劇場公開日 2017年6月10日

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「怒りや悲しみに時効は無い」22年目の告白 私が殺人犯です 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0怒りや悲しみに時効は無い

2017年10月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

今年の実写邦画上半期ナンバー1ヒット作だったが、劇場には観に行かなかった。
観れば面白いんだろうなというのは承知だったが、オリジナルの韓国版を見ててオチを知ってた事もあったし、邦画が韓国サスペンスに勝てる訳がないという失礼ながらの偏見も。
で、実際に観て、うん、ハイ、劇場で観ても良かったと今更ながら後悔。

話は概ね踏襲。
オリジナルを見てない方には、驚きの展開や真相が面白くて堪らないだろう。
で、このリメイク版はさらに色を付け一捻りあって、オリジナルを見てオチを知ってても充分楽しめる。
オリジナルは韓国サスペンスでもマイナーな方で、シュールなコメディ的なシーンや唐突のアクション・シーンもあったりして、結構ツッコミ所も…。(そのオリジナルの『殺人の告白』、超簡易レビューだったのにも関わらず、共感を入れて下さった方、ありがとうございますm(_ _)m)
その辺本作は、終始ハラハラドキドキ目が離せない見応えあるサスペンスになっている。
○○○と○○の関係もこちらの方がずっと感情移入出来るし、“犯人”の背景にも迫っている。
阪神淡路大震災など時代背景も巧みに取り込み、もう廃止されたが時効や踊らされるメディアやマスコミなどへも皮肉や風刺も。
いやはや、参った! 思ってた以上に面白かった!

クズ役をやらせたら今ピカイチの藤原竜也は期待通り。しかし、あるシーンから彼への感情がガラリと変わり、それは話の設定上でもあるが、藤原竜也の演技の巧さもあるだろう。
伊藤英明もや悲しみと怒りを抱えた刑事を熱演。ある映像を見せられ、静かに嗚咽する姿に目頭熱くさせられるものがあった。
1995年と2017年で画面サイズが変わったり、入江悠監督の遊び心もある演出。『SR サイタマノラッパー』などインディーズ系の作品では才を魅せるものの、初メジャー『ジョーカー・ゲーム』がまずまずだった監督のメジャーリベンジは上々!

まあオリジナル同様、ツッコミ所も無い訳ではない。リアリティーもあるし、非現実的でもあるし…。
展開もオチも犯人も脚色はされているとは言え、犯人は大体予想付いてしまう。
だって、犯人像はアノ人以外あり得ないし、何故かフォーカスされてるし、それにキャスティング的にも…。

言ってみれば、一世一代の大博打。
これ、もし現実だったら大問題…所では済まされないだろう。
そんなのは承知。命さえ投げ出す覚悟だったろう。
時効は無くなった。
時効によってどれほどの事件が埋もれていった事か。
勿論、時効にもやむを得ない理由はある。
が、大切な人を奪われた怒りや悲しみに時効は無い。
真相判明や犯人逮捕の日まで。

近大