散歩する侵略者のレビュー・感想・評価
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「侵略者」と「散歩」。このギャップがすべてを物語る
宇宙人による地球侵略もの、と聞けば大仰なSFスペクタクルを予想しそうだが、意外にも映画の中心は会話劇。それもそのはず、原作は舞台劇の戯曲で、これをホラーの名手・黒沢清監督が映画化した作品なのだ。
特撮も爆薬も使えない舞台で、宇宙人による侵略をどう具体化するか――そんな出発点から、人間の概念を奪うという基本コンセプトが生まれたのではないかと想像する。これなら、概念を奪う行為そのものは台詞と動作の演技で表現できるし、概念を奪われた人間の変わりようも、日常に突然生まれた非日常を可視化できる。
こうした原作のアイデアに黒沢監督の演出によるショッキングな場面とほどよいユーモアが加わり、さらに映画らしい派手なアクションシーンも添えられて、邦画のスケール感で十分に説得力あるSF侵略劇と相成った。「侵略者」という非日常と、「散歩」の日常。このギャップを無理なく繋げたところが本作の肝と言えよう。
どこか不思議な展開
長澤まさみ扮するイラストレーター加瀬鳴海は、松田龍平扮する浮気していた夫加瀬真治が何かしら呆然としてしまった事にあきれた。
どこか不思議な展開で、殺人事件があったり地球が侵略されると言う話があったり概念を集めたりとか。 そうそうたる俳優陣だったけど、あんまり面白くなかったな。
侵略の目的…
そこがそもそも不明なので共感できなかった。飄々としたシンジと天野のキャラが被って見えて、冒頭の設定説明的なシーンが長過ぎた。記者の桜井もこの世に未練がないのか、目的がジャーナリズムなのかなんなのか分からない。ラスト、愛の概念を奪ったお陰で人類が救われたわけだが、個人を犠牲にして良いのか、そんな風に考えてしまった。
終始、奇妙な感がする映画だった。 宇宙人が侵略しているのに、人間と...
終始、奇妙な感がする映画だった。
宇宙人が侵略しているのに、人間とのやりとりとの滑稽さ。
観ていて不思議な感じだったけれど、そこがおもしろいのかもしれない。
やっぱり愛は大切なもの。愛は地球を救うでした。
GPS装置を渡すなんて卑怯ですね。卑怯だろ~?
もしかすると、筋肉ムキムキの笹野高史が飛び出してくるんじゃないかと妄想してしまうが、それよりも厚生労働省って肩書がいかにも卑怯だろ~って思ってしまう。どうして厚生労働省なのか、どうして謎のパンデミックが起こっていたのか、宇宙人による侵略がメインテーマであるハズなのに、一方では自衛隊も出動していて、戦争が今にも始まろうとしているという展開に納得がいかない。
本作は黒沢清監督のオリジナル脚本ではなく、前川知大という原作者がいて、元は舞台劇であるのだという。前川原作の『太陽(2015)』でも独特のSF世界観を発揮していたのですが、どちらも舞台劇ぽい狭い範囲での設定です。黒沢清の映画なのだから、誰かが幽霊なんだろう!と勝手な先入観で見ていると裏切られてしまいます。
基本的には人間の体を乗っ取った3人の宇宙人が中心。加瀬鳴海(長澤まさみ)の元に戻ってきた夫・真治(松田龍平)。青年・天野(高杉真宙)、女子高生あきら(恒松祐里)だ。宇宙人は人間の概念を奪い、知識を蓄えていく。れは「家族」であったり「仕事」であったり、抽象的な概念なのだ。概念を奪われた人間はその部分が欠落して痴呆化してしまうようだ。医者から若年性アルツハイマーの疑いを持たれるほど知識不足だった真治たち宇宙人は徐々に人間を理解していくのです。
