしれない
なんて観た後も色々想像できて楽しい作品でした
愛していた人の子供を黙って
おろす事ができてしまう感覚の彼女は
その後も現れないエドワードに何を思うのか
恥をかかされたと思うのか
己の浅はかさを恥じるのか
全体的にアート推しで印象的だったのが
小説の中の妻娘の痛ましい遺体とスーザンの娘がベッドで美しく横たわるシーンに繋げだことにハッとしました
意味合いが違うのに同じ図であるために対比してしまう観る側ためだけの視覚的な演出
ワンカットだけど、すごいなと思いました
あとはあのラストの対比
華やかに着飾った彼女が惨めな気持ちになっているであろうその顔でエンドロール
(あー、やっぱ洒落てる!)
1発目に出た感想がこれでした。
レビュー
あまりの生々しさに不快感を感じながら、引き込まれ、目を離せないシーンが多すぎる😇
虚しさの中でリッチな生活をしている女性は、元夫から送られてきた小説に、魅せられながらも、心の深部を削られていく…
観てるこちらも削られます🦊💦
大人向けではあると思います🌞
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