シーモアさんと、大人のための人生入門

劇場公開日:

シーモアさんと、大人のための人生入門

解説

イーサン・ホークが初めて手がけたドキュメンタリー監督作品。アーティストとして、1人の人間として行き詰まりを感じていたイーサン・ホークは、87歳のピアノ教師、シーモア・バーンスタインと出会う。バーンスタインの漂わせる安心感やピアノ演奏に魅了されたホークは、バーンスタインのドキュメンタリー映画を撮ることを決意する。50歳でコンサートピアニストとしての活動をやめ、以後40年近くの人生を「教える」ことに捧げ、けっして平穏ではなかったバーンスタインの人生が、ピアノの旋律とともに繊細な言葉で語られていく。

2014年製作/81分/G/アメリカ
原題:Seymour: An Introduction
配給:アップリンク
劇場公開日:2016年10月1日

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映画レビュー

5.0イーサン=ホークが「オレ最近まじこのセンセーにハマってて!ちっと観...

2024年1月31日
PCから投稿

イーサン=ホークが「オレ最近まじこのセンセーにハマってて!ちっと観て下さいよォ!(脚色)」と前のめりで紹介するのは、当時87歳のピアノ教師シーモア=バーンスタインさん。

「とても良くなったね。私より巧く弾くのは許しがたいよ(^^)」

私はピアノ弾けないけど、観て良かった。
知らない人のドキュメンタリーって大抵ハマらないんだけど、本作は特別、馴染んだ。

自分勝手で我儘な音楽家が見放されるようになった今、注目されるべきアーティスト像の一例。
音符ひとつずつ、丁寧に大切にキャラクタを付けて奏でてゆく姿勢が、名匠と呼ばれる映画監督たちに重なる。

「私はピアノを弾くとき、楽器の鳴り響きに耳をそば立てます。この感覚を会話に応用すると、ほんとうに相手が言いたいことは何か?探る姿勢を養えるのです」
映画観るのとおんなじだと思った。監督と疑似会話しながら、自分との落としどころ、ハマりどころを探るのが楽しいから。

「私はレッスンで、音楽ばかり重視しません。生徒をはげまし、彼らが自分の感情を引き出せるよう助けます。人生のあらゆる場面で必要だからです。」
感情的にさせる、ということではない。
感情で武装する"中の人"の気持ちを引き出し、見つめるということ。
多くの他人と接する上で、必要なセンス。
ベートーヴェンは自らの繊細さを隠すために力強い曲を書いた、と推理するシーモアさんに唸った。

「素顔の自分と演奏する自分とが一体化すると、一気に高みに到達する」
書いてる文章と自分の本心とが一致すると、晴れやかな気持ちになる。
取り繕ったり背伸びした言葉は、胃を悪くするだけだ。
過激な乱文で憂さ晴らしをするのとも違う。なんか、ガンバっちゃってる装飾だから。
自分のバランスを思い出すために、アウトプットが必要なんだ。ことばでも音でも。
私はまだ未熟なので、うっかり他人を傷つけてしまうけどな。

シーモアさんや生徒さんたちの発言がちりばめられ、観る時々でどれを拾えるか違うので楽しい。
初見時にガンガン響いた台詞を見失う時もあるw。
その時必要な言葉は、自然に耳に入ってくるからそれで良い。
聞く気の無いお説教が、何も残らないのと同じ。

収録された音もとても良い。
「音量が増幅する不思議なピアノ」の音とか、よく拾えたなぁ。
ありがとう!あそこ、とっても驚いた。

手と手をあわせる。いちばん簡単に、自分の内に平穏を見出す方法。
難しいのは楽器演奏。だから練習が必要。

しかし、何十年もソファベッドで寝ててよく身体痛くならないですね。
シーモアさん93歳、ご自愛くださいませ。

=============================
音楽之友社『心で弾くピアノ―音楽による自己発見』
絶版なのが悔やまれるけどめっちゃ楽しい本。
「コンサート終演後、お客さんが演奏と関係ない話をしていても落ち込まないように」とか、とってもユーモラスで素敵なアドバイスを得られる。

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雨丘もびり

4.0【”人生の旋律” 第一級の指を持つ天才ピアニストの、優れた教育論をイーサン・ホークが描くドキュメンタリー作品。分野を越えて人に何かを教える者にとっては、値千金のドキュメンタリー作品でもある】

2022年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

ー 且つては、第一線のピアノ演奏者であった87歳のピアノ教師、シーモア・バーンスタイン。
 表情は穏やかで、彼のピアノレッスンに通う生徒達に掛ける彼の言葉は、常に適切で優しい。ー

◆感想

 ・楽器だけではないが、一線級の“生徒”達を指導する“教師”の殆んどは、厳しき指導をしているイメージがある。
 中には、人格を否定するような指導をしている人が、崇め奉られているシーンを目にした事もある。

 ・だが、シーモア・バーンスタインの指導方法の基本は”褒めて育てる”である。
 - 直近の例で言えば、青学の駅伝の監督だろうか・・。-

 ・声を荒げる訳ではなく、(ピアノの技法に関しては、良くは分からないが・・)シーモア・バーンスタインは、自らの生徒達に対し、穏やかな声で指導している。

<人生を美しく奏でる。
 若き日に苦労したシーモア・バーンスタインが、自らを頼って来る生徒たちに掛ける言葉は、優しい。
 けれど、的をついたアドバイスの言葉。
 今作を監督した、イーサン・ホークは自らの演技に壁を覚えた際に、シーモア・バーンスタインと出会い、刮目したそうである。
 (あの、順風満帆な俳優人生を送っていると思っていた、イーサン・ホークがである!)
 今作品は、分野を越えて人に何かを教える者にとっては、値千金のドキュメンタリー作品であると、私は思う。>

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NOBU

3.0イーサン・ホークがなぜ

2020年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

まあ、それはいいか…

ピアニストという人種にあまり好感がなかった、ヒガミから(笑
でも、神に近いピアニストは何人も知っている、イエルク・デムスとか
この人は全く知らなかった
バーンスタインと言えばレナードくらい

丁寧な音の出し方に終始うっとり聞くことができた
スタインウェイでの弾き比べは画面上でも微かに違いがわかり面白かった

全く派手さのない人・・・

人生入門???

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mamagamasako

1.5ドキュメンタリーでもない、単なる紹介映画

2019年6月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ほかのレビューにもあるように紹介映画。

イーサン・ホークが彼に惹かれたということは分かった。シーモアさんは聞き上手で、人の気持ちに共感するのが上手なのだろう。

昔の現役時代の演奏がないと、舞台恐怖症と言われても観ている方には伝わらない。そこが描かれていないから何故彼が現役引退して教える道を選んだのかも最後までイマイチわからない。

比較的ゆっくりで聞き取りやすかったので英語の勉強に良いかもしれない。

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