真治のガイドとして運命を共にする鳴海、天野のガイドとして行動するジャーナリストの桜井(長谷川博己)は概念を奪われないという設定。やがて3人の宇宙人は仲間に通信機で交信し、地球を侵略し始めようとしている。命が惜しくなった桜井はわずかな生き残りの“サンプル”になることを希望し、彼らに協力してしまう。一方、鳴海は真治と一緒にいたいと切望する・・・
結局は「愛が人類を救う」という壮大なテーマではあったものの、戦争が始まるとは何のことだったのか、笹野高史は何だったのかと、大きな謎も残したままエンディングを迎えます。「人類すげーな」とか「人類をなめんなよ」とか、やたらと“人類”を強調していたこともクスッと笑えてしまう作品でした。
【2017年9月映画館にて】
愛は人類を救う
しかし面倒くさいことをするエイリアンだな。変わったエイリアン映画。
様々な概念を奪っていったが、やはり平和のために一番大切なものは「愛」ということなのでしょう。
もしかしたらプーチン大統領は愛という概念をエイリアンに奪われてしまったのかもしれませんね。
【沢山の違和感を感じつつも最後まで観させてしまう演出】
・2017年公開の日本のエイリアン系SFドラマ映画。
・劇団イキウメの舞台作品がもととして、黒沢清監督が製作した映画のようですね。
・鳴海(長澤まさみさん)の夫(松田龍平さん)が、行方不明の状態からようやく帰ってきたら別人の性格。夫は「僕は宇宙人」「地球を侵略しに来た」「君にガイドしてほしい」といった信じられない事を鳴海に伝える。一方、桜井(長谷川博己さん)という週刊誌記者の元にも高校生くらいの男女の宇宙人が「僕たち宇宙人」「ガイドしてよ」と現れる。人間に乗り移った3名の宇宙人は、地球上で人間の概念を、人間の頭の中から集めて自分たちの星に送ると、地球の侵略が始まる。半信半疑で宇宙人のガイドをするうちにこれから地球侵略をしようとしている宇宙人と共感し始める鳴海と桜井。彼らは、宇宙人は最終的にどうするのか。 という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・「概念を奪う」という奇抜な設定
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[物語]
・前知識なく鑑賞しました。パッと見た印象は「スケール大きな話をこじんまりと表現している物語」と映りました。しかし後で、もとは舞台作品と知り、なるほど、舞台でやったら面白そうな設定だ!と。ところどころ、登場人物の心の流れと言いますか、彼らの行動が違和感を感じてしまいます。ゴールありきのシナリオに向けて、キャラクターが動かされている感をどうしても感じざるを得ませんでした。例えば桜井の台詞「こいつらは散歩する侵略者なんだ!」などは観ている側が少し恥ずかしくなってしまいました。とはいえ、桜井の台詞「人類なめんなよ」や夫の行動や雰囲気など、面白く感じる面も多数あり、違和感と面白さがイーブンな評価でした。
[演出]
・この物語は演出が非常に難しいのではないでしょうか。そもそもの設定がスケールの大きな話をこじんまりと表現しているので、そのまま演出していくとどっちつかずのものにしかならない。とはいえ、原作を崩してしまうのも…という葛藤がありそうな作品に思えました。それでも決められた枠(物語)の中で、映画ならではの壮大さをエッセンスとして加えていたかと。ただ、それが若干無理を感じてしまう。例えば、冒頭のトラック横転シーン。これは宇宙人の超能力か何かと思いきや、そんな能力は彼らにはないので、単純に転んだトラック。え?そんなことあります?と笑 また、終盤戦で戦闘機が襲ってくるシーン。「早くアンテナ壊しなよ…」と笑 映像的には凄いのですが、物語的に違和感しか感じませんでした。
・ちょっと目に見えたマイナス点ばかり述べてしまいましたが、結局のところは「この無理目な物語(設定)をここまで観れる作品にした」ということは凄いなぁと思っています!
