追憶のレビュー・感想・評価
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名匠たちと若手(?)俳優たちの共闘に眼福
監督・降旗康男と撮影・木村大作が9年ぶりにタッグを組むと聞いたときには小躍りしたものです。高倉健さん作品は飽きることなく見続けてきた身としては。ましてや、巨匠たちから見れば若手と呼べてしまう岡田准一、小栗旬、柄本佑が、この日本映画界を牽引してきた大ベテランと仕事を共にしたということに大きな意義がある。3者ともに絶妙に世間じみた様相でスクリーンの中を生きており、それがまた実に味わい深い。作品のテイストとしては「あれ?? 『ミスティック・リバー』??」とツッコミを入れたくなる要素はあるのだが、古き良き日本映画を知る巨匠たちと、これからの日本映画界を間違いなく牽引していく面々との邂逅に浸りたくなる作品だ。
余韻なくあっけないエンディング
演者は実力派揃い、舞台は北陸、美しい音楽、と名作になる要素があるにもかかわらずストーリーがひどい。まずある事件が起き、ある過去が描かれ、までは良しとして、その後の展開がびっくりするほど単調で何のひねりもなく事件はあっけなく解決する。人物描写も表明的で深みがなくこれでは演者の無駄遣い。ストーリーは最後までなんのどんでん返しもなく単調にすすみ、突然壮大なエンドロールが流れ、思わず「えっ、これで終わり?」と声が出そうになった。本編が希薄なのに大作らしい美しい音楽が流れる壮大なエンディングロールが空々しかった。
安藤サクラの過去と現在が髪の長さの変化で表現されているが、現在も髪色は黒々としていて顔のシワもなくどう見ても若く見えたため、木村文乃と親子関係という設定にかなり無理を感じた。
店から見える景色や、車内の窓からの風景が、いかにもCGで、しかも古くさい印象。昭和感満載なのはわざとか?製作陣が大御所である、という事で期待して観たが、デメリットが際立った作品と感じた。
音楽、美景、人間ドラマの絶妙な3重奏
観終わって、久々に典型的ではあるが良質な日本映画を観たなと感じた。本作は、甘美な挿入歌、美しい日本の原風景を巧みに織り交ぜた、過酷な運命に翻弄される男達の重厚な人間ドラマである。名作『砂の器』に代表される情緒的な日本映画の良さを愚直なまでに継承している。派手ではないが、きめ細やかな丁寧な描写で、観客の心に静かに響く趣のある作品である。
主人公は、富山県警の刑事・四方篤(岡田准一)。幼少期に、主人公と2人の幼馴染、田所啓太(小栗旬)、川端悟(柄本佑)は、ある事件を起こし、その過去を封印して生きてきた。しかし、その後、数十年後に発生した殺人事件のよって、被害者、容疑者、そして刑事という立場で、3人の運命は再び交差する。容疑者である啓太(小栗旬)を信じたいという思いと、彼が犯人ではという思いが交錯して苦悩する主人公。ドラマは、過去と現在を行き交いながら、3人の人生を炙り出していく。そして、次第に事件の核心に迫っていく。同時に、幼い時の3人の救世主だった女性・仁科涼子(安藤サクラ)の数奇な運命と彼女を巡る3人の想いが明らかになっていく・・・。
登場人物が多いので、いくらでも人物像を膨らますことも、サイドストーリーを盛り込むことも可能だったろう。しかし、敢えて、殺人事件を軸にしたストーリーと殺人事件に関わった人物像に絞り込むことで、余韻が残る心洗われる人間ドラマになっている。また、本作は、昭和の雰囲気が色濃く残っている作風だが、色褪せた感じはしない。それは、本作が、普遍的な人間の感情を描いているからである。
仁科涼子を演じる安藤サクラの演技力が抜群。台詞は少ないが、表情と佇まいで、薄幸の運命と主人公達への慈愛に満ちた想いを見事に表現している。岡田准一は、刑事としての正義感、だらしない母への想い、妻への想いなど、複雑な心境で不器用な生き方をしている主人公を硬派な演技で好演。特に、正義と友情とのあいだで揺れ動く心情を熱演している。小栗旬も、一見優しそうではあるが、どこか謎めいた流石の演技がGood。
甘美なメロディーと日本の原風景の象徴である夕陽の美しさが際立つエンディングが作品全体を集約しているようで、悲しく切ない。
本作は、名匠降旗監督の手腕が冴え渡る、大人が鑑賞できる邦画の良さが光る作品である。
豪華キャストで奥の深い内容
岡田准一扮する刑事四方篤は、子供の頃に親に捨てられていた。拾われた家で同じ様な境遇のふたりと仲良くなった。悲惨な出来事で3人離ればなれになったが、篤が25年ぶりに再会したひとりが殺された。
育ちが厳しいとその後も得てして大変なんだろうね。
岡田准一、小栗旬、長澤まさみら豪華キャストで奥の深い内容だったけど、ちょっと盛り上がりに欠けてたかな。もうひとつインパクトが欲しかったね。
岡田准一のずっと同じ表情に笑いました
レビューの表題は嘘じゃないです。
過去の少年時代に秘密を持つ3人の男たちがある事をきっかけに動き出す。そんなあらすじですが焦点はとても狭い。
とにかく少年時代の思い出に出てくる人物に焦点をあてて、極論他の人物はモブですモブ。それ故に話に集中しやすい、細かな点が頭に入りやすい。
正直言って主演級の男性3人の演技に光る物はありませんが、ストーリーが尻上がりに惹きつけてきて最後まで時間を忘れて見てました。
1番良かったところにはこのレビューではあえて触れてません。実際に観て確認してください。ラストシーンは秀逸です。
染みた
哀しい話ではあったけれど、素晴らしい作品だった。
派手さや奇抜さはないけれど、丁寧に作られていると感じた。
また、キャストの皆さんが大変豪華。全員主役張れる方ばかり。登場人物ひとりひとりの繊細な感情がしっかりと表現されていた。
何かあっさりとした後味!!
登場人物は皆暗いので、ラーメン屋の親父の明るい声が救いに思えました。物語的にはほぼどうでも良い人物が犯人として唐突に捕まるので、推理物ではなくキャストさんの演技や雰囲気を楽しむ映画でした。柄本の「オリンピックが来て景気が良くなる」という台詞が、今となっては虚しいです。小学生の娘が何か萌えました。
短い
豪華キャストに惹かれて鑑賞。
重ーい映画だと思い、観るのに時間がかかってしまったが、なんてこと無い、火曜サスペンスドラマクラスの脚本。
ただ、とにかく木村大作さんの画づくりが凄い。
やっぱすげぇ撮影技師さんて、こんなにもレベルが違うんだなと痛感。
なんてこと無いシーンの完成度が高すぎて、もっと見ていたくなった。本当にあっという間。
突っ込みどころは多々あるが、満足度はある意味高い。
岡田君と小栗君は、どこに住んでるんでしょうね。
方言が出やしない。
古き良き、にも無理はあった。。
Netflixにて鑑賞。次々と出てくる豪華な出演者に感嘆しつつ、展開を楽しみに観ていた。まぁ結果としては、個々の役者陣の演技は素晴らしく、ずっと観ていられた。しかし演出や脚本?にやや難あり。古き良きスタッフ集結、という事で、昭和の香りがする所はまぁいいとして、もう兎にも角にも、何故にオチが不倫の末の保険金殺人??これだけは許せなかった。夫婦仲が破綻してるようにも、不倫、共謀して夫を殺す??昭和のサスペンスドラマ並みに、簡単に人を殺すな!!そこがそんなにサラッと流せるなら、極悪非道の男を刺した事を最後までみんな心に秘めて生きている、という事との心のバランスが合わないだろ!!そして小栗旬が金を無心していた事を刑事の岡田君にひた隠しにしていた理由も、関わりを断ちたい気持ちは分かるが、そこまで納得が行かないし、ちゃんと回収されていない。
そして車内の撮影はそんなに不可能なのか??ちょいちょい出てくる安っぽいCGが、なお昭和を思わせるチープさがあった。木村大作さんの撮影に拘りすぎて、予算切れたか!?あと人と人が語るのに、崖と屋上はマストでは無い。今どき屋上なんて、そう上がれんよ。レストラン?雪割草の立地どないなっとんねん!波で流されるわ。岡田君の目力が強過ぎて、ファブルにしか見えなかったのはご愛嬌か。まぁ突っ込みどころ満載だったが、最後の方は10秒の安藤サクラの演技には本当に、痺れた。しかし吉岡秀隆はもはやどの作品でもオールウェイズ化していて可哀想だ。まぁ、こうやって何やかんや言うのも、結局映画は楽しいな。
薄っぺらい
設定は面白いのに
なんか薄っぺらい。
子供時代の3人の絆とか、涼子に対する
ほのかな恋心とか感謝みたいなものがもう少しきっちりと
描かれていないとこの映画は成立しないのでは
ないでしょうか。
けいちゃんと真里との出会いも
腑に落ちないし
さとると会ったことを隠す理由も
よくわからない。
長澤まさみの役もあまり必要におもえないし。
ホントに作りたかった映画なのでしょうか。
降旗康男×木村大作+豪華俳優陣ときたら名作誕生ですよね。
でも、これだけ×+しちゃうと逆に名作にならない説。
立証された感じです。
今となっては「古き良き」映画の構成なんですが、
ちゃんと「古臭くても良い映画」を作ってほしかった。
ハリウッド映画でも「二大スター共演」モノって
大概つまらない。主役陣にこれだけ演技派ならべると
なんだろう・・・散らかっちゃう感じ。
事務所の意見とかあるのかなぁ。
キャスティングに降旗監督の意見って反映されているのかしら。
そして最悪なのが、CG合成。
カメラマン木村大作の逸話ってたくさん聞きましたよ。
こだわりの名カメラマンって思ってましたよ。
なんですか?このヘタクソな合成は。
脚本もつまらない。
ミステリーではないにせよ、真犯人の逮捕が
唐突すぎて。なんだこれ。
だったら、そんな物語にするなよ。
でさぁ、共同製作ってなんなの?
こんなに人数必要なの?
こいつら全員口出ししてるの?
監督もカメラマンも俳優もスタッフも、
この映画を良い物にしようと
本気で挑んだ人は一人もいない。
そんな映画でした。
とにかくひどい(CGが)
内容もさることながら、中盤まで続く背景のCGと言ったら、そりゃもう酷いなんてもんじゃない。
ヒッチコック時代の代物でした。逆にそのノスタルジックな古典感を引き出そうとしてるのか。
よく分からん。百歩譲って、撮影中相当天気に恵まれなかったものと思いたい。
後半はCGが少なくなり、まだ観れた。
で、ストーリーですが、とても薄いです。
役者が可哀想。
申し訳ないが、下手な連ドラとどっこいどっこいの作品です。
そんな中、役者さんの演技は良かったように思います。
【ジャンルの思い込みを取っ払って観た方が楽しめそうなバランスの取れた作品】
・2017年公開の日本のヒューマンサスペンス映画。
・1992年。親に捨てられた(もしくは同じような)境遇を持つ13歳の子供たちがとある喫茶店のママと家族同然の暮らしをしていた中で、とある事件が起こる(これ隠す必要あるのかな?笑)。それがきっかけで二度と会わないことを誓った3人とママ。それから25年、篤は警察官として、悟はガラス店の社長として、啓太は建設会社の社長として、それぞれの場所で働らいていた。資金繰りに困っていた悟が金策のために啓太の元に会いにいく途中で篤と出会い酒を酌み交わす。翌日、悟が刺殺体として発見されてしまう。篤は啓太が何かを知っているはずと確信するも、警察には過去の3人の関係を公にできない。そんな状況で事件の犯人を、啓太を、追っていく篤。 という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・ラストで発覚する予想だにしない「繋がり」に驚き
・徐々に浮き彫りになるキャラクターたちの「優しさ」が涙を誘う
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[物語]
・全く読めずに「そうつながっていたのか!」となるオチはサスペンスとして凄い。ただ、出来過ぎていて若干の無理さも多少感じつつ。ヒューマンドラマとしては、涙腺を誘うラストになっていました。皆さんの演技の力だと思いました。出来れば、3人とママとの関係や背景をもう少し時間をかけて表現してもらえたら、涙ボロボロだった気がします。もちろん、現状で十分涙できますが。
[演出]
・サスペンスとヒューマンドラマのバランスが取れた作品だと思いました。ただ、バランスが取れすぎていて?もっとどちらかに振ってくれても良い気がしました。ラストの「衝撃」と「涙腺」も、どちらもバランスよくほどほどにでした。ある意味、その両立さが凄いのかもしれませんね。
[映像]
・田舎町の雰囲気が、懐かしさを感じれてとてもよかったです。
[音楽]
・際立って感じたことはありません。
[演技・配役]
・岡田准一さん、小栗旬さん、柄本佑さん、長澤まさみさん、木村文乃さん、安藤サクラさん、吉岡秀隆さん、皆さんすごい!みんな「人間っ」って感じが凄いしました。おかげで、ドロドロ下部分も含めて物語への感情移入がしっかりできたのだと思います。
[全体]
・「サスペンス映画が観たい!」と意気込んで観てしまったので、今回は少しの物足りなさも感じました。しかし、途中から「これはサスペンスではなくヒューマンドラマだなぁ」と切り替えられたことでラストはしっかり感動できました。両者のバランスが取れた作品なので、「これはサスペンス」「これはヒューマンドラマ」という思い込みを可能な限りとっぱらって、見えたままに感じたままに楽しむ姿勢で鑑賞された方が良い映画だと思いました。ありがとうございました。
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