劇場公開日 2017年12月15日

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「新しい視点とあるべき展開」スター・ウォーズ 最後のジェダイ ヒポリタさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0新しい視点とあるべき展開

2018年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

賛否両論の嵐を踏まえた上で鑑賞。従来からの愛の溢れるSWファンや、様々な映画を見慣れたファンが怒る又は呆れるのも理解できるほど、今回の作品は
全開で広げた謎を回収しない、思った通りに物語が進行しないなど若干意地悪な作りではあると思ってしまう。
しかし、それでも今回のSWは今までにない程感動した。

それはこれまでのエピソードの中で非常に疑問というか違和感のあった部分、シスは闇・ジェダイは光と二極の勢力がぶつかり合うという構造についついて、改めて根底から考え直そうという試みがなされている点だ。
ジェダイは単なる勧善懲悪を行う存在で良いのだろうか?
いつ如何なる場合にも歴史が証明していること、それは剣を持つものは剣で滅びるのだ。ジェダイは光といいつつも、武力を用いる限り戦いは続きお互い消耗し続ける。
そしてそれこそは、今回初めて描かれたカントバイトのカジノの住人たちの思う壺なのだ。
DJの行動は理解不能で観る側を失望させるものだが、ファーストオーダーと反乱軍、好きにやってな、と突き放すような皮肉な存在、この第三の視点という存在は今までに無く、
映画を観る側に戦い合う二つの勢力に、ある意味冷ややとも言えるくらい冷静な視点を持つよう促す存在であると思う。

ファーストオーダーも反乱軍もどちらも消し去ろうというカイロ・レン、疲弊しジェダイという存在そのものに失望したルーク、どちらも極端ではあるがその心情に至る過程は理解出来る。

本当に光と闇は戦い合うしか道はないのか?
どちらかが歩み寄り手を差し伸べる。そんな新たな道への微かな希望を見た今作であり、これは非常に革新的な試みだった。
次作が楽しみだ。

ヒポリタ