[映像]
・宇宙人の侵略シーンはもっとスケール大きくしてほしかったなぁと思いました。元が舞台なので、物語がこじんまりしてしまうのは致し方ないのですが、せっかく映画化するなら、その辺を大きく変えてでも、背景に潜む宇宙人たちの強大さを映像的にも大きく表現してくれると違和感なく共感できる気がしました。
[音楽]
・際立って感じたことはありません。
[演技・配役]
・夫役に松田龍平さんを利用したところが成功の秘訣だと思いました。彼の不思議な雰囲気なしではこの映画は成り立たないのではないでしょうか。最後まで観れたのは彼のキャラクターのおかげかと。また、鳴海役の長澤まさみさんも同じく。純粋で真面目で堅物な鳴海が、自身の性格にまっすぐに行動していく部分と宇宙人夫の個性的な部分が妙にマッチ。この2人の雰囲気がとても魅力的です。
[全体]
・物語そのものは違和感があっても、不思議な夫がどう行動していくのか、が気になって最後まで観れました。しかし、どうしてもスケール大きな話なのにどこかこじんまりした感じがぬぐえず、観ていて「宇宙人に侵略される」という危機感を覚えることができませんでした💦そのため、せっかく桜井が街中で人々に呼びかけるシーンも、観ている側も少し冷めた目で観てしまうことに。。。宇宙人の設定も明確さがなく、どこまで何が出来るのかがわからないまま進むので、モヤモヤ状態で観ることに。。。
・イケないイケない…またマイナス点ばかりですね💦いやいや、そもそもひど過ぎたら途中で観るの止めるので、最後まで観れたこと自体がありがたい作品だと思います。むしろ、自分がどこに違和感を感じるのか、などを色々と気づかせてくれる作品と考えますね。ありがとうございました。
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どうも黒沢清監督作品は合わないらしい。
「”概念”を奪う」に始まり、「”概念”を奪うには相手がそれを具体的にイメージしていないとならない」とか「パートナー(地球で生活する上でガイドとなる地球人)からは”概念”を奪わない」とか、結末ありきで無理矢理肉付けしたような設定に萎えた。
人妻長澤まさみの破壊力
人妻長澤まさみは良いよ!(断言)
話の筋は大したことないし、細部を見ると大雑把なところばかりではあるが、
愛の概念を奪われた長澤まさみが最初は特に変化を感じないが、徐々に蝕まれていく感じが面白い。確かに愛って複合的な概念から成り立つものであるから失うとゆっくりと徐々に感覚が奪われていくんだろうなあと。
長澤まさみかわいいなあああ。
最後のラブホでいちゃいちゃするまさみちゃんが好きです。愛奪われるんだけどね。
頭に入って、いっぱい入ってっていうところすごくエッチである。
発想は面白いんだけど明確に形に出来てない感じがすこしもどかしいんだよね。
悪くはない映画だけどベストとは言えないかな。
君はそれでも宇宙人か⁉︎
数日間行方不明だった夫が帰ってきた。
ただし、何か言動がおかしい。人間らしさがない。
街で起きた一家バラバラ殺人事件。
ジャーナリストの桜井は、事件現場に現れた謎の少年と事件の鍵を握る少女を探す。
人々は心を失っていき、政府は秘密裏にその何かに立ち向かう。
宇宙人の地球侵略が始まった。
黒沢清版E.T.(ちゃんと観たことないけど)。
不気味な宇宙人侵略に人間が立ち向かおうとする話かと思えば、まさかのハートフル映画だった。
全く新しい宇宙人の地球侵略方法。
全くというのは嘘かもしれないけれど、この映画にはUFOもグレイも出てこない。
形は無くウイルスとして寄主となる人間に侵入、その体を自分のものとして、1人だけ人間のガイドをつける。
多くの他人から概念を奪うが、ガイドからは奪わない。
人間は言語を使用して物事をやりとりするが、もしも、その言語で表される“もの”の核となる概念を喪失したら…
よくある宇宙人が目から光線飛ばしてくるのも、実は概念を奪う行為だったりして。
奪われた人間たちの無力なこと。
でも、愛だけは違った。
無だった宇宙人が愛を持ってしまったら。
はじめは人間サイドだった両ガイドが、最後には宇宙人サイドと心のつながりを見せるのには感動。
気づけば彼らの侵略を応援している自分がいた。
豪華俳優陣と恒松祐里、高杉真宙、光石研といったら私のためのキャスト。
