劇場公開日 2017年6月17日

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「今風主人公による、ガイ・リッチー色の濃い痛快娯楽ファンタジー史劇でした」キング・アーサー スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今風主人公による、ガイ・リッチー色の濃い痛快娯楽ファンタジー史劇でした

2017年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

絶望的に酷い出来だった予告編のせいで鑑賞意欲が相当削がれましたけど、見てみたら思いのほか悪くはなく、まずまず普通には楽しめる内容でしたね。
アメリカでは大コケだったとの情報と、この予告編の出来のせいでガイ・リッチー監督作品なのに日本でもいまいちパッとしない状況のようですが、まあ記憶に残るような名作ではないですが、その時だけは十分楽しめる痛快娯楽ファンタジー史劇に仕上がっていた印象で、とりあえず見て損と言うことはない作品だったと思いましたよ。
ただ私は元ネタのことはあまり詳しくは知らいないんですよねぇ、一応私でも見たことのある正統派史劇のクライブ・オーウェン主演版とは真逆の作風でしたので、その辺りで好みは相当分かれそうな気がしますが、どうなんでしょう・・・。

しかしこの映画は、重低音がズシリと響き渡る音楽と効果音に相当ノセられた作品でしたね。
あの音楽についついノセられて、見る側の興奮度もドンドン上がってしまった感のある、何とも効果的な音楽でした。
映像もド迫力&スタイリッシュ、これぞガイ・リッチーの真骨頂とも言えるような映像&編集具合で、休む暇なく楽しめたジェットコースター娯楽史劇でした。
逆に言えば深く掘り下げはしない為、深みは全くなく、史劇なのに物凄く軽い作品に仕上がってしまった印象は否めませんでしたけどね、でもまあガイ・リッチーですから、ヤンキー上がり風な成り上がり王が誕生しても、それはそれでありなのではないでしょうか。

スラムのガキが成人するまでをスタイリッシュなダイジェスト映像にまとめてしまう強引な力業も、そこはひとたびガイ・リッチーの手に掛かれば、これはこれでいいかもと思えるような成長物語に仕上がっていて、私は何気に好きでしたね。
スラム生まれなのにこんなにマッチョに育ってしまったのは、ちょっと笑っちゃいましたけど。
少々難点だったのは、好みの問題込みでアーサーが画的にそこまで映えなかったことかなぁ、若いんだかオジサンなんだかよく分からない地味過ぎるイケメンのチャーリー・ハナムが主演だったことも、興行収入的に伸び悩んでしまった要因の一つだったのではないでしょうか。
それでも聖剣を手にしてソードアクションするシーンは、映像の凄さも相まって十分興奮させられましたけどね。

しかしよくよく考えると、聖剣とメイジ以外は大して意味なしだった気がしないでも・・・結局そのせいで聖剣無双、メイジ無双な印象が物凄く残ってしまって、アーサー自体はそこまで魅力的に映らなかった感じなんですよねぇ。
逆にメイジ役の女優さんの不思議な空気感は絶品だったなぁ。
まあ全体的にファンタジー色の濃い史劇ではありましたけど、勧善懲悪、少数で多勢の悪を倒す分かり易いストーリー構成は、とても感情移入がし易くて、十分普通には楽しませてもらいました、史劇と言うよりはアクション映画&ゲーム好き必見の作品って感じでしたね。

スペランカー