光(河瀬直美監督)のレビュー・感想・評価
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セリフが少なくても、伝わってきました!
セリフがあまり多くないのに、伝わってきました!
見上げる樹々の色 聴こえる音 どうにもできない事に
自分ならどう逃げたり 立ち向かえるんだろう?と思いました。アカデミー賞に選ばれる作品だと 感じました。⭐︎
うつくしい
河瀬監督はきれいな場所を知っていて、その美しさをより際立たせて映す人だなと、改めて感じた。
音声ガイドという、普段はなかなか知ることのない職業について知った。
音声ガイドの仕事に向き合う姿も、カメラに向き合う姿も、周りの人々も。みんなみんな、物事に向き合う姿がひたむきで、とても美しかった。わたしは普段、物事にああやって真摯に向き合っているのか、とふと感じた。
そして、誰かを思い遣ること、想像力をもつこと、誰かのために本当になるには…難しかった。けど、最後まで向き合い続けた主人公は美しい。
永瀬さんの演技が本当に素晴らしいし、樹木希林さんの音声ガイドもとても豊かだった。
この映画のポスターが元凶。
河瀬監督の映画観を知ることができ、そして素敵な方だなと改めて思いました。
モニターの方々の意見交換の場面は、つくづく共感することができました。
予告編さえ見ないようにして、敢えてレビューも予習も一切触れないようにして期待して見に来た映画です。
それなのに、この映画のポスターの写真は、必要以上の情報を私に与えてしまいました。
ああ、二人はこうなるんだなという先入観が離れなかった。
なのでこのシーンに至るまでの前半はとてもよかったのですが、ここからの後半は肩透かしを食らった感じがして、急速に興味が失せてしまいました。
え?どうして二人がこうなるの??
そうならなくても、全然素晴らしい映画になっていたと思うのですが。
優しくしてあげたい、励ましたい、慰めたいイコールああやってキスし合う感情には繋がらないと思うのだけれど…。
カンヌで10分間に渡るスタンディングオベーションがあったというニュースを見て、自分がそこまでしたいと思う気持ちまで達せなかったことが、やや残念。
永瀬正敏スゴい。
永瀬正敏の演技はスゴい。
だがそれ以外はただ感傷的なだけで、まったく共感も感動も出来なかった。
たぶん、私には河瀨直美監督の感性が合わないンだと思う…
あと、いくらなんでも寄って撮り過ぎじゃね?
寄り添う
素直。河瀬監督の作品を観ているとそう思う。寄り添う思いを、超クロースアップで表現した。さすがに驚いたが、観ていて理由を解した。
スクリーンの中に飛び込んでしまうのが正しい観賞法。
なんともストレートな作品であるが、同時に私の想像力も試されていると思うと、この監督、以外に人が悪いのか?
焼きそばのシーンが非常にいい
ドキュメンタリー手法と美的な絵づくりが見事に融合している印象で、決して高画質とは思えない映像でも、絵だけでかなり魅せられた。
複雑に絡み合う絵に、さらに追加されるイメージ映像など、個人的には非常に好みなのだが、台詞やストーリーについては手放しでは受け入れることができなかった。分かりやすさ重視と思われるような説明的な演出などは個人的には全く不要だと思ってしまうところ。極端な話、もっと絵だけで魅せてほしかった。内容が詳細な説明を要するだけに、逆に説明が入らないところはとことん不親切になってもよかったと思ってしまう。自由に何でも意のままにできると勝手に河瀬直美監督のことを思っているわけで、それ故のもどかしさのようなものを感じてしまった。
前半から中盤にかけてはただただ魅惑されながら見ていたけれど、後半は(最後の最後を抜かして)ほとんど受け入れがたい演出が続く。とくにカメラマン中森が現実を受け入れる場面などにおいては俳優永瀬正敏が可愛そうに思ってしまったほど。
でも最後の台詞は間違いなく素晴らしいもので、終わりかたも非常に格好良かったわけだから、まぁいらぬ批判は個人的な心にとどめておくとして、よかったところをもっと広めたい。
個人的には、中森と尾崎が中森の自宅で焼きそばを作って食べるシーンが非常に好き。虚実の映像がドキュメンタリー的映像を凌駕している瞬間として捉えることができたし、あくまでも虚構の世界をつくり上げるための手法として荒々しい映像をたくさん盛り込んでいるのだという明確な意図を感じとることができた瞬間だった。しかも説明的な台詞と映し出されている映像が見事に融合している部分だったので、作品のテーマとも非常にマッチしていて、秀逸なシーンだと感じた。できれば、こういった映像をもっともっと見たかったなーと思った故の不満たらたらでありました。
題材も良かった、役者さんの演技も素晴らしかった。でも...
映画の音声ガイド制作と言う余り知られていない仕事にスポットライトを当てた作品。目の見えない人に言葉だけで伝えることの難しさ、労苦を主人公二人の素晴らしい演技で見せてくれました。ただ恋愛ストーリーとしては展開が急過ぎてちょっと気持ちが付いて行けなかったかな?それと美佐子の母親のことも...あれで解決したことに?
音と映像の透明感。
視覚障がい者と解説者の物語なのだと思いますが、全編を流れる音、
風・雑踏・波など拾われる自然な音が素晴らしいです。
映像は、地味ですが どこか透明感を感じます。
永瀬正敏は、いつも通り上手くて、前評判で期待して見た水崎綾女も
これからが楽しみでした。
ただ、初日に見たら映画館 ガラガラでした。
カンヌの賞をのがしてしまったから、一般受けはしないかなぁ・・
こういう映画に、もっとお客さんはいるといいんだけれど。
大切な人と見てください
心が穏やかになりました。障害をもつ方々の話は難しいものですが、これはわかりやすく描かれていて、とても穏やかな気持ちになりました。大切な方と見てください。きっとやさしさを共有できる気がします。
ラストに出るタイトルの恐るべき説得力
映画の音声ガイドという正直この作品を観るまで意識したこともなかった、視覚障害者にとっての映画の楽しみ方という視点にとても衝撃を受けました。
逆説的に映画とは何であるかということをこの作品を鑑賞しながら自問自答し何度か目を閉じて音だけの表現を感じてみたりしてみました。
作中のキャラクターのドラマと作中劇の映画へのガイドの進行がシンクロしていく過程が想像以上にスリリングで、ラストの解釈に至った瞬間のカタルシスはちょっと軽く鳥肌が立つような衝撃を感じました!
そしてこれまで水崎綾女さんというとアクションが出来るセクシー女優という固定観念しか持っていなかった自分がとても恥ずかしく、色んな意味で河瀬監督に心よりの拍手を送りたいです。
暗闇に委ねる
印象的なカット、強調される環境音が光に照らされていた。
ただ、音声ガイド以外のシーンでも過剰なまでに表情の一部をクローズアップの長回しで撮り続けており、演出とはいえ行間を読み取らせる誘導がそれこそ押し付けがましく思えた。
また、視覚障害者の方が御自分の言葉で話されているシーンが印象的な分、小市氏以外の役者の台詞回しが浮いている。
それから、雅哉と美佐子の関係の変化が思春期の様に性急である事や前半の美佐子の常識の無い行動・言動から、成長材料を示す描写は多々あるが、それでも納得いなかった。
しかし結末は大変美しく、まさか上映中に目を瞑る事になるとは思わなかった。
映画制作に携わった人間ならば、受け手に伝わらなくとも自己責任として処理ができる。
また、観客ならば誤解や誤読をしたとしても、それは受け手の特権であり間違いでは無い。
しかし音声ガイドは、他者の作品を自らの言葉や文法を通して受け止められるのだから、「正解など無い」と逃げる事が許されない。
心の底から彼等を尊敬する。
さて、彼には一体どの様な光が見えたのだろうか。
少なくとも映画を愛する我々にとっては、暗闇の中スクリーンに映される全てが希望の光である。
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