加瀬夫婦と桜井率いる3人という2つの世界で進んでいく話。
メインは加瀬夫婦だが、どちらかと言えば桜井パートの方が長め。
松田龍平は無の芝居が似合いすぎだし、長澤まさみはラブホのシーンなど流石としか言いようがない。
グラサン長谷川博己のセリフは何故か毎回笑ってしまった。
豪華俳優陣の無駄遣いの中、冒頭の血まみれ恒松祐里のバカカッコ良さと脳内お花畑の光石研の可愛さは特に印象的。
それだけでも観る価値あるんじゃないかという。
人との関係が希薄となる今、自分は空っぽになっていないだろうか。
もう一度自分自身と向き合い、言葉の有り難さを噛み締め、人との交流を絶やしてはならないと宇宙人は教えてくれた。
最後はやや蛇足に感じたが、全体としてしっかりとまとまった映画だった。
しんちゃんに会いたかった
題材はよかった
しかしどこか共感できなかったのは「しんちゃん」がいなかったからだろう
どんな人物でどんな経緯が彼女とあったのか、
それが間接的過ぎてわからない
小説ならそれでいいが、映像であれば映してほしかったのが正直なところ。
最後テロリストになっていくフランケンいて笑った。
役者陣が良かった
とにかく役者陣が良かったように思います。
長澤まさみさん、松田龍平さん、長谷川博己さんの3名が映画の冒頭部の感情から終わりに向かって変わっていき、それぞれの内なる感情の機微が描かれていたと思います。
映画全体としてはシュールな感じもあり、賛否ありますが僕は楽しかったです。
ややシュール過ぎな気もしたけど。
結末へ向かう3人の演技は必見かと思います。
黒沢作品は好きですが
この映画は微妙でした。
概念を奪うっていうのが絵的に地味すぎる。起伏のない話が2時間続く感じ。最後の最後でド派手な展開になりますが、そこに行き着くまでが怠すぎます。
黒沢作品特有のゾクゾクする感じも今回は控えめでした。役者陣は高評価ですが。
長澤まさみが美人だから最後まで見れたかな。
宇宙人に対する私の概念は これ
もともと、宇宙人がもし地球にやってくるならそれは侵略者でしかない、と思っていた。
今もそう思っている。
それ以外の理由ではるばる 地球の科学力を上回るモノたちが他の天体に来る理由はない。
仲良くなりましょう なんて訳はない。
ジャーナリスト役の長谷川博己さんが
「宇宙人が地球を狙ってる」的な事を街頭で叫んでも、みんな遠巻きに傍観してるけれど
今のこのコロナ禍だって
2019年には日本人で予測してた人はいないと思われるし
いたらこのジャーナリストと同じだったろうと思う。
舞台の映画化と聞いて
ああ なるほどと納得するのが
宇宙人 と聞いてそのスケール感となんかよくわからない日本のある地方都市のみの狭さで地球侵略が始まって終わるスケール感のチグハグさだ。
概念を奪う
その設定はありだとしても
愛という概念を奪った途端にそれが収束するというのは
ちょっと子どもじみてて
その辺りが 舞台というものの器の小ささを映画という広がりある媒体に持って来ても陳腐に見える理由。
松田龍平は いつも常に こう見ると宇宙人ぽい。
役者たちが素晴らしいので陳腐さはかなりカバーされていて
ラストの長谷川博己の
憑依されちゃった姿の歩き方なんて 絶賛されていい出来。
ハリウッドの宇宙人モノとは違う 小宇宙(ややこしい)的な感じもこの良さは出ている訳だけど
最後の終わり方がなんだか、ひとまず終わりました〜的なのが安易に見えるし
終わりを与えず、今もこうやってじわじわ来ちゃってますよ〜の方向に持って行った方が良かったような気がする。
面白かったけど・・・
ストーリーは面白かったし、俳優もよかった。でも、結局人類を救ったものが、愛の概念(力)っていう設定は、ちょっとどうなんだろう。映画化の前に舞台で上演していたと知って、ちょっとびっくり。舞台としてのストーリーだったら、コンパクトに上手にまとまっていて、(何となくだけど)良かったかもしれないと思えました。
ラストが良く分からない
鳴海が愛を奪われた時に呟いた
「何も変わらない・・」
の一言
そしてラストの無表情
愛の概念とは何か
症状が改善しないのは症状が無いから?
妹が家族の概念奪われた時と同じよ様に流れた涙
奪った後に景色が全く違って見えた真司の症状
難しい
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