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◆アベンジャーズ インフィニティ・ウォー

これはもはやヒーロー映画の域を超えた、常識破りの銀河巨編だ
  映画が始まるや、あらゆる展開をただ呆然と見つめるしか術がなかった。これはもう単なるヒーロー映画の域を遥かに超えた銀河巨編に等しい。これほど多くの出演者を束ねるだけでもロバート・アルトマン級の采配が必要なのは言うまでもないが、監督のルッソ兄弟はキャスト全員に見せ場を与え、個々の特色とリズムを最大限に活かして息もつかせぬアクションを生成。なおかつ過去作からの伏線も巧みに回収し、映画史に類を見ない圧巻のタペストリーを織りなしていく。

  物語は冒頭から衝撃の連続。まさか「マイティ・ソー バトル・ロイヤル」直後にこんな顛末が待っていたなんて誰が想像しえただろう。シェイクスピア劇をも彷彿させるほどの悲劇、そして絶望―――。続くNYで勃発する市街戦の時点ですでに興奮の密度は「アベンジャーズ」(12)のクライマックス級だが、予断を許さぬ中にも絶妙な笑いを挟ませる匙加減、さらにはソウルミュージックの響きを合図に場面が一気に宇宙の果てに飛び、ガーディアンズの独壇場が軽快に幕を開けるのも最高に気持ちのいい演出だ。

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  ヒーローたちが立ち向かう最強の敵サノスの、単純なようで複雑なキャラクター描写も実に面白い。そもそも彼が追い求める6つのインフィニティ・ストーンは、あたかもマーベル・スタジオが描き続けてきたあらゆる作品領域を網羅するかのよう。これを一つずつ掌握していくことはつまり、広大なシネマティック・ユニバースを一枚の絵のごとく集約する試みでもある。これほど集大成にふさわしき物語装置は他になかろう。またこのサノス、誰よりも無慈悲な強さを持つ一方、胸の中には苦しみや悲しみが渦巻いてもいる。その点、ジョシュ・ブローリンならではの無骨で繊細な感情表現が、観客に得体の知れないゾクゾク感をもたらしてやまないのである。

  やがて全ての支流は大河となり「ロード・オブ・ザ・リング」のような大地を揺るがすスペクタクルへと結実していく。劇中、様々なキャラが迫られる「ストーンか?命か?」という究極の選択、はたまた登場人物の誰かが語る「何千万通りの可能性の中の一つ」という示唆は希望への鍵となりうるだろうか。そして一体全体、あのラストが示す真意とは? 今後のマーベル映画の待機作のみならず、本作のセリフの行間にも未来を予測する様々なヒントが隠されていそう。それらをじっくりと咀嚼しつつ、1年後に迫りし "フェーズ3"最終章となる続編の衝撃に備えたいものだ。

(牛津厚信